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【「中華民国」。では国民にどうしろって言うの?】

先週土曜日10月5日は、台湾の「国慶晚会(國慶晚會)」だった。

頼氏、
「中華人民共和国は絶対に中華民国の人々の祖国にはならない。むしろ、中華民国は中華人民共和国の75歳以上の人々の祖国であるかもしれない」
と発言した。

この発言、かなりわかりにくく、中国語を普通に話す私でも、YouTube でこの部分を何回か繰り返して聞き直して、やっと理解ができた。

これより少し前の10月1日、「國慶煙火在雲林」(雲林で開催される国慶節の花火)の宣伝の記者会見で、台湾の現在の立法院長 韓國瑜氏は次のように発言していた。
「この8年間の中華民国はまるで栄養不足の爺さん、黒い部屋に閉じ込められて誰にも気にしてもらえない。今年こそ、皆さんが最も愛する中華民国を黒い小部屋から引き出し、爺さんを太陽の下に立たさせよう」

10月5日に戻ると、頼総統は、先ほどの発言を含む約8分間の演説の後に、國慶晚會を後にした。

何万人もの人々が台湾の国歌(=「中華民国」の国歌)を一緒に歌った時、その場には居なかった。

「総統なのに、わざと避けて、国歌を歌いたくないのね」との批判が当然出てきて、それを受けて総統府のスポークスマン郭雅慧は次のように説明した、

「正しくない報道である。総統は国慶晚會に招待されたのだが、スケジュール及び来場者が多く、セキュリティのためと人々を邪魔させないためでした。」

以上の二つ、総統と立法院長の「中華民国」に関する発言を聞いて、台湾はいつまでたってもこの宙ぶらりんの状況なんだな、と思った。

演説はできるのに、国歌は歌えない。

「台湾」として独立したい、「中華民国」は嫌い、だったのに、中華民国の総統になった賴清德総統。

多くの台湾人は、自分の国の正式名称は「中華民国」だと小さい時から教わってきた。

なのに、「中華民国」を認めたがらない現政権。

民進党の党是である、「台湾共和国の設立」を意識してのことなのであれば、なぜ蔡英文政権下の過去の8年間、国会での絶対多数で何でもできる状況の中で 、台湾国(or台湾共和国)への国号変更、または、国家の正常化、または、国名の意識の統一に向けての動きが全くなかったのか?

台湾人の国家意識、台湾人の真の団結、はまさにそこからスタートなのに!

今回の国慶晚会の主催者は立法院長の韓國瑜氏(国民党)。
8年ぶりに、海外からも多くの台湾人が台湾に戻り、晩会に参加した。そして大勢の人々が一緒に中華民国の国歌を歌っていた。

「中華民国」っていったい何でしょう?

多くの日本人にとっては、「台湾」こそが台湾で、「中華民国」はイコール国民党のようなイメージかもしれないけど。

しかし、多くの台湾人にとっては、「中華民国」こそ自国の国名。だって憲法はそうなっている。

そして、かなり多くの台湾人の方々は、「中華民国」を普通に標榜していた国民党政権(蒋経国以降)の時の方が生活が楽だった、その時代の方が希望や自由があった、と思っているのでは、と思う。

一方、今の政権のスタンスは、結局どういうことだろう。

自分は「中華民国」の総統だが、「中華民国」を認めない。台湾は「台湾」または「中華民国台湾」。
と、賴氏は発言してきた。(蔡氏も)

でも自ら国名を変えるような動きは一切ない。

一方、総統は「中華民国」の総統なのに、自国の国歌を歌わない。

こうした曖昧模糊とした状態が長く続く中で、いったい国民にどうしろって言うの?国民はどのように理解しどう思えばいいの? 

と、今回の国慶晩会でまた露呈した矛盾だらけの「中華民国」を見て、あらためて思う。

(無断転載厳禁)

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