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競売入札シミュレーション 京都地裁本庁編R2.8.20開札②

今回は京都地裁本庁の店舗物件です。

入札期間は、8月6日~8月13日まで
開札期日は、8月20日となっています。

入札期間の間違いがないようにご注意ください。

事件番号 平成31年(ヌ)第27号
売却基準価額 1,010,000円
買受申出保証額 202,000円
買受可能価額 808,000円

種別:区分所有建物
物件番号:1
所在地:京都市右京区梅津尻溝町
種類(登記):店舗
構造(登記):鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):1階部分  121.39m2
間取り:店舗(飲食)
バルコニー面積:不明
管理費等:43,009円
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:昭和50年8月
階:1階
総戸数:101

■ポイント■
★物件明細書より
・物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号1】
本件所有者が占有している。
・その他買受の参考となる事項より
【物件番号1】
管理費等の滞納有。

★現況調査報告書より
・建物所有者が店舗(空家)として使用している。
・管理費等の滞納有【約237万円平成31年3月調査時点】
・同マンション内に店舗は本物件含め11件あるようです。
・店舗用来客駐車場、店舗共用トイレが設置されているようです。
・郵便受け内に債務者宛の郵便物がたまっているようです。
・空室状態。照明・厨房機器等の設備はすべて撤去されている。ライフラインはすべて閉栓されている。

※執行官の意見より
1.店舗用来客駐車場の駐車料は、管理規約で店舗全戸で共同負担することとなっているようです。
2.衛生費とは、店舗共用トイレの維持管理費用として必要だそうです。
3.目的物件に第三者の占有は認められないそうです。
4.債務者に対し照会書を発送したが、期限までに回答がなかったようです。

※間取り及び室内写真より
1.飲食店用の間取りとなっています。
カウンター、客席、店舗内のトイレ、厨房、倉庫と揃っているようです。
2.店舗の席数や厨房なども広く使い勝手のよさそうな広さがあるように見受けられました。
3.僅かな動産物らしきものは見受けられますが、おおむね設備はないようです。

★評価書より
1.最寄駅から徒歩5分の場所にあります。約370m。
2.総戸数が101戸(内、店舗は11戸)
3.ライフラインについて、上水道、ガス配管、下水道すべてありとなっています。
4.経済的残存耐用年数は約5年とされています。
5.管理の状況は普通となっています。
6.マンション全体の修繕積立金の額は約4100万円となっています。
7.本建物の建築確認概要書によると、高さは最高で19.95mで、12m高度地区の指定を受けた部分では超過している可能性がある。
8.相当長期間空家で放置されていたものと推定されると記載があります。
9.基礎となる価格として約645万円が評価額として算出されています。
10.算定人の算出している賃料の目安が20万円/月。年間で240万円となっています。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
240万円÷101万×100=237.6%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
240万円÷645万×100=37.20%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
240万円÷516万×100=46.51%(表面利回り)

上記のような数字となりました。

ここに現在の滞納額を加味して再計算します。

計算式1【売却基準価額での計算】
240万円÷(101万+237万)×100=71.00%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
240万円÷(645万+237万)×100=27.21%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
240万円÷(516万+237万)×100=31.87%(表面利回り)

店舗での募集になるので、借り手側で改修してもらうことを考えると改装費用はかかりませんよね。

ただ、長期間空家になっていたことがきになりますね。
設備関係がちゃんと使用できるのかどうか?

場所を見ても駅からも近くマンションの一階の店舗なので人は集まりそうな気がするのですが実際はどうなのか?

価格の安さを考えると入札数は多く入りそうな感じですね。

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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