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競売入札シミュレーション 大阪地裁本庁R2.8.4開札①

今回は大阪地裁本庁の入札物件をシミュレーションします。

ファミリータイプのマンションですが、6か月猶予がついているので不動産投資物件としてシミュレーションしていきます。

事件番号 令和01年(ケ)第823号
売却基準価額 10,360,000円
買受申出保証額 2,080,000円
買受可能価額 8,288,000円

種別:区分所有建物
物件番号:1
所在地:大阪市鶴見区横堤一丁目
種類(登記):居宅
構造(登記):鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):1階部分 56.79m2
間取り:3LDK
バルコニー面積:不明
管理費等:15,580円
敷地利用権:所有権
占有者:あり
築年月:平成7年7月
階:1階

■ポイント■
★物件明細書より
・物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号1】
転借人【A】が占有している。原賃借人【法人A】の原賃借権は抵当権に後れる。ただし、代金納付日から6か月間明け渡しが猶予される。
・その他買受けの参考となる事項より
【物件番号1】
管理費等の滞納あり。

★現況調査報告書より
・占有者が住居として使用している。
・管理費等の滞納有約8万円【令和元年12月調査時点】
・所有者←→賃借人【法人A】(管理業務受託会社)
契約内容
①契約は平成27年2月よりスタート
②賃料8万円
③管理委託費5,500円
④同消費税550円
⑤振込手数料440円
⑥預かり敷金8万円
※③④⑤は月額で所有者負担。
※実質の所有者の収入は計算すると73,510円になるようです。
預かり敷金返還金額全額
・賃借人【法人A】(管理業務受託会社)←→占有者【転借人A】
①契約は平成27年6月よりスタート
②賃料8万円
③共益費なし
④水道料負担
⑤敷金返還金額8万円
※執行官の意見として
目的建物について、所有者と管理業務受託会社間の契約書の内容は、管理委託業務のところ、サブリース面も窺える。とコメントがあります。
・目的建物は、経年による損傷、汚れなどがある。

※関係人の陳述等より
・占有者(転借人)より
1.私たち家族が現在目的建物を住居として居住している。第三者に賃貸等はしていない。
2.水道料金は、管理組合からの請求を受けて支払っている。
・管理業務受託会社担当者より
1.当社が所有者から管理業務を受託するとともに、入居者に転貸している。
・管理会社担当者より
1.水道料金については、滞納は生じていない。滞納が生じた場合は買受人へ請求する。水道料金は、基本料と使用量で構成されている。

※間取り及び室内写真より
1.3LDKの間取りです。洋室二部屋、和室が一部屋あるようです。
2.室内の写真を見ると、生活されている様子が窺えます。
3.綺麗にご使用されている様子が窺えます。

★評価書より
1.最寄駅から徒歩10分の場所にあります。約800m。
2.総戸数が75戸
3.経済的残存耐用年数は約15年とされています。
4.エレベーターあり
5.駐車場あり46台
6.マンション全体の修繕積立金は約1億2千万円となっています。
7.建物が二棟あるようで、二棟合計の戸数及び修繕積立金額のようです。
8.調査時点での大規模修繕計画はないようです。
9.基礎となる価格として約1510万円が評価額として算出されています。
10.現在の家賃が8万円/月となっていますので、年間の収入見込みが96万円となります。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
96万円÷1036万×100=9.26%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
96万円÷1510万×100=6.35%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
96万円÷1208万×100=7.94%(表面利回り)

上記のような数字となりました。

この数字を見ると少し物足りなさを感じますね。

今回の物件は6ヶ月猶予のため買取再販事業者の参入も十分に考えられます。

問題は再販価格の設定ですね。

レインズで成約事例を見ると改装済みで1700万円台で成約がでていました。
再販価格は1780万円としても、不動産投資物件よりも再販事業者の方が高く入札額が入りそうな感じがします。

現在2300万円台でリノベーション物件が販売されているので、2000万円を切った価格設定で入札されるならなおさら、落札は厳しそうです。

間を取って1880万円を再販価格とした場合で入札額を計算すると

1400万円あたりになりそうです。

これで収益目線で計算すると

96万円÷1400万円×100=6.85%となります。

分譲賃貸は人気はありますが、今回は高くても売却基準価額でないと投資効率としてはお勧めできないですね。

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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