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注文住宅を失敗しないためにもつべきリテラシーとは


家づくりリテラシー

「後悔のない家を建てるには3回建てないと難しい」とよく言われます。しかし、なぜ3回も建てないと満足できないのでしょうか?

その理由の一つは、ライフスタイルの変化です。ある時点では理想的だと思った家でも、年齢を重ねるごとに価値観や生活環境が変わり、満足度が変化していきます。資金計画、家族構成、時間の使い方も刻々と変わっていくため、1回目の家づくりで完璧な選択をするのは難しいのかもしれません。

しかし、それだけが理由ではありません。3回目に建てたとしても、本当に満足できる保証はありません。むしろ、最初の1回で満足できる人も多く存在します。特に現代では、時間の流れが早く、「10年一昔」どころか「1年一昔」とも言われる時代です。人生において何度も経験するものではない家づくりだからこそ、「一生に一度の高い買い物だから」と、膨大な時間をかけて勉強することが本当に正しいのか、考え直す必要があるかもしれません。

家づくりの知識はどこまで必要か?

一方で、「勉強をしなければ建築会社と適切な会話ができないのでは?」という不安もあるでしょう。特に、一から注文住宅を建てる場合、選択肢が多く、決断の連続が求められます。その労力は計り知れません。

住宅業界には専門用語も多く、「耐震等級」「UA値」「C値」「長期優良住宅」など、知らなければ判断できない項目が多数あります。しかし、すべてを理解しようとするのは現実的ではありません。施主が本当に押さえておくべきポイントは、

  1. 自分がどんな暮らしをしたいのかを明確にすること(理想のライフスタイルのイメージ)

  2. 総予算の把握と予算配分の理解(本体工事費・別途工事費・諸経費など)

  3. 優先順位を決めておくこと(デザイン・性能・間取り・設備のどこにこだわるのか)

  4. 住宅会社の進め方の違いを知ること(ハウスメーカー・工務店・設計事務所の違い)

まずは何を考えるべきか、何を知るべきかがわかれば、住宅会社に質問することも、どうやって選択するべきかも見えてくるはずです。

注文住宅の8割が後悔する理由


株式会社マイホム(本社:東京都港区、代表取締役:乃村⼀政・⾦箱遼)が行った家づくり経験者300人を対象としたアンケートによると、

調査結果サマリ

  • 約8割が家づくりに「心残り」がある

  • 世帯年収1000万円以上の後悔要因:「時間効率」「担当者の質」

  • 世帯年収500万円以下の後悔要因:「家の仕上がり」「出費」

  • コロナ禍以降、工務店とのコミュニケーションエラーが増加傾向

  • 全体の約4割が予算オーバー

  • 女性の方が後悔を感じやすい傾向

このデータが示すように、家づくりにおける後悔は建物の性能やデザインそのものの問題ではなく、多くは「期待とのズレ」や「コミュニケーション不足」によるものです。かつては欠陥住宅が問題視されましたが、現代では法整備や検査の強化により、そのリスクは大幅に減少しました。それでも、家づくりの失敗が後を絶たないのは、施主と業者の間に存在する「コミュニケーションギャップ」に起因するケースが多いのです。

リテラシーの高い人が求める注文住宅会社とは?

リテラシーの高い人は、「手間をかけずに質の高い家を建てること」を最優先します。実は多くの住宅会社ではその人のリテラシーに合わせた進め方を考えていません。自社の売り込みたい商品ややり方で推し進めようとしています。
住宅会社の質は以下のポイントでまずは確認してみてください。

  • 提案力の高さ
    施主の要望をただ聞くだけでなく、具体的で魅力的な提案ができる。
    プロは可視化も得意です。施主は1人ではないことが多く、そこに住む家族全員の意見が揃わないこともあります。本音を引き出し優先順位を決め、その家族にとってもベストな提案をするはずです。
    「できません」ではなく、「こうすれば可能です」と柔軟に対応できる。
    予算内で収めることができない場合に「できません」と言う人もいます。ただ、予算が上がると言う人もいると思います。予算内でできる方法として代替え案を提案してきたり、また予算を上げてもやったほうがよいという根拠を示すかどうかの違いですね。

  • 透明性のある見積もり  
    追加費用やオプションが明確に提示され、予算オーバーのリスクが低い。

    実は見積書が細かいことは大事ではなく、仕様書が細いことが大事です。見積書の明細をどんなに見ても実際ビス一本の値段が高いとか数量がおかしいとかわからないですよね。それよりもこの金額の中に何が含まれているのかを説明してくれる方が信頼おけます。「引っ越しして明日から生活ができる状態で含まれていないものを教えてほしい」と伝えるのも効果的です。
    契約前後で金額のズレが発生しにくい。
    契約書には約款があります。大体雛形なので、読んでおいてくださいと言われることもあります。そこには万が一のことも書いてあります。その場合をちゃんと説明してくれる会社が信頼おけます。

  • コミュニケーションの質
    施主の質問に対して的確な回答をし、後出しで条件を変えない。
    そもそも提案の際にある程度のコミニュケーション力はわかりますが、はじめはマニュアル通りに進むこともあるので、途中でこんなコミ力ないと思わなかったと気が付くこともあります。できるだけ相手のコミニケーション力を試すために、はじめに不明点をリストにして質問をしましょう。頓珍漢な答えが来たら早めにやめた方がいいですね。
    スケジュール管理がしっかりしており、タイムロスがない。
    管理はどのようにしているのか?と聞いてみてください。最近では建築業界にかなりDX化が進んでいるので、どんな小さい会社でも活用しているところをお勧めします。現場の進捗なども3D空間で記録に残し、施主もQRコードなどから見ることできます。業界は深刻な人手不足ですから、そうやって管理も工夫している会社は時間に意識をしている証拠だと思います。

  • 時間の効率化
    何度もやり直しをせず、一度で満足できる提案を出せる。
    時間に意識のある人は施主の時間も無駄にはしません。何度もやり直すのは施主の時間も無駄、自分の時間も無駄だと感じています。一度で満足のできる提案をできる人は、はじめにどれだけ本音を引き出せるかになり、コミニケーション力がないと難しいですね。本音を引き出すだけでなく、共感し、心から施主にとってのベストを考えられるかという人間力的なものもあるかもしれません。一度でベストな提案を出すには、あれよこれよと考える時間は余計にかかるかもしれませんが、何度も何度もやり直すより余程効率がいいと思います。
    施主の時間を尊重し、ムダな打ち合わせや待ち時間を減らす。
    時間の効率化を考えられる会社は現場管理もスムーズ、現場に効率もよいので下請けも会社のスタッフもスムーズに作業ができます。打ち合わせも一度にできることや順を追ってやるべきことも明確なので、無駄に時間を使うこともありません。

実は始まってから知る業界の常識

いざ住宅会社の門を叩いてからわかる業界の常識がリテラシーの高い施主にストレスを与えます。

ハウスメーカーや年間に多くの建築を請け負う工務店では、資金計画や契約、工事着工、上棟、竣工、支払い方法などのスケジュールが雛形化されています。一見、ルールは分かりやすく見えますが、会社ごとに中身はバラバラです。小さな工務店では、流れの説明すら書面になっておらず、口頭説明だけというケースもあります。

リテラシーの高い人ほど、ゴールから逆算して計画を立てますが、業者側はスケジュール通りに小出しに情報を伝えるため、意識のズレが生じがちです。こうしたズレを防ぐためにも、最初に自分の優先順位を明確にし、信頼できる住宅会社を見極めることが重要です。

家づくりは、単なる建築プロジェクトではなく、人生を左右する大きな決断です。
だからまずはしっかり勉強しないと!という方も少なくありません。しかしどうでしょう。youtubeやSNSはバズることが目的なものも多く、情報収集すればするほど本当のことがわからなくなってしまうはず。
知識を増やしすぎることで混乱するのではなく、「本当に必要な情報」に絞って学ぶことが大事です。
本当に必要な情報をタイパよく学ぶ方法は、いいプロを見つけることです。プロは知識と経験があります。何を聞きたいのか?何を知りたいのか?までを考え、適切な答えを納得できる方法で提供してくれます。

家の仕様や価格で住宅会社を決めるのではなく、よい担当者がいる会社、またはよいプロの専門家を味方につけて後悔のない家づくりを!


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