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気にされない時間のズレ

テレビのアナログ放送が終わり、地デジ化してどれくらい経っただろうか。
なんなら4Kとか8Kとか言われている昨今。

誰も気にしてないかもしれないけど、自分はどうしても気になり続けていることがある。

それは、テレビで時報が聞けなくなったことである。

あんまり詳しくないんだけど、デジタル放送とは、電波を変換して飛ばして、チューナー側のほうで再度変換して映像が映る、という仕組みだったはず。

つまり、生放送で映っている映像は、実際には生といいつつ現実の時間とタイムラグが生じているのだ。

そのため、テレビで正時の時報はなくなり、時刻表示も正時に切り替わるときは一旦表示を消したりしている。


こういった状況において、どうしても解せないのが、年末のカウントダウンだ。

「…5、4、3、2、1、ハッピーニューイヤー!!」

てやるじゃない。

でも「1」って言ってるあたりで、現実にはすでにニューイヤーになってるはずなのだ。

にもかかわらず、ずれたタイミングで、さもたった今、年が変わりましたよっていう体で盛り上がっているのに、すごく違和感を感じているのだ。
地デジになってからここ何年もずっと。

まぁ、リアルよりリアリティと言うし、実際にはほんのわずかな差異だし、みんなが気にせずそうだと受け入れているのであれば、たぶんきっとそれが真実になるのだ。

★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

ズレといえば、夜空の星の光も、リアルタイムではない。

何万年も昔に放たれた光が、宇宙空間を渡って、今、私たちの目に映っているのだ。

遅れて届いた光を見ている。


実際、本当のところはどうだっていいのかもしれない。

みんながそうだと認識しているのであればそういうことになるし、今見上げた夜空にある星は今輝いているのだ。

もしあの星が、じつはもう輝いていなかったとしても、それはわからない。

でも、そうしたことを知っているのと知らないのとでは、なんか違う気がしている。


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