気にされない時間のズレ
テレビのアナログ放送が終わり、地デジ化してどれくらい経っただろうか。
なんなら4Kとか8Kとか言われている昨今。
誰も気にしてないかもしれないけど、自分はどうしても気になり続けていることがある。
それは、テレビで時報が聞けなくなったことである。
あんまり詳しくないんだけど、デジタル放送とは、電波を変換して飛ばして、チューナー側のほうで再度変換して映像が映る、という仕組みだったはず。
つまり、生放送で映っている映像は、実際には生といいつつ現実の時間とタイムラグが生じているのだ。
そのため、テレビで正時の時報はなくなり、時刻表示も正時に切り替わるときは一旦表示を消したりしている。
こういった状況において、どうしても解せないのが、年末のカウントダウンだ。
「…5、4、3、2、1、ハッピーニューイヤー!!」
てやるじゃない。
でも「1」って言ってるあたりで、現実にはすでにニューイヤーになってるはずなのだ。
にもかかわらず、ずれたタイミングで、さもたった今、年が変わりましたよっていう体で盛り上がっているのに、すごく違和感を感じているのだ。
地デジになってからここ何年もずっと。
まぁ、リアルよりリアリティと言うし、実際にはほんのわずかな差異だし、みんなが気にせずそうだと受け入れているのであれば、たぶんきっとそれが真実になるのだ。
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ズレといえば、夜空の星の光も、リアルタイムではない。
何万年も昔に放たれた光が、宇宙空間を渡って、今、私たちの目に映っているのだ。
遅れて届いた光を見ている。
実際、本当のところはどうだっていいのかもしれない。
みんながそうだと認識しているのであればそういうことになるし、今見上げた夜空にある星は今輝いているのだ。
もしあの星が、じつはもう輝いていなかったとしても、それはわからない。
でも、そうしたことを知っているのと知らないのとでは、なんか違う気がしている。