【小説】タイムマシンに乗って ②
ーBrilliant Stars☆-
自分の作品をつくりたい。
幼い頃の、小さな夢だった。
でもそれも、もう叶わないんだろう。
諦めかけていた矢先。
突然、扉は開かれた。
ぼくの言葉が音を連れて、声に乗って
ひとつの歌になった。
はじめて作った、ぼくの歌。
嬉しくて、嬉しくてうれしくて。
早く誰かに聴いてほしかった。
ある、寒い冬の日。
小さなステージに輝いたのは
季節外れの、夏の大三角。
ベガ、アルタイル、そしてデネブ。
僕らの旅立ちを後押ししたのは
夜空に輝く星たちだった。
ーまえむきサンセットー
小さなステージで出会った音楽は
ぼくにとってとても新鮮だった。
でもその音楽たちは
ぼくがずっと
憧れてきたものでもあった。
なんとなく、見ないフリをして
諦めてきた、憧れ。
閉ざしていたものが少しだけ
開かれたような。
ココロの奥にあった、小さな光。
それを逃さないように捕まえたら
ぼくの、新しい夢が動き出した。
大好きな街で、大好きな音を。
新しいステージが、また、はじまる。
茜色に染まる、西の空。
明るい未来を呼び込む空だ。