競売入札シミュレーション 大阪地裁本庁編R2.10.2開札①
今回は大阪地裁本庁からです。
入札期間は9月18日~9月28日です。
開札期日は10月2日となっています。
今回は前回よりも物件数が減っています。2開札連続で開示件数は減っているので、今後も近い件数で続くのかな?
事件番号 平成30年(ヌ)第149号
売却基準価額 1,680,000円
買受申出保証額 340,000円
買受可能価額 1,344,000円
種別:区分所有建物 持分売り
物件番号:1
所在地:大阪市西区南堀江四丁目
種類(登記):居宅
構造(登記):鉄骨鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):11階部分 67.40m2
間取り:2LDK
バルコニー:有
バルコニー面積:あり
管理費等:28,830円
敷地利用権:所有権・その他
占有者:債務者・所有者
築年月:平成4年3月
階:11階
総戸数:43
持分:8分の1
■ポイント■
★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1】
なし
4.物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号1】
売却対象外の共有持ち分を有する【B】が占有している。
5.その他買受の参考となる事項より
【物件番号1】
本件建物は共有持ち分についての売却であり、買受人は、当該物件を当然に使用収益できるとは限らない。
★現況調査報告書より
・建物所有者が本建物を住居として使用している。
・滞納なし
・目的不動産は債務者である【A】が持ち分8分の1、債権者である【B】が持ち分8分の7の割合で共有しており、このうち【A】の持ち分についての強制競売事件である。
※関係人の陳述等より
・居住者(申立債権者)より
私はここ(目的建物)に住んでいる。
※執行官の意見より
目的建物には申立債権者が住居として使用、占有しているものと認める。
※間取り及び室内写真より
1.角部屋の2LDKです。
2.室内写真の設備を見ると分譲時の設備のようです。
3.室内は生活雑貨が揃い生活感を感じます。
4.室内の様子を見るとお家の中でエステサロン等をされている様子が感じられます。
★評価書より
1.最寄駅から徒歩5分。約400mと記載があります。
2.総戸数43戸
3.経済的残存耐用年数は約29年とされています。
4.エレベーター一基、駐車場、駐輪場、ゴミ置き場あり
5.マンション全体の積立金は約6800万円となっています。
6.建物所有者が住宅として使用している。
7.基礎となる価格として約2735万円×8分の1=341万円が評価額として算出されています。
8.評価人の賃料設定がないので近隣の募集事例の賃料でみると13万円/月。年間で156万円となっています。
持ち分で見ると8分の1なので、月1.625万円。年間で19.5万円。
今回は19.5万円で計算します。
【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】
計算式1【売却基準価額での計算】
19.5万円÷168万×100=11.60%(表面利回り)
計算式2【基礎価額での計算】
19.5万円÷341万×100=5,7%(表面利回り)
計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
19.5万円÷272万×100=7.1%(表面利回り)
上記のような数字となりました。
持ち分での収益性はやはり考えるのは厳しいですね。今回は持ち分も8分の1なので落札できてもメリットは感じられません。
この手のタイプは落札後、残りの持ち分を持っている方に買い取っていただくか、残りの持ち分の方の所有権を買い取るか?
本体の価格がそれなりにボリュームとなるため本当の玄人が狙う物件でしょう。
今回取り上げたのは、持ち分売りの落札動向を調べるため入札シミュレーションしております。
※筆者の紹介
前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。
勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。
やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?
現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。
併せて読んで頂けたら幸いです。
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