キャリアコンサルティングは「大変」なもの
富士山は、見る位置が変わると全く別の姿になって現れてくれます。標高800メートルを超える場所からの富士山。雪がしっかりと積もっていて美しさが際立っています。気持ちが元気になります。先日のサードプレイス・ブリッジのイベントで、森本千賀子も富士山について言及されてましたよ。とてもいいものです、日本一の山。
大変だと思うキャリアコンサルティング
富士山のふもとに戻ってきて2年半以上が経過。研修とともにキャリアコンサルティングの仕事も増えてきています。いろいろな人の話を聴き、気持ちを受け止めるのが大変だというのを、最近になってようやく感じるようになりました。
今から9年近く前に取得したのが産業カウンセラー。そして、8年前に取得したのはキャリアコンサルタント。5年前に国家資格キャリアコンサルタントとして登録しました。
資格を取ったばかりの頃は、キャリアにかかわる仕事はほぼしていなかったです。人材開発のコンサルティングの一環で、時折キャリアにかかわる話を聴く機会があった程度です。相手の話を聴いていても、確かに力は使うものの、「大変」だという感覚よりはむしろ「疲労」が大きかったと思います。自分自身の気持ちに目が向いていると、疲れる、という感覚が大きいのです。もう疲れたなぁ~、という声が出てきそうな・・・
ただ、昨年あたりから、疲労ではなく大変だという気持ちが芽生え始めました。夏場にキャリアコンサルティングの機会が増えてからは、大変だと感じる状況に直面するようになりました。相手を理解し、相手を受け止めるのは大変なことです。楽じゃないです。
疲労ではなく、なぜ大変なのか?
なぜ「大変」かといえば、それだけ相手の人生やキャリアに向き合う責任の重さを感じるからでしょうか。キャリアコンサルタントとして、今年は約60名を超える人たちの話を聴く機会をいただきました。相手の生きる道にかかわる話を受け止める厳しさは、丁寧に聴くからこそ実感します。相手の相談内容によっては、情報提供やアドバイスをしますので、それだけ責任も重くなります。ただ、相手が一歩踏み出すきっかけになると考えると、大変な役割を日々引き受けているんだなって思います。
大変だからこそ思うのは、私自身の気持ちが辛いということではないのです。相手に向き合って、相手が何か気づきを得てすっきりした表情になると、やっぱりキャリアコンサルティングは可能性のある場所なのだと思えます。その場面で相手にかかわるのは大変ですが、同時にやりがいがあると言える役割です。もっといえば、キャリアコンサルタントとしての成長を実感できます。
成長を感じますが・・・
私にとってあまりなじみのない領域での話になると、関わるのが正直きつくなりがちです。私自身が経験していない事象については、きちんと理解を事前にしておくことも必要だと感じます。そのために知識の拡充が必要なのです。事前の理解というのは、営業の時にも同じような事は言えます。相手の情報はある程度把握しておくことが求められます。ただ、キャリアコンサルティングの場合には、相手にどのような相談事が出てくるかわからないため、準備の限界も感じます。
そうはいっても、何もせずに手ぶらで臨むのでは相手の理解に時間がかかり、相手がせっかく相談しても、この時間はなんだかよくわからなかったと思われて終わってしまいます。お互いにとって疲れてしまう時間になりがちですね。
セルフキャリアドックの考え方が大きくなってきて・・・
セルフキャリアドックの考え方が、最近になって大きく前面に出てきています。人事に関わる人たちにとっては今更の感もありながらも、まだまだその考え方が中堅・中小企業には届いていません。特に都市部にない企業では届いていないでしょう。
組織の方針があって従業員の一人一人のキャリアがある。それぞれの重なりを見出していくことが、ようやく最近になって強調され始めました。コロナ禍になってその流れが一度は止まりかけました。セルフキャリアドックでは、社員一人一人の細かな事情を経営サイドは知ることはできません。ただ、社員が課題として認識していることや今後目指していることを、組織が大きく把握していれば、この先どのように人材育成を推進していくかが見えてくるのではないでしょうか。組織が、社員のキャリア支援をどう進めるかも、少しずつ見えてくるでしょう。
こうした背景を踏まえると、キャリアコンサルティングは大変なものだと言えます。大変だからこそやりがいがあります。個人だけでなく組織の可能性の拡大にもかかわるからこそ、大変なのです。大変だからこそやりきれば面白い。大きく変化する可能性があるのです。可能性を信じましょう、大変なだけに。
未来が拓けているかのような、この道を進むかの如く、です。いい天気でした!
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