【小説】タイムマシンに乗って④【最終回】
ーそしてまた、次の未来へー
タイムマシンで過去を旅して
最後に出会った僕は
壊れたココロを抱えて
その場所に立ち止まっていた。
それから。
ぼくはひたすら、僕と向き合った。
今までずっと逃げてきたから
今までずっと甘えてきたから
もう繰り返したくなくて
もうあきらめたくなくて
壊れたココロに耳を傾けて
「傷つけて悪かった」って
「今まで、よくがんばったな」って
何度も何度も、話しかけた。
誰かのために生きられるように
誰かをちゃんと愛せるように
そんなことばかり考えてきたけど
「誰か」という言葉は
「ぼく」という言葉に
置き換えることができて。
ぼくのために生きられるように
ぼくをちゃんと愛せるように
それができるようになったら
きっと未来が変わる。
大丈夫。
きっと、ぼくにだって
できることがあるはずだ。
もう一度、あの日のぼくに会いに行こう。
あの日のぼくのために歌おう。
そしていつか、
あなたの心にも響くように。