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【定期購読版】症候性腱板断裂と無症候性腱板断裂を見極めるポイント
みなさんこんにちは。
肩研の郷間です。
みなさんはこんな症例を見たことがありませんか?
➀肩の痛みで来院してみたら腱板が断裂していた(症候性腱板断裂)
②肩の痛みは対してないけど、MRIをとってみたら腱板が断裂していた。でもほとんど自覚症状はない(無症候性腱板断裂)
③腱板が断裂していると診断されたが、自動可動域と他動可動域にはほとんど差がない
④腱板が断裂していて自動で挙上が90度もいかない(偽性麻痺)
おそらく肩関節の臨床をされている先生のほとんどはこれらの症状に携わる経験をされたことがあると思います。
1. 症候性腱板断裂と無症候性腱板断裂
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今回、これら4つの腱板断裂のタイプから、
➀症候性腱板断裂と②無症候性腱板断裂の臨床的な特徴から
理学療法評価についてご紹介させていただきます。
おそらく評価まででもスライド20枚以上、3500文字以上になることが予想できますので、また別の機会で介入編についてご紹介したいと思います。
2. 年齢別 腱板断裂の発生頻度
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そもそも、どの程度腱板断裂症の症例がいるのか。
こちらのグラフを見ていただくとわかるように50代で10%、60代で約20%、70代で約30%が腱板を断裂していることがわかります。
みなさんが想像している以上に腱板断裂の発生頻度は高いと思います。
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そこで、こちらは私がよく患者さんに対して説明で使うエピソードになります。
70代の方でしたら、3人に1人が断裂していますので、
例えば、『70代のAさんが100人の同窓会をしたとしたら33名は断裂しています。腱板断裂というのは決してまれな病気ではないですよ。』と説明しています。
3.症候性断裂と無症候性断裂の割合
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では本日のメインテーマでもある“症候性腱板断裂”と“無症候性腱板断裂”、つまり“痛みの伴う腱板断裂”と“断裂はしているけど痛みのない無症候性腱板断裂”ですが、年齢に関わらず無症候性の疼痛がない人が65%前後を推移しています。
これは年齢に関わらず3人のうち2人は無症候性であることがわかります。
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