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告白

お母さんへ。

お母さん。 お母さん。 私のお母さん。
これから書くことはお母さんを少なからず傷つけて、きっと頭を抱えてしまうかもしれません。

それでも私は、自分の苦しさを解消するためにこれを書きます。 お母さん、良ければ最後まで読んでね。

まず、あなたの娘は「レズビアン」であるという事をお伝えします。
「レズビアン」もっと分かりやすく言うと「同性愛者」だね。 女の子が好きな女の子の事です。
最近はテレビでも扱われるようになったね 分かりやすくいうと「ゲイ」とかそういう言葉で。

娘は、そういう人たちと同じなんです。 ここまでは一旦いい?

今思えばそう言う傾向はありました。
中学生から20歳にかけて、何人か男の子を好きになることがありました。
その時でも、女の子の事を可愛いと思ったり、ドキドキする瞬間はありました。

思春期特有の勘違いかもしれないと最近までどうにか思い込んできたけど、今思えばあれも兆しだったのかもしれません。

気づいたのは本当に最近です。
親戚や、友達のお母さん、お母さんのお友達 色んな人から『彼氏は?』『娘ちゃんももうすぐかな?』『綺麗なドレス姿が見たいわ』『可愛い赤ちゃん見たいね』
そんなことを言われる度に不快感を覚えて、ストレスを感じて、でも怒る程のパワーはなくて
ヘラヘラ笑いながら「私は結婚しないから諦めてね」って言ってきました。

私、その言葉が重なって重なって、私なりに男の子とコミュニケーションを取ったりしたけどやっぱりダメで……やっと認められました。 2月の頭のことです。

インターネットや本を見ると、カミングアウト……家族や周りの人に自分が他の人とは少し違うよと伝えるのはごく一部の人らしいです。
そりゃそうだよね 今まで笑いあっていた家族から拒絶されるかもしれないから。 友達を失うかもしれないから。

私も黙っていようと思いました。 その方がお互い幸せだから。
でも、昨日のお父さんの十七回忌の帰り道、お母さんが私とお兄ちゃんに言いました。

『おばあちゃんが、お前達が結婚する時のお祝いにお金を貯めてあるんだよ』

それは前から知ってたけど、過去1番心にズシンと来て苦しかった。
それは使われないお金。 きっと、おばあちゃんが望んでいた形では使われないお金。
私はきっともう男性の隣で白いウェディングドレスを着る未来が無いから、意味の無いお金。

その後食べたねぎトロ丼の味は実はあまり覚えていません。



お母さんは、また娘がおかしなことを言い出した。いつもの思いつきでの発言だ。そう思うかもしれません。
そう思ってもいいよ。でも勘違いしないで欲しいのは

私がこうなったのはお母さんのせいではないということ。
お父さんが居ないから、こんなふうに育ったわけではないということ。
精神の病気ではないということ。
同性愛は、治せるものでは無いということ。

それだけ理解して欲しい。お母さんにはなんの罪も無いというのだけ分かってくれれば、私は理解されなくてもいいです。

直接話せないからこんな形で書くのはずるいね。
そしてこれは直接読ませるか分からない手紙です。だってここnoteだし。

手紙を書こうとして、何も出てこなくてダメでした。
だからこうして電子の海にまず流します。
現実でも渡せたらいいけど。

お母さんへ
これは、タイトル通り告白であり そしてあなたの想像通りに育つことの無い娘の懺悔です。
何一つ上手くいかない人生でごめんなさい。
でも私はお母さんが大好きです。それもわかっていてね。

お母さん。 私のお母さん。
今夜は寝られないかもしれません。 隣の部屋で寝るお母さんを思ってしまうから。 寝落ちしてたらウケる。

ここまでありがとう。

娘より

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