表現するための方法はチョイスする
私はコロナ禍前まではほとんどDTMをやったことがありませんでした。バンドメンバーに渡すためのデモ音源をMacに備え付けのGarageBandで軽く作るぐらいの程度です。
実はハタチぐらいの時に同じくGarageBandでバンド音源を作ったことがあったのですが、"何を表現したいのかよく分からない"と言われたことが結構ショックだったのもあって、私はこういうの向いてないんだなあと思いなんとなーく避けてたりもしてました。
それからありがたいことに環境に恵まれて、バンド音源を作らせてもらえたり、色んなミュージシャンの方と繋がらせてもらったりして何度もリリースをしてきましたが、コロナ禍になったことでレコ発ツアーをするのも予算をかけて制作するのも難しくなり、これからのリリースどうしていこうかなと思っていた矢先、個展の話が上がりました。
この個展に合わせて音源を出したい!と思った私は、じゃあ自分で録ってしまおう!となぜか今まで避けていたDTMに立ち向かうことにしたのです。Why?(笑)
単純に個展に予算がかかるのにレコーディングにまで予算をかける余裕がないのもあったのですが、なんとなくあの時言われた"何を表現したいのかよく分からない"を今なら表現できると思ったんですよね。あと、今思うと10周年でその言葉を回収したかったのかもしれません。
個展が決まった以上やるっきゃない!というわけで、昨年11月にDTMソフトのLogicをインストール。「GarageBandが使えればLogicも似たようなもんだから〜」と言った人に私は言いたい。
全然ちゃうやんっっっ!!!!!!!
名古屋から東京に行くようなもんだと思ってたら、日本から海を越えてアメリカに来た感覚ですよ。それはとてもとても焦りましたよ。私からあえてお伝えしますが、GarageBandとLogicは全く違います!(笑)
画面上に並ぶ未知の言語を調べるところから始まり、触ってみては「うーん、さっきと何が変わったのか違いが分からない」って本末転倒な自分の耳に絶望し、40曲レコーディングするという謎のスパルタ的な目標は本当に達成できるのか?とハラハラしながら毎日DTMと向き合いました。あ、40曲の内半分以上がフルバンドで残りはアコースティックアレンジ、弾き語りは3曲だけです(笑)
そんなDTMをやってみて1番よかったことは、色んな音が聴こえるようになったことです。今まではぼんやりと全体のバランスで聴いていた曲が、このフレーズかっこいい!とかこの音作りどうやってるんだろう?とか細かい音が自然と耳に入ってくるようになりました。日々アレンジをしているので、耳がインプットモードになっているのもあるかもしれません。
これは弾き語りSSWにありがちなんじゃないかと思っているのですが、一人で曲を作って一人で演奏する自己完結型がゆえに、バンドマンより他の音を聴く耳になりづらいんじゃないかなあって。今まで聴こえてなかった音がこんなにあったんだなあと自分でも驚いています。
あとは演奏スキルが上がったり、自分の癖を知れたり、曲作りの幅が広がったり、今後の音楽活動への大きなメリットになりそうです!
こちらは半年前のMIXと半年後のMIX聴き比べ。そもそもアコからバンドに進化しちゃってますが。
音楽の楽しみ方は時代と共に変化してますよね。CDからストリーミングへ、生ライブから配信ライブの導入へ。ツアーミュージシャンだった私は、スタジオで一発レコーディングからまさかの一人自宅でDTM。真逆じゃないかーい!ってツッコミが入りそうですが(笑)、そこは変化と共に自分も変わっていきたいと思ってます。あくまで「表現する」が私のメインのやりたいことなので、その時に表現したいことのためのベストな方法をチョイスしたいんです。
藤森愛の10年がどう表現されるのかをお楽しみに!
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Taylor Guitarsプロモーション映像の楽曲を担当
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