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【頼氏の復讐[その1] 台湾政界としがらみのない玉山にしか書けない話(?)】

(注):「台湾では」さんは立ち入り禁止よ❌。(良い子は、台湾情報を自分で集めてね)


今台湾の報道やネット論壇等は、連日のように、前副行政院長 鄭文燦の件で賑わっている。

困惑している人もいれば、痛快と思っている人もいる。

なにしろ鄭文燦氏は「蔡英文チルドレン」(注:台湾での「蔡英文ボーイ」という呼び方を日本風にアレンジ)で、今や民進党の大重鎮の一人で、更に頼氏の党内ライバルである。

鄭文燦氏が逮捕されたと聞いて、台湾の政界に詳しい人なら、殆どの方々は「民進党の内部闘争」「頼氏の復讐」と連想するはず。(注:何故「復讐」か、の解説は後半に出てきます)

総統となり権力を握った頼氏の復讐が始まったのか?

逮捕の件、桃園地方裁判所の裁判官と桃園地方検察署の検察官との攻防が続き、1回目は500万元で保釈、2回目は1200万元で保釈、3回目はさらに高い保釈金でまた保釈されるのかと思っていたら、やっと検察側が押し切り、鄭文燦氏の勾留が決まった。

ネットでは早速、今夜の晩御飯は何なのか、とか、牢屋内で鄭氏がどのように扱われるか、とかが討論されている。

鄭氏が先週7月6日に逮捕された直後、頼氏は記者に対して珍しく自ら発言。鄭氏の件については「不得不然」と言った。

「不得不然」とは?
意味は、「そうでなければならない」。

元民進党員・立法委員で現在はコメンテーターとして活躍する郭正亮氏は、「鄭氏が500万元で保釈された時、頼氏は不機嫌だった」と言う。

私は2018年の統一地方選挙(民進党が惨敗)の後、2019年の総統選の民進党内予備選の時に頼氏を応援していた。

この時の経緯は概略以下。
頼氏、行政院長を辞任
→民進党の総統選の予備選(注:複数世論調査の結果で決定する方式)に立候補。
→党内での支持が得られず孤立状態に。しかし世論調査の結果は大きくリード。
→蔡氏は、決戦世論調査の日にちを何度も先送り変更。
更に、世論調査の方法を何度も変更。
→1週間前まで頼氏がリード。
→最終の本番の世論調査で、所謂「バイデンジャンプ」並みの大逆転で蔡氏が勝利。
→頼氏は蔡氏の副総統に。

これを見てきた自分は、今回の鄭氏逮捕を見てすぐに、「あっ、始めたのね」と思った。

あの時の頼氏は本当にかわいそうだった。
・民進党の大物たちに支持されず、大物たちは次々と蔡英文支持を表明。
・予備選までの間、台湾のメディアは頼氏に関することを極力報道しなかった。
・蔡英文のネットアーミーが総出で頼氏を攻撃。
(注:ネットアーミーの攻撃に耐えられない頼氏がこの時放った次の一言はとても有名。
「蔡総統、あなたのネットアーミーに僕への攻撃を止めるように言ってください。君子の戦いをしましょう」)

結局頼氏は予備選に負けた。
当時私はものすごく悲しかった😭。

前述の「復讐」とは、この時の復讐という意味である。

では、鄭氏の次は誰なのか?
ネット上では様々な憶測が飛び交っている。

・党内の更なる大重鎮 柯建銘氏?
・同じく蔡英文チルドレンの高雄市長 陳其邁氏? 
・頼氏の政治的ライバルの柯文哲氏(民衆党主席。今回総統選に出馬。前台北市長)?

・それとも、それとも、いきなり蔡英文前総統😱?

鄭文燦氏の逮捕に戻ると、彼の「収賄」の件は、主に彼が桃園市長時代のことが問題になっている。この件、実は最近まで7年間にわたり調査するのを意図的に止められていたことが発覚した。

7年間?
ということは、調査を止めたのは蔡英文政権の時ですね。

本件を本格的に調べていったら、芋づる式に、もっと大変なことが次々と出てくるのでは?、と多くの台湾ネット民が言っている。私もそうなのではないかと思う。

蔡英文氏には、もう1つアキレス腱がある。

それは、長年彼女を苦しめてきて、多くの台湾市民が真実を知りたいことである。
すなわち、
「学歴疑惑」。
頼氏は、蔡英文氏が「国家機密」として30年間封印した彼女の学歴に関する資料を開封するのか?

個人的に思うのは、開封したら、頼氏の支持率は一気にアップすると思いますよ。
玉山も頼氏をちょっとは見直すかもしれない。

やりましょうよ、頼さん。


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