
「Rock'n' Roll After School vol.2 ~信州ライブハウス最前線 初陣~」
「Rock'n' Roll After School vol.2 ~信州ライブハウス最前線 初陣~」
8月13日(火)@ 伊那GRAMHOUSE
GOOD MAN(from 駒ヶ根)
ビッグエディー(from 上田)
Howling way(from 長野)
BACK TO BOYS(from 上諏訪)
ALL I WANT(from松本)
“長野県”とひと口で言っても、とにかく広くて。地域ごとに音楽シーンやカルチャーがあって、各地を代表するロックバンドがいて。
“信州ライブハウス最前線”の名の下、そんな長野県の各地で活躍する若き武将たちを集結させたら、本当に時代が動かせるんじゃないか?というのが、このイベントの狙いでした。
県内ライブハウスを足繁く周り、直接ライブを見に行ったり、ラジオ番組に出演してもらいながら、現在のライブハウスの最前線に立つ出演バンドを厳選。ライブ最強の間違いないバンドが集結したと自負しています。
結果、「俺たちが一番カッコいい!」と闘志を燃やしたバンドたちが、本気のライブでバチバチにぶつかり合って。イベントの盛り上がりは想像以上!
ここでは信州ライブハウスの最前線であり、長野県で一番熱い場所だった、あの夏の夜をライブカメラマン・37の写真とミニライブレポで記録。信州ライブハウスシーンの熱さが少しでも伝わると嬉しいです!

ALL I WANT
松本出身のNao(Vo)を中心とした、メロディックエモーショナルロックバンド。東京を中心としながら、長野県内でも精力的に活動。このイベントの直後には『SUMMER SONIC』に出演と、勢いに乗りまくるALL I WANT。

トッパーという重要かつ大変な役割を、エネルギッシュなステージでしっかりと果たし、ど頭からブチアゲてくれた彼ら。俺もALL I WANTのライブ見て、「今夜は絶対に良い夜になる」と早くも確信。



5月に渋谷O-crestでやった企画ライブ見て、超満員の観客を沸かせるロックスターぶりに驚かされたのだが。この日はわずか3ヶ月で、バンドが大きく成長していたことにも驚かされた。特にNaoのボーカルがすごく良くなってて、ロックスターぶりにさらに磨きがかってた。

ライブ終盤、彼らの現段階での代表曲といえる「One&Only」、ラストを飾るに相応しかった新曲「歌えば」は特に良かった! ステージに華もあるし、見るたびにどんどん成長しているALL I WANTのさらなる飛躍が実に楽しみ。
BACK TO BOYS
上諏訪出身の3ピースロックバンド。俺も諏訪出身ということもあって、出演バンドの中でも長い付き合いになるのだが。カワムラテツヤ(Dr)が加入して現メンバーになって、昨年12月に『二十一世紀より』を出した頃からの現在のバンドのテンション感やグルーヴがすごく良くって。さらなる急成長っぷりを見せてるBACK TO BOYS。

「二十一世紀プライマー」で始まったライブは、たっぷり気持ちの入った小松龍之介(Vo&Gt)の歌とギターや、ひおきけいま(Ba)のアグレッシブなパフォーマンス、カワムラの力強く正確なドラムに尋常じゃない3人の気合いと熱気を感じて、最初っから大興奮!


その気合いと熱気はオーディエンスにもしっかり伝わって、曲が進むごとに会場に一体感が生まれていった彼らのライブ。心の繋がりだけじゃ足りないと、小松とひおきがマイクスタンドを持ってフロアに降りて。オーディエンスとの距離を詰めて魅せたパフォーマンスも最高に熱かった。

ラストは「SEIMEI」で熱い想いや心の声を全身全霊で伝えると、残る力を絞り出すように新曲「帰還少年」を全力で披露。BACK TO BOYSがこのイベントに賭ける気持ちがステージから伝わってきたのも、本当に嬉しかった。
Howling way
長野市を中心に活動する、若手オールドロックンロールバンド。骨太なロックンロールサウンドに乗せた、daigo(vo)の独創的な世界観が圧倒的オリジナリティを生むHowling way。このラインナップの中では少し異色かも知れないけど、彼らがいることで信州ライブハウス最前線の幅広さと面白さがより分かるんじゃないか?と思っていたら、大正解!

ALL I WANT、BACK TO BOYSと続いてヒートアップする会場に登場すると、1曲目「ラストラリー」でその熱量を保ったまま、自身の世界観に包みこんだ彼ら。最初こそ、男の色気を醸し出すdaigoの強烈な存在感や、どっしりした本格ロック・サウンドに面食らってる若い子もいたが、曲が進むごとにオーディエンスがどんどんステージに惹きつけられていくのが分かる。

今年3月に2ndミニアルバム『Knees』をリリース。全国19箇所を回る、ワンマンを含む全国ツアーを行ってきたHowling way。ツアーの成果がよく見えるキレッキレの演奏や堂々としたステージングから生まれる、圧倒的求心力で初めて見るオーディエンスも巻き込み、会場中がピースマークを上げて声を合わせて一体感が生まれる。



ラスト「人の子のため」でステージに釘付けになるオーディエンスを見ながら思ったことは、「Howling wayを3番目に入れるとか、俺ってセンスいいな!」ということ(笑)。彼らがいてくれることで、イベントに広がりや深みやひとつの物語が生まれたし、信州ライブハウスシーンの面白さをより伝えられたと思う。最高のライブを見せてくれた、Howling wayに大感謝!

ビッグエディー
上田市出身の4人組青春パンクバンド。今年4月に1stミニアルバム『なると』をリリースして、全国リリースツアーを終えたばかりの彼ら。7月に下北沢でライブを見て、バンドの状態の良さと勢いは俺のお墨付き! この日の彼らも絶好調、初っぱなからテンション最高潮のステージで大渦を巻き起こした。

1曲目「声に出して」からシンガロングが起き、早くも会場に一体感を生んだ彼ら。アグレッシブな歌声やサウンド、パフォーマンスが大きな渦になってオーディエンスを巻き込んでいくビッグエディーのライブの楽しみ方は、心も体もゆだねて大きな渦に巻き込まれることに尽きる! フロアまで降りてきてぐっちゃぐちゃに掻き混ぜられたら、巻き込まれるしかないでしょ?



この日のライブでは定番曲に加え、「ロックンロールは鳴る」、「アフターブルー」と、ツアーで磨き上げた最新作収録の楽曲たちも披露。衝動感に溢れながらも息の合った演奏で強烈なグルーヴを生むサウンドと真っ直ぐな言葉たちが強い説得力を持って胸に響くりょーじ(Vo)のボーカルは、ビッグエディの最新型。ラストは「アイマイノリティー」で、<僕たちが世界を変えるんだ>と力強く宣言してフィニッシュ。文句無しにカッコ良かった!

GOODMAN
そして、信州ライブハウス最前線 初陣の大トリを飾ったのは、駒ヶ根出身の3人組ロックバンド・GOODMAN! 駒ヶ根NIRVASHと並ぶ、彼らのホームということでトリをお願いしたのだが。イベント直前にNIRVASHでめちゃめちゃ熱いライブしてるのを見て、「やっぱり初陣のトリを飾るのはコイツらしかいない!」と確信。

圧倒的なライブを見せたビッグエディーに続く大トリということで、きっとプレッシャーも感じていたであろうGOODMANだが。1曲目、俺の中では今回のイベントのテーマソングだと思っている「ライブハウスより。」でライブが始まると、重圧など感じさせぬ堂々としたステージングで、オーディエンスの心をガッチリ掴む。

実はこのイベントに誘った段階では、GOODMANのライブを見たことがなくて。YouTubeの画像の荒いライブ映像を見ただけだったのだが、そんな映像からもバンドの熱量とライブへの強い想いがひしと伝わってきて。去年リリースしたEP「ライブハウスより。」を聴いてお声がけしたというのが、出演の経緯なのだが。ライブバンドとしての意地と誇りを感じた「青春G's」の熱く真っ直ぐな歌と演奏に、「やっぱり間違いなかった!」と改めて思った。


ダ・コージ(Vo&Gt)の力強くも透明感ある歌声とソリッドなギターとどっしりと支えるリズム隊、そして「俺たちが一番カッコいいんだ!」という自信と気概に溢れた攻めのステージングで魅せた彼ら。ラストは「やらかし」でしっかりブチアゲてクライマックスを生み、イベントを締めくくった。

「信州ライブハウス最前線」のこれからは?
イベントタイトルに“初陣”とあるように、“信州ライブハウス最前線”は同じラインナップでの次なる陣も計画中。各バンドがホームとする、長野県各地のライブハウスを隈なく回る予定なのですが。この日を終えて思ったのは、「初陣のような緊張感や初期衝動がないとつまらない」ということで。
「次は長野かな? 松本かな?」「ウチの地元にも来てくれるかな?」なんて思ってる人の想像を良い意味で裏切るような展開も考えてるんで、発表をお楽しみに! 信州ライブハウスシーンの時代が動く瞬間を見逃すな!!

Photo/37 Movie/Kaito