何故アーティスト達はAIから離れたのか。
こんにちはfujiです。
「そろそろシンギュラリティが来る」「もうシンギュラリティは来た」等々、各業界騒がしいですが皆さんは最近AI触ってますでしょうか?
私は自分でやっていた面倒くさい事はほぼAIに丸投げしています。
精度はそこそこなので都度チェックしていますが優秀過ぎるアシスタントです。しかも大半のAIが無料。本当に有難いです。
サムネも私が2022年にAIを使って出力したものです。
もう3年経とうとしているのか…AIより時間の流れの速さの方が恐ろしいです。
・AIがアーティストを淘汰すると言われた時代
数年前、画像生成AIが流行った時期にネット上では著名なイラストレーターや3DCGアーティスト、コンセプトアーティストの方々がAIアートの投稿や検証を毎日のようにしていました。
しかし2025年を迎えた今、明らかに投稿頻度は下がっています。
先日、世界的に有名な某コンセプトアーティスト兼モデラ―の方のAIコミュニティが実質閉鎖しました。
画像生成AI、特にMidjourney等が出てきたときは、今後AIはコンセプトを出す段階として重宝されて、アイデア出しは今後AIに任せれば良いのではないかとまで言われていたのに。
勿論公にしないところでのアイデア出しなどでは、未だに重宝されていると思いますが、生成したコンセプトや画像をネットで発信する人が減ったのは何故なのか。
各サービスやユーザーのAI反対運動の影響もあるとは思いますが、理由はもっと根本的な部分にあると思いました。
・作品は伝達する為の手段でしかなく、アーティストは思想や構想の部分に大半の労力を使っている
イラストでもCGでも創作物は何かしらのコンセプトがあって作られています。動画でもそうですね。
どんな制作物も「何を伝えたいのか」が根本にあります。
AIもプロンプトを考えるわけですが、伝えたコンセプトが視覚化される段階はほぼ全て自動で行います。
しかも70%前後のレベルで出力されてしまう。
言うなれば、めちゃくちゃ優秀なんだけど突っ走っちゃうタイプの助手といった感じですね。
アイデア段階で、抽象的で概念でしかなかったものを一瞬で形にしてしまう。
これはアーティストとしては面白くないです。
制作者の方々は皆プライドを持って仕事をしています。世の中にある制作物は多くのアーティストの拘りが詰まっているのです。
優秀なアシスタントがいるのは良いですが、一番おいしい所をかっさらっていってしまう。
アーティストが作業者の立場ではなくマネジメント、更にはクライアント的な役目になってしまうのです。
生成AIが出てきた時、多くのアーティストが悲観していましたが現時点ではまだAIはツールに過ぎないという事です。それも自我をもった格別優秀な。
一見もの凄く脅威に思われますが、発案からデータ構築までの段階をすっ飛ばしてしまうのが現状のAIの最大の強みでもあり、弱みでもあります。
とはいえ今後一般的な「クリエイター」は淘汰されるかもしれませんし、今後学習が進むにつれ新しいクリエイターの誕生を妨げる存在になりうることは確かです。
しかしアートの分野においてAIが人間を超えることは無いのでないかと思います。
現状のアートから学習する半面、我々人類もAIの強みを生かして旨く手を取り合っていける未来が来ると良いですね。
ONE OK ROCK- Dystopia
人類とAI、お互いの強みを上手く掛け合わせて作られたなぁ…と個人的に感動したMVがあるので載せておきます。
今まで人間が培ってきたセンスと技術に加え、AIが作るこの無理やり感というか奇妙さがまた良い…。
・AIに仕事を奪われない為には
神に祈るしかない…わけではありません。
勿論部分的に奪われてしまう市場もあるかと思います。
しかし物造りに関わる、一人一人が熱意と情熱を持って仕事をしている以上、AIに仕事を奪われることは無いと思います。
作業者ではなく表現者としての意識を持って作品制作に向き合っていく。
やはり人の心を動かすのはいつの時代も人自身だと思うので。
ではまた。