ナイストライ
先日から話題になっているこのnoteです。東北地方でカフェを数店経営していたものの、このコロナ禍で全店閉店することに決め、会社を清算することを選んだということです。
会社を清算して廃業することは恥でも何でもありません。チャレンジして敗れたわけです。しかも、今回はコロナ禍と社会的な自粛要請というどうしようもない原因で決めたわけで、これ以上傷が大きくならないうちにという英断だと思います。「倒産」ではなく「清算」もしくは「廃業」ということは、みんなに支払うものは支払い、そして閉じるわけで、もっとも社会に迷惑のかからない方法です。
しかし、このかたは、これからあちこちに頭を下げたり、つらい思いをすることでしょう。それより何より、自分の会社やお店を命のように思っていたことでしょう。他人がかんたんに同情してはいけないレベルの悔しさだと感じます。会社を興して事業を始めるということは、場合によってかくもつらい状況に追い込まれるわけです。
ただ、この文章を読む限り、福井さんというこの人は、とてもしっかりしたかたであり、こんなつらい状況に追い込まれても逃げずに自分の手で後始末をして、それを手伝ってくれるこれまでの仲間がいるということは(だいたい金の切れ目が縁の切れ目でみんなすーっといなくなる)、きっと人間的魅力もある方なのではないでしょうか。今回は一敗地にまみれたけど、きっと声をかけてくれる人がいるのではないかと思います。わが国は起業して失敗した人を叩く風潮があります。それは最悪の風土。そうではなく、こういう風にきちんとたたむ方にはナイストライといってあげたいです。
人によって幸せの基準はいろいろ違うと思いますが、「仕事が楽しい」というのはかなり幸せの中でも大切なところにあると思います。どうしたら仕事が楽しくなるかを毎日考えてきた小さな会社の代表です。