
日本の小学生が英語と一緒に台湾華語を学ぶべき理由
はじめに
上の娘のお友達に台湾の方がいらっしゃいまして。
コロナ前までは同じ幼稚園に通っていたのですが、お父さんの仕事の関係で帰国されることに。
しかし、これもまたお父さんの仕事の関係でちょくちょく日本に滞在されていて、そのたびに家族で一緒に遊んだりしています♪
…それも2年ぐらい続いていますね。
はじめは、子供同士意思疎通がとれるか不安で、一緒に仲良く遊べるかなぁ…とか心配していました。
でもそんなことは杞憂で、向こうの子が帰国後もめちゃめちゃ日本語を覚えていて、普通に学校の友達と一緒に遊ぶ感じで、いつも仲良く遊んでいます。
ウチの下の子もかわいがって面倒を見てくれますし、きちんと子供の間でコミュニケーションがとれていて、微笑ましく見守っています。
「言語交換ビデオチャットしません?」
今年の夏も日本に滞在されるというので、いっぱい遊んでいました。
プールに行ったり、ウチで遊んだり。
次お会いできるのがいつになるかなぁと少し寂しく思っていて、思い切って定期的にビデオチャットしませんかとお誘いしました。
…で、お誘いしたのは良いのですが、どんな内容にしようかを全然練っておらず、どうしたものかなぁと考え中でして。。
たまにおしゃべりするオンラインのお友達というのでも良い気もしています。
子供同士が勝手におしゃべりするという形式で上手くいけばよいですが、親同士が勝手に日時を決めて、放置するのもどうかなぁと思ったり…
ということで、何かオンラインレッスンっぽい感じで定期的に開催できれば良いかなぁと思い立っていろいろ準備をしています。
小学生向け漢字オンラインレッスン?やっちゃう!!?
ウチの子の台湾の子も小学生ということで、英語を勉強中なんですよね。なので英会話…とも思ったのですが、向こうの子からすると「日本人から英語習ってる」というちょっとわけわからん構図になるなぁと思って若干躊躇していました…
他にも何か勉強になることないかなぁと探していたところ、二人ともまだ習っていない漢字がたくさんある…!
ということで、「まだ知らない漢字を学ぶ」をベースに考えてみることにしました。
台湾で用いる漢字(繁体字)は日本で用いる漢字と似ているものが多い!
全部が全部ではないですが、共通しているものが多いです。現在中国大陸で使われている簡体字は近年制定されたもので、昔から使われている旧字体(traditional style)の方は、日本語で使われている漢字と似ているものが多いです。
で、台湾の小学校で習う漢字を知りたくていろいろ探してみたのですが、少し古い情報しか見当たりませんでした。。
見ている感じ、やはり台湾で習う漢字の方が数も多く、難易度も高いですね…!
ちなみに、日本の小学校で習う漢字はこちら。
台湾華語にもこんな感じのサイトないのかなぁ??
日本語、台湾華語。漢字は同じでも意味は違う!
でもやっぱり使い方や意味は違います!似ているものもありますが。少しニュアンスや使われ方が違うものが多い印象ですね。
そのあたりを説明しつつ、二人共まだ知らない(書けない)漢字に興味を持ってもらおうと思っています♪
ついでに関連する英単語も教えれば、いろいろ勉強になって良い刺激になるのではないかなぁという狙いがあったりします。
…あくまでコミュニケーションの一環として。話のネタに紹介する程度で、基本的には子どもたち同士が楽しくおしゃべりしてくれれば良いかなぁと期待しています!!
で、私は今、台湾華語の予習中なんだが
…で、今、台湾華語の予習をしています。私自身は台湾華語も中国語も始めてなので、全く何もわからないです。
ちなみに、大学の第二外国語はドイツ語でした。
ちなみに、上記でもそうですが、台湾語と書かず、台湾華語と書いているのは、台湾語が日本人の意図するところの「台湾の人が話す中国語」ではないからです…!
「台湾語って…普通に台湾の言葉ってこと?」と思うかもしれませんが、台湾で一番使われる言葉は私たちが中国語と呼ぶ言語で、現地の言葉で「國語(guó yǔ)」と呼ばれます。「台湾語」は「國語」に対して「台語(tái yǔ)」と呼ばれ、古くに中国大陸南部から台湾へ移ってきた閩南人(mǐn nán rén)が話す言葉で、現在ではお年寄りを中心に使われています。台湾人でも皆が話せるわけではなく、南部の方が北部より話せる人が多く、若者の間では聞き取れるけど話せない!といった人も少なくありません。
「國語」と読んでしまうと、私達日本人が教科の意味で使う「国語」と混ざっちゃうので、私は「台湾華語」と読んでいます!
書籍でもそのように書かれていることが多いですね。台湾の言葉を勉強しようというときは、「台語」か「國語(台湾華語)」か注意しましょう!!
中国語ではなく台湾華語を選ぶメリットは「漢字」!
中国語の習得というと、ビジネスマンが仕事のために勉強するイメージが強く、あまり台湾華語をわざわざ選んで勉強しているという方は少ないように感じます。
参考書を探してみても、台湾華語の本はどちらかというと観光目的であったり、文化・歴史研究の目的のものが多くありました。
そんな中、日本人が台湾華語を学ぶメリットとしては、漢字 が共通している点です。
もう既に義務教育を終えてしまった大人からするとメリットは少ないかもしれませんが、子供からすると、漢字も文化の違いも一緒に勉強できるので、とても有意義なことなんじゃないかなぁ…!!と期待していたりします。
(…意味がごっちゃになっちゃったらごめんね!!!><)
中国語の簡体字だと、やはり漢字の違いが大きく、抵抗感があるのではないかなぁと感じたりします。
その点からも、共通の漢字を通じて異文化が学べるというのは良い勉強スタイルなんじゃないかなぁと考えています。
(簡体字は後で興味があれば勉強すればいいという位置づけで考えています♪)
また、台湾の小学校で習う漢字を見ていると、日本の小中学校で習わないけど、一般書籍や新聞で使われる常用漢字がたくさん含まれています…!
子どもたちが三年生なので、台湾の三年生で習う漢字を見てみると…
畢、烹、牽、舵、萄…
おぉ。見事に義務教育漢字配当外…!!!
でも、日本でも使われる漢字ですよね。
畢竟、割烹、牽引、操舵、葡萄…
大学入試ぐらいだったら、読みぐらいは問われてもおかしくないと思います。
なので、ハイレベル漢字検定対策としても、小学校からの台湾華語の勉強はメリットがたくさんあるんじゃないかなぁと思っていたりします。
日本語・英語とは異なる文法体系の言語に触れられる!!!
まぁでも、英語の勉強に注力した方がよくない?と思われる方も多いんじゃないでしょうか。一気に2つも3つも言語の勉強させるのかわいそうと。。
確かに無理強いするのはよくないです!!
それは言語に限らず、どんな教科の勉強に対しても同意します。
でも、おしゃべりの中で自然と異文化に触れて、そのちがいに驚いたり、日本の文化に気づきを得たり、そんな体験を楽しむ…!ぐらいの感じだったら、別に何ヵ国にでもお友達を作ればよいのではないのかなぁと思っています。
レッスンとは言いましたが、特におしゃべりするだけで、暗記を強要したり、テストをしたりはしないつもりです。
そのあたりは、本人たちが「もっと学びたいな」と思って自発的にやり始めたら手助けしようと考えています。
さて、台湾華語も中国語も言語としてはかなり似ているのですが、英語や日本語とは結構違うタイプだったりします。
1. 膠着語(Agglutinative Language)
特徴: 単語が語根と接辞(接頭辞や接尾辞)の組み合わせで構成され、それぞれの接辞が独立した文法的な機能を持ちます。語根に複数の接辞を付加することで、複雑な意味や文法関係を表すことができます。
例:日本語: 「食べさせられなかった」→「食べ(語根)」+「させ(使役)」「られ(受身)」「なかっ(否定)」「た(過去)」
トルコ語、フィンランド語、韓国語なども膠着語に分類されます。
2. 屈折語(Inflectional Language)
特徴: 単語の形(語形)を変化させることで、文法的な機能を表します。語根自体が変化し、接辞が付加される場合もありますが、接辞と語根の境界が明確でないことが多いです。
例:ラテン語: "amo"(私は愛する)、"amas"(あなたは愛する)、"amat"(彼は/彼女は愛する)→ 動詞の語尾変化で主語の人称と数を表します。
英語、ドイツ語、ロシア語なども屈折語に分類されます。
3. 孤立語(Isolating Language)
特徴: 単語が基本的に不変で、語形変化や接辞の付加がほとんどありません。文法的な機能は、語順や助詞、文脈などによって表されます。
例:中国語: 「我爱你」(私はあなたを愛している)→ 単語は変化せず、語順によって主語・目的語・動詞の関係を表します。
ベトナム語、タイ語なども孤立語に分類されます。
日本語と台湾華語は同じ漢字を使うけど、使い方が全然違う。
けど、英語と台湾華語は「主語 + 動詞 + 目的語 (SVO)」の文法は同じ。
…みたいな言語間の違いについても理解が深められればなぁと思います。
日本では第一外国語として英語を勉強するのが一般的(?)ですが、子供の身からすると、「日本語じゃだめなのかな?」「他にも言語はたくさんあるけど、英語が一番なのかな?」と疑問や不安を抱くこともあると思います。(私がそうでした…)
そういった幼少期ならではの固定観念も、一緒に違う言語を学ぶことによって払拭し、もっと自由な考えで言語をとらえられるのではないかと信じています...!
世界中に言語はたくさんあって、勉強すればいろんな人と話したり、文通(チャット)したり、コミュニケーションがとれるということに気づいて、自分で好きなように勉強してくれればいいなぁと思っていたりします。
あと、以前読んだSF小説で、遠い未来では英語と中国語だけが残る(そして融合する)みたいな考察がされていたので、まぁ両方やっとけばええやろという雑な教育投資的な考えもあったりなかったりします…!(これも、どの言語が偉い!というわけではないので、誤解なきように…)
ちなみに、専門家の先生によると、中国語が英語と融合するのはなさそうです↓
あと、言語類型のことはQuizKnockさんの動画を見ていてたまたま情報収集してました。
自分で言語作るまでハマっちゃうのもおもしろいですね♪
台湾華語の独学に必須なオンライン辞書
…という想定をしつつ、スライドを用意しているのですが、まぁ私は台湾華語初学者な素人なわけで。
とりあえず漢字に絞って扱うので、辞書さえあればいいかなーと思って調べてみました。
諸先輩方の発信内容を辿ってみたのですが、リンク切れだったり、アプリインストール不可だったりで、情報収集に苦労しました。。
特に、台湾華語でヒットせず、台湾語でヒットするんです…ややこしいなぁもう…
いくつかサイトを見つけたのでご紹介します。
萌典(モンディエン)
今のところ一番有名でよく使われている台湾華語・台湾語・客家語(はっかご)のオンライン辞書ですね。
4つの辞書が統合されていて、気になる単語にワンクリックでアクセスできるので、とても使い勝手が良いです♪
しかも、簡体字表記も掲載されています!
…しかし、英語、フランス語、ドイツ語は載っているのに、日本語は掲載されていません。
どうやら、著作権フリーな日本語辞典がなかったからのようです。。残念><
さて、萌典のサイト説明ページを見てみましょう。
萌典には、国語(台湾華語)160,000項目、台湾語20,000項目、客家語14,000項目が含まれており…(中略)。
定義の各単語は、クリックすることで説明にリンクすることができます。
ソースコード、他プラットフォーム版、API、ソース資料は GitHubで 公開されています。
ソース(データ元)は、
教育部「重編國語辭典修訂本」(CC BY-ND 3.0 Taiwan License)、
「常用台湾閩南語辞典」(CC BY-ND 3.0 Taiwan License)、
「常用台湾客家語辞典」(License)を使用しており、
著作権は教育部にあります。
画数は教育部「常用国字標準画数書き順学習サイト」、
国語の発音は教育部「國語辭典簡編本」(CC BY-ND 3.0 Taiwan License)に準拠します。
英語・フランス語・ドイツ語に相当する CC-CEDict、CFDict、HanDeDictは CC BY-SA 4.0でライセンスされています。
両岸辞書は中華文化總會によって提供され、 CC BY-NC-ND 3.0 TaiwanLicenseの下でライセンスされています。
中国書法辞典は中国文化連合会(FCC)のウェブサイトに埋め込まれています。
e筆で書かれたフォント:張炳煌教授
フォント選定者(監修者?):郭錦泉博士
張炳煌教授はデジタル書道で有名な方だそうです。
フォント選定者…というのは訳語があってるのかわかりませんが、e筆で書かれた文字をチェック・校正された方だと思います!監修者の方があってるかもですね。
おまけですが、規約に書かれていた「CC BY-ND 3.0 TW」について調べてみました。
CC BY-ND 3.0 TW
あなたは以下の条件に従う限り、自由に以下のことができます:
共有 - どのようなメディアやフォーマットでも、営利目的を含め、この資料を複製したり再配布することができます。
ライセンス許諾者は、あなたがライセンス条件に従っている限り、下記の規約を撤回することはできません。
表示 - あなたは、作者の氏名または名称、ライセンスへのリンク、および変更があった場合はその旨を表示しなければなりません。表示は合理的な方法で行うことができますが、ライセンス許諾者があなたやあなたの利用行為を推奨していると示唆するような方法で表示してはいけません。
改変禁止 - あなたがこの資料をリミックス、変換、翻案した場合、あなたは変更後の資料を頒布することはできません。
追加的な制約の禁止 - あなたは、他者がこのライセンスで許諾されている行為を行うことを法的に制限したり、技術的手段を用いて妨げることはできません。
注意事項:あなたは、資料中に含まれるパブリックドメインの要素、または著作権法上の適用可能な例外規定や制限規定によりあなたの利用が許諾されている要素については、ライセンス条件に従う必要はありません。
利用権の保証: 本ライセンスは、あなたの利用目的のために必要なすべての利用権を許諾するものではない場合があります。例えば、パブリシティ権、プライバシー権、人格権などの他の権利が、あなたの資料の利用方法を制限する可能性があります。
利用は自由ですが、改変は禁止。ライセンス表示は義務…とは書かれていませんが、元のソースに変更があったら反映してね。というぐらいでしょうか。
萌典自体は「CC0 1.0」ライセンスを宣言されていますが、記述に関しては勝手に変更してはいけない感じですね。
もし、変更要望がある場合は、制作者の零時政府さんまでご連絡を!
(零時政府さんについては、また別の記事にまとめたいと思います)
GitHubはこちら。
台湾華語ではなく、台湾語のオンライン辞書
台湾華語ではなく、台湾語の辞書です。(…多分!!)
萌典に入っているのは「教育部臺灣台語常用詞辭典」の方だと思います。(元を辿ると同じソースかも…?)
かわいい見た目のサイトなので使いたくなっちゃいますが、台湾語の辞書なので、またの機会に…!!
台湾華語でも日本語でも共通で使えるフォント
スライドを作るのに、台湾華語対応のフォントを探していました。
シャオライフォントがかわいくて、子供受けしそうなので、使って行きたいと思います♪
おわりに
台湾華語、いかがだったでしょうか?
言語を学ぶというとちょっとハードルが高いイメージがあると思いますが、発音や文法は後回し。
スマホやPCで漢字を忘れがちなこのご時世。
漢字の復習ぐらいのテンションで、台湾華語始めてみませんか?
…ここまで下調べをしたり、あれこれ想定をめぐらせていますが、まだ一回もビデオチャットできてないんですよね…
さっさとこちらの準備をして、早めに声をかけたいと思います!!
おまけ: 台湾に帰国した後でも日本語を忘れないための方法
「台湾に帰っちゃった後でも、日本語全然忘れてないね」と聞いてみたところ、「YouTube見てるからね」と教えてくれました。
日本で暮らしていたときからHIMAWARIちゃんねるのファンだそうで、帰国後も欠かさず見ていたとのこと。そのおかげ(?)で、日本のアニメや流行りの文化にも興味を持って、日本語も忘れずにいたとのことでした。
海外在住のみなさま、ぜひ幼児の日本語習得の助けにHIMAWARIちゃんねるをご利用ください。
また、身の回りに日本語の英才教育をしたい海外のご家庭がいらっしゃいましたら、ぜひHIMAWARIちゃんねるを教えてあげてください。