見出し画像

競売入札シミュレーション 大阪地裁堺支部編②R3.7.15開札

さて、今回取り上げるのは「一戸建て」をチョイス!

大阪地裁堺支部編
合計21件の開示です。

入札物件の期間は、
入札期間は6月30日~7月8日
開札期日は7月15日です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さて、どのような物件か見ていきましょう?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

事件番号:令和03年(ヌ)第1号
売却基準価額:10,390,000円

買受申出保証金:2,080,000円

買受可能価額:8,312,000円

1.土地

種別:土地
物件番号:1
所在地:堺市東区白鷺町一丁
地目(登記):宅地
土地面積(登記):102.79m2
用途地域:第一種中高層住居専用地域
建ぺい率:60%
容積率:200%

2.建物

種別:建物
物件番号:2
所在地:堺市東区白鷺町一丁
種類(登記):居宅
構造(登記):木造スレート葺2階建
床面積(登記)
1階:51.84m2
2階:44.55m2
間取り:4LDK
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:平成13年5月

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

■ポイント■

★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1、2】
なし

4.物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号2】
本件所有者が占有している。

5.その他買受の参考となる事項より
なし

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

★現況調査報告書より
1.建物所有者が本建物を住居として使用している。
2.内部の状況は、冷蔵庫、洗濯機、テレビ等の家財道具や日常生活用品などの動産類が存在し、現に住居として使用されている。
3.室内で猫1匹を飼育している。
4.1階玄関付近の窓枠や洗面室入口付近の壁にひっかき傷のような跡、洗面台の排水パイプの破損、2階の廊下にある収納扉の下部に破損が見られる。

※関係人の陳述等より
・所有者の孫
1.私は所有者の孫にあたり、他の所有者の孫と一緒に住んでいる。もともと目的物件は私たちの父の所有でしたが、父が亡くなりその子である私たちが相続放棄をしたため、所有者が次の順位で相続人となりました。
2.所有者は高齢であるため現在施設に入っている。主に目的建物1階の和室が同人の部屋にあたり、物が置いている。
3.所有者との間で賃貸借契約などや賃料などの授受はない。
4.昨年10月か11月頃1階の洗面台付近の床がびしょぬれになっていたことから排水パイプが壊れていることがわかった。台所の床下から入って点検修理しなければならないと言われ、現在洗面台で水を使わないようにしている。

※執行官の意見より
立ち入り調査の結果から、占有補助者にあたり、目的建物は所有者が家族とともに住宅として使用、占有しているものと認める。

※間取り及び室内写真より
1.間取りは2階建て1階がLDKと和室。2階に洋室が3室。
2.トイレは1階2階ともにあり。
3.水回り設備を見る限り建築当初の設備が設置された状態に見受けられます。
4.洗面台の水漏れも、洗面台取替を行えば容易に修繕ができそうな印象です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

★評価書より
・最寄駅から約450m。徒歩6分です。
・用途地域|第1種中高層住居専用地域
・接面道路の状況|西側幅員約4m市道(42条2項)
・ライフライン|上水道、ガス配管、下水道すべてあり。
・経済的残存耐用年数|約5年
・検査済みとのことであった。(完了検査を受けているとの理解でしょう)
・カーポートあり
・基礎となる価格として約1483万円が評価額として算出されています。
・評価人の算定した想定賃料がございませんので、個人的な相場観では9万円/月。年間で108万円となります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
108万円÷1039万×100=10.39%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
108万円÷1483万×100=7.28%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
108万円÷1186万×100=9.1%(表面利回り)

上記のようになりました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

★入札時のポイント★

周辺では戸建ての収益物件がないため、賃貸で募集をすればすぐに埋まりそうな感じもしますね。

ただ、平成13年建築ということで築約20年です。

まだ中古不動産としての取引も狙える物件ですので、入札額は面白そうなせめぎあいになりそうな予感がします。

間取りも長方形型ではなく少しいびつですが、家族が住むには良さそうな間取りに感じます。

再販事業者の狙う価格が上回るのか?
それとも収益狙いが上回るのか?

少し気になる物件です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

※注意しましょう!
現在、入札する添付書類が増えています。
「陳述書」です。
せっかく調査して、振込して、提出する入札書です。
くれぐれも書き間違い、書き損じ、書き忘れなどがないように注意してください。
これから入札検討される方は、「陳述書」の添付気を付けて下さいね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

現在は、自身でも入札をしています。
個人的に入札するのは、表面利回り20%以上の見込みがる物件のみです。
なので、ビギナー向けではありません。
これから不動産投資を始めたい、競売で購入したいとお考えの方はビギナー向けの物件から始められるのがよいでしょう。

個人的には1R,1Kタイプがお勧めです。収入は低くなりますが、マンション全体の管理を管理会社がしてくれるので、御自身の負担は少ないです。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


サポートよろしくお願いします!頂いたサポートで競売物件の現地レポートなどの活動費として活用させて頂きます!