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■2020/7/12~17-ラストオブ母乳

ほぼ仕事尽くしだったのでドラマティックな出来事もないのだが、一応、この一週間を振り返る。

7月12日(日)アンテナ越しの片思い

妻、付き添い入院のため不在。夜、LINEのビデオ電話で娘の様子を見たりなど。妻は妻で、3時間おきの経管栄養&搾乳で相当大変そう。当の娘はずっと寝ているらしい(これも脳の影響?それとは関係なくそういうもの?)。

7月13日(月)退院妻とほどほどうどん

午前中、妻を迎えに病院へ。入院中の話や娘のことを聞くが逐一質問が湧いてくる。が、妻がその答えの全てを持っているはずもなく、段々といら立ちを覚えてくるのは、これ、注意したい。――というのをわざわざ書くぐらい、注意したい。妻は悪くない。むしろ疲れた妻の話を受け止める余裕をもってない僕が悪い。

あと、睡眠不足。これもマズイ。あからさまに気分に影響を及ぼす。ナルホド。今、気分の悪さは死活問題。心の器量が小さくなる。睡眠不足、ダメ、ゼッタイ。

娘が生まれて以来、自分について学ぶことが多い。自分の扱い方ぐらい、自分で知っておかないとねえ。

×   ×   ×

病院帰り、昼食にと丸亀製麺へ寄る(夏限定の「氷うどん」が食べたかった!)。

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が、店外まで行列が伸びている。伸びるのは麺だけでいいぜ!ソーシャルディスタンスはどこへやら!てなもんで、断念。

行きたいところに行く、やりたいことをやろうとする、けれど、密ってたらやめておく、てな、「ほどほど」を誰もが保てれば、緊急事態宣言出すか否かてな、0か100の問題ではなくなると思うのだけどなあ。日常の中にふっとわく些細な欲望との戦い。自分へのご褒美との格闘。それがコロナ、な気がしてる。

7月14日(火)忘れる

昨日も今日も、妻、こときれたように眠る。付き添い入院中は慣れぬ育児で大変だったのだろう。僕は終日編集作業。外はずっと雨。ほんと、連日、雨。

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娘に会いたいブームが去る。自分の娘が存在してる感、絶賛希薄になる。恐れていた事態!だけど想定もしていた事態!

7月の面会解禁を一か月間待ち続ける→けれど解禁ならず→落ち込む→もう期待しすぎないと心を閉ざす…という流れからの、今!

ま、実際会えばかわいいだろう。冷めた心も再度過熱するだろう。というか、もしもすぐに娘が家に帰って来ていても、「娘!!!かわいいい!!食べたいぐらいかわいい!!」というテンションは一か月もあれば落ち着いていただろうと考え、父性のお茶を濁す。ま、ヘーキヘーキ。写真を見たらやっぱり娘、かわいいもの。

7月15日(水)笑う障害、震える倫理

僕は終日仕事。妻は面会&練習のため病院へ。
ちなみに、妻がデジカメで撮って来て写真は、その都度GooglePhotoにアップし、家族限定で見られるように公開している。今日の娘も、絶賛ご就寝。

×   ×   ×

夜、妻とこんな会話。

妻『妊娠中はつわり少なくてかなり楽だった。でもこれって、いたずらする元気なかったのかな、脳みそ小さくて』
夫『なんてこというの!?(笑)』
妻『いやだって!(笑)』

妻『うん、とにかく手かけない、いい子だったよ』
夫『まあその分、出てきたあと、一生かけて手がかかるからね』
妻『なんてこというの!?(笑)』
夫『いやだって!(笑)』

文脈がわかってないと倫理感震える耳を疑う会話。だけど、当事者の親からすると、うん、大丈夫、障害も、もとい、今の日常でも、笑える。

が、少し俯瞰してみると、笑わざるを得ない悲哀、ちうのも、含んでるんだろうな。娘の症状について、笑い話にできるぐらい日常として「馴染めばいいな」と思っていたが、むしろ「馴染ませないといけない」てな無意識的な働きもある気がしてる。笑おう笑おうとしてる。の、だと思う。(まあ、言動にあとから無理やり意味をつけたら、だけど。会話をしてる時点ではそんなこと考えてはおらぬ)

7月16日(木)すすってこその母乳

妻、搾乳降参宣言。よもや娘が母乳を飲める可能性はなきに等しいし、捨てるだけの母乳を絞り続けるのもむなしいし、あとシンプルに大変だしということで。そんなわけで娘のための母乳、と言う観点ではもう降参問題ないだろう。

が、別の問題はある。というのも、僕が、まだ、母乳、飲んでないのだ。男に生まれ、妻が母乳を出す以上、一度は母乳をすすってみたい。それが男心ってものだろう?母乳をテイスティングしたい。そういった知的好奇心こそが落ちるリンゴをみて重力を発見するのだろう?

「じゃ、母乳、さっさとすすればいいじゃないか!」という糾弾されるわけだが・・・い、いかんせん・・・ちょっと・・・抵抗があるのだ・・・こ、こう・・・あれだ・・・僕・・・他人が握ったおにぎりとか食べられないタイプなのだ・・・その流れで言うと・・・人体で生成された乳というのは・・・ぬくもりが強すぎて・・・二の足を踏んでしまうのだ・・・

「母乳すすらせろ!」と自分から言い出したくせに、「あ、でもちょっと待って・・・」と勝手にひるみ始める、この傍若無人ぶり。乳をもてあそぶケダモノ。母乳の敵。妻からすればたまったもんじゃない。

だが・・・いつの日か・・・母乳が止まるその前までには・・・一度は・・・すすらねば・・・すすってこその・・・母乳だろう・・・!

×   ×   ×

夜、仲間Tとその彼女Hさんと新宿で会食。初対面となるHさんは、8月に独り芝居をやるようで、そのオンライン配信などについてアイデア出しにお呼ばれした。クラウドファンディングも考えているようでアイデア出しをしたのだが、フラッシュで思いついた『気軽にオンライン配信が出来る劇場システムを作りたい』てなプロジェクトって、意外と需要があるのではないだろうか。照明機材・音響機材と同じ感じで、配信機材を備え付けにしてオペレーターも紹介できる流れが汲めれば、そういう劇場を使いたい層って結構あるんでないかなあ――なんて、楽しくてあっという間の3時間だった。

7月17日(金)ラスアス2と丁度いいどうでもいい

妻、面会&練習のため病院へ。今日の写真は取れ高満点。寝る・泣く以外の、娘の新しい表情が撮れていた。
一方、僕は僕で、とりもなおさず編集だ。

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『The Last of Us Part II』クリア(以下、少しネタバレ含む)。

日々、少しずつプレイしていたが、物語中盤ぐらいからはのめり込んでしまった。感想は色々あるが、ひとつあげるとするなら「命より大切な物を〇〇〇する」という切り口は、とても良かった。ただまあ「復讐モノのストーリーって復讐を果たすか、どうやったってそこに帰結するしかないよね」というジレンマは感じた。なんだか昔かいた台本を思い出した。

問題視されてるゲーム内の過剰なLHBTQの取り上げについては、『スタンド使い同士は引かれ合う』といった万能設定がない状態でのジョジョのような感覚で、確かに過剰さを感じた。が、最後までプレイしてみればどうでもよくなり、その『どうでもよさ』が、なんだか本質な気もした。これは作品のメッセージではないだろうけど、『丁度いいどうでもいい』が、意外と世の中に調和をもたらすんじゃね、だなんてことも思ったりもする。他人のLGBTQも、国籍も、肌の色も、どうでもいいよね、実際。

だなんて、こんなに色々考えるゲームってプレイしたことない。表現は過激だけど、あくまでもエンタメだし。そういう意味でもホント傑作でした。

あ、ただ、6月19日の発売日に例の序盤の衝撃シーンを見るには、少しメンタルが準備不足だったけど・・・!

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