Story7 緊張のプレゼン日
2019年11月8日 ignite Vol 8
さあ、待ちに待った大切なプレゼンの日。
「Story 2」でも登場した、
私が愛してやまない某企業のゲストメンバー5名の方が 森のオフィスに来られて、
その方々の前で各チームの企画を発表する。
発表時間は3分。その後、5名の方々からフィードバックコメントをもらえる。
私たち「富士見やげ」チームの発表順番は
全7チーム中、3番手。
企画はこの数週間、メンバーと本当に濃密に
打ち合わせして詰めてきた。
企画書は可能な限り、作り込み、修正して来た。
プレゼンのために車中など可能な限り時間を
作って、繰り返し声出し練習もして来た。
準備は整った・・・が、どんなに万全を期しても緊張は拭えない。
とにかく発表直前まで水分補給して乾いた喉を
潤し続けた。
一年後のいまでも、この記事を書いていると
ドキドキしている。
それだけ自分にとって大切な日で、本当に
プレッシャーだったのだと 改めて気づく。
各チームの発表が進み、富士見やげの番がきた。
メンバーに「頑張って」と声をかけられた。
その声で何か「パーン」と気持ちが吹っ切れた。
「よっしゃ、やってやろうじゃんか(笑)」的な。
「企画に自信を持って」
「早口にならないように」
「相手の顔を見ながら」
この3点に点に気をつけてプレゼンに挑んだ。
緊張の3分が終わった。 そして、緊張のフィードバックコメントの時間。
・・・結果は、
なぜ、この企画をやりたいのかという、「Why」の部分に 共感と高評価をいただいた。
「土産話はコミュニケーションツール」
「何これ感」というwhyに評価をいただいた事は企画自体の根幹なので、本当に嬉しかった。
この「why」はメンバーと月に何回も
会ってミーティングして
何度も何度も掘り下げてきた部分。
その苦労が報われた気がした。
しかし、一方で、その「Why」に基づいて
作られる物「What」に
関してはするどい指摘をいただいた。
今回、私たちは八ヶ岳の形をしたハンコ入れを「what」として準備した。
それに対して「本当にターゲットがあっているのか」という指摘。
いや〜指摘は鋭かった。何か痛いところを鋭くつかれた気がした。
プレゼンの後に机で一人になる時間があった。
その時、一瞬だったがすごく深く考えていたのを今思い出す。
自分たちは「コミュニケーションツールを
作りたい」と言っていながら、
「今、玄関先で会話って生まれているか?」
「玄関でハンコを使う頻度って多いか?」
「ハンコ使うときに八ヶ岳と富士山の背比べの伝説なんて話したいか?」
「自分が作りたい物(ハンコ入れ)に合わせて、Whyを擦り合わせていないか?」
そんな風に深く考えていた。
そして、こう思った。
「もう一度、Whyに立ち返ろう」 と。
メンバーにも気持ちを伝えた。
「Whyは変えず改めてターゲットを精査して「what」を話し合おう」と。
今思うと、この時の変更が現在の富士見やげの
最終系になっている。
4月からスタートして11月。 今回の変更で、
半年間取り組んできた苦労は 無駄だったのか?
・・・いや決して、違う。
今までの苦労を無駄にしないためにも、
時には立ち止まり、
振り返ることが大切だと思う。
問題点に気づきながら 自分の心をごまかしながらでは良いものは作れない。
それこそがWhyにあった
「納期優先の作り手本位の物作り」なって
しまう。
物作りにおいて納期等も大切。
しかし、商品を受け取る人を置き去りにした作り手本位では 今までと変わらない。
富士見やげが作った商品を手にする人が、
「本当にこの地にきて良かった」
「富士見やげに出会って良かった」 と思える物を作らないとダメだ。
そして、そのために必要な労力は惜しまずにつぎ込む。
こんな風に考えていたからだろう、
自然と 「あー物作りって面白い、楽しい」って
心から思っていた。
この頃だろうか、周りからも「最近、変わった」と 言われるようになった。
ちょっと前までは、なんかやばいんじゃないかって心配されていたらしい。
心の豊かな人達と触れ合う事で心も健康になる。
どんな人達と関わって行くかは自分で選択できる。
Ignite参加の目的でもあった、
「物作りの楽しさを取り戻す」が
知らないうちに叶ってきている気がした。
そして、その目的は
「富士見やげを成功させたい」という
次のステージにstep upしている。