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これで完璧!VCから出資を受けるために必要なこと①

Twitterやフェイスブックから、

「どうやったらVCやエンジェル投資家に出資してもらえるんですか??」

と言う質問をいただくことが増えてきましたので、リクエストにお応えして、ノートにアップします!

ベンチャーキャピタルから出資を受ける全体の流れ

ベンチャーキャピタルから出資を受けるまでの流れは以下のようになります。

①コンタクト
・企業からの申し込み
・VCからのアプローチ
・事業計画書などの提出
・顔合わせ面談

②審査
・VC担当者の上司も含めて、本格的にVC社内で投資検討
・財務3表・登記簿・定款・契約書などの証拠資料の提出
・顧客・パートナー企業へのリファレンスヒアリング
・投資契約書の文言の交渉
・投資委員会での決定

③投資
・払い込み
・株式事務

④支援と監視
・取締役の派遣
・取引先の紹介
・人材の紹介
・管理体制構築支援

⑤Exit
・IPO(上場)
・Buyout
・敗戦処理

基本的な流れは以上のようになりますが、ベンチャーキャピタルからの資金調達は簡単なものではありません。

統計的に言ってしまえば、アプローチした企業のうち投資を受けられるのは1%弱です。

その一歩手前である審査のステージに立つのも全体の3%と言われていることから『97%は相手にされない』という厳しい世界なのは間違いありません。

しっかりと相手に話を聞いてもらえるようになるためにはこれからお話しすることをまず自分(たち)でもしっかりと固めておく必要があります。


提供する商品やサービスに優位性がある

ベンチャーキャピタルを利用するには、『提供する商品やサービスに優位性がある』かどうか重要視されます。

これに関しては、ベンチャーキャピタルでの出資だけでなく銀行の融資でも重要視されることです。

企業にお金を渡すということは、それだけ将来性や事業の成功を前提にしたものになっています。

そのため、ベンチャーキャピタルを利用する際には市場での優位性やサービス・商品の独自性が最も重要視されるということです。意識しておきたいのは、以下の4点なのでぜひ覚えておいてください。

・政治的環境(政治方針や法規制の改正)
・経済的環境(景気動向、株価動向)
・社会的環境(人口動態、社会動向)
・技術的環境(新技術の開発)

一つ一つ丁寧にまとめることが大事です。

上記の項目に加えて『市場規模・業界動向・業界構造』についての調査も進めておくことを推奨します。

自社でリサーチをすることも大事ですが、どうしても入手しにくい情報などもあります。そのため、専門の調査会社にデータ収集をお願いするのも一つの手として覚えておきましょう。たとえば、帝国データバンクのような調査会社を利用すると、企業の信用調査だけでなく市場規模や業界動向、希望するデータまで迅速に集めてくれます。ぜひ活用してみてください。


商品やサービスが売れるための市場が整っている


提供する商品やサービスのことを、しっかりとまとめてプレゼンすることは非常に大切なことです。その商品やのサービスに、どのくらいの価値があるのかをベンチャーキャピタルなどは知りたいからです。

その内容を知ることで、この企業の将来性などが見えてきます。

しかし、たとえ商品やサービス内容が完璧で、この商品・サービスであれば将来的にも期待できる、と思われても『商品やサービスが売れるための市場が整っていない』では話になりません。

まずは、その商品やサービスが本当に売れるのか『市場調査』を行いましょう。

現在の市場ではどのような傾向のものが売れているのか、トレンドはどうなっているのか、サービス向上のために何をしているのか、などです。それらを調べることで、プレゼンした時に大きな効果が期待できます。

市場調査が終われば、自社商品の見直しやサービスの向上の方向性も見えてきます。

どのようなことをすれば、今後に期待が持てるのかを前提において修正を行いましょう。

『提供する商品やサービスの優位性』と『それを売るための市場は確保している』という点が証明できれば、それだけベンチャーキャピタルも出資しやすくなるのです。


ベンチャーキャピタルからの資金調達をするときの手順と進め方

ベンチャーキャピタルから資金調達する際には、基本的に以下のような手順で進めていくことになります。(ただし、ベンチャーキャピタルによって流れが変わってくることもありますので、その点は注意してください。)

①本当にベンチャーキャピタルからの資金調達が必要なのか?再検討する

②事業計画書を作成する

③ベンチャーキャピタルに連絡を取る

④ベンチャーキャピタルに要求された書類を提出する

⑤ベンチャーキャピタルの調査・分析・審査

⑥ベンチャーキャピタルの投資条件の決定

⑦ベンチャーキャピタル内の投資委員会の審査

⑧ベンチャーキャピタルの投資実行

という流れになります。

『③ベンチャーキャピタルに連絡を取る』に関しては、ベンチャーキャピタルの方から連絡してくることも珍しくありません。

最近では多くのベンチャーキャピタルがありますので、それだけ得意な分野も増えてきています。

ベンチャーキャピタルで資金調達するには便利な時代になったとも言えるのです。

その一方で、出資を依頼する企業も多く、それだけライバルも多いということになります。他の企業とは違った魅力をベンチャーキャピタルに伝えられるように工夫するようにしましょう。


なんと言っても、まずは事業計画書を作成しよう

ベンチャーキャピタルにアプローチする前には多くの準備が必要になってきます。

とくに大事になってくるのが『事業計画書』です。

そのため、まずは自社の事業計画書を作成すること、作り直すことを始めましょう。この事業計画書の出来次第で、ベンチャーキャピタルがどのくらい興味を持ってくれるかが決まります。

注意点としては、事業計画書がすでにある場合でも、『ベンチャーキャピタル仕様』に事業計画書をカスタマイズする必要があります。

では、一体どのようなことを記載していくのか一覧にするので参考にしてみてください。

◇事業計画書の例
・エグゼクティブサマリー
・事業立ち上げの経緯
・マネジメントチーム
・会社概要
・経営理念・事業理念
・商品・サービスの概要
・儲けの仕組み
・市場および競合の分析
・マーケティング/営業
・立ち上げ戦術
・成長戦略
・オペレーション計画
・人事戦略
・財務計画
・資金調達
・出口戦略
・リスク管理
・プロジェクト管理

以上のようなことを記載することを念頭に置き、ベンチャーキャピタルが重視するポイントを理解して事業計画を作成しましょう。

それに加えて、事業計画書に対する質問に回答ができる内容にしなければなりません。


事業計画書に必要な情報


事業計画書の作成が決まったら、一体どのようなことをベンチャーキャピタル側に伝えるかを考えなくてはいけません。

ただ情報を羅列したとしても、事業計画書としては半分ほどの効果しかないのです。

その事業計画書によって『出資するだけの価値がある企業である』ということを明確にする必要があります。

そこで注目してもらいたいのが以下の5つの項目です。

①市場の成長性を伝える

②マネジメントチーム(経営陣)の実績

③競合優位性を示す

④販売戦略の明確化

⑤IPO(上場)に対する道筋

これらを明確にした事業計画を作成してからベンチャーキャピタルにアプローチしないと、投資というステージにすら進まない可能性が高いのです。

それに加えて、読み手が読みやすく理解しやすい工夫をする必要があります。文字だけで納めるのではなく、表や図、数字なども交えて分かりやすい事業計画書を作っていきましょう。

ベンチャーキャピタルに相談しつつ、ブラッシュアップするという手もあります。しかし、提出する事業計画書があまりにも拙いものであれば、話し合いのステージにも立てず門前払いにあってしまうでしょう。

そういった点もあるので、事業計画書がある程度の完成度に達してからベンチャーキャピタルにはアプローチすべきなのです。


市場の成長性を伝えよう

ベンチャーキャピタルの最終目標は『IPO(上場)』による資金の回収になります。

上場するということは、投資家に出資してもらうことに変わりありません。

そういった観点から分かる通り、証券会社も『投資家が出資したい』と思ってる企業は上場させますし、『投資家が出資したくない』と思ってる企業は上場させようとしないのです。このメカニズムを最初に頭に入れておきましょう。

投資家の考え方としては『成長市場であれば投資のリスクが低く、それに対して大きいリターンが見込める』というものです。

簡単に言ってしまえば『ローリスク・ハイリターン』が狙えるということになります。

そのため、成長性がある業界のベンチャー企業やスタートアップ企業には投資がしやすいのです。

◇POINT

【投資家が投資したくなる会社=成長市場の会社】

そのため、ベンチャーキャピタルにアプローチする際には『いかに自分の企業が市場の成長性をくみ取っているか』を具体的に示す必要性があります。

それを上手く伝えることができれば、ベンチャーキャピタルの方からも興味を持たれますし、次のステップに進むことが可能性がでてくるのです。

それに加えて、

マネジメントチーム(経営陣)の実績

が加わればさらに可能性は高くなります。

投資や出資というものは『相手に対してそれだけの価値がる』と判断されたときのみ行われるものです。

そこで大事になってくるのが『実績』になります。

今までの職歴がコンビニのアルバイトだけという人に対して、大金を出資するベンチャーキャピタルはほぼいないと言って良いでしょう。

もし仮に同じビジネスモデル、同じ資金で起業した会社があったとして、素人の経営者か優秀な経営者かで成功するかどうかは大きく変わってきてしまうのです。

そのため、『何をやるか』も大事ですが『それを誰がやっていくのか』という点も重要になってきます。

事業の内容が完璧だったとしても、それを上手くやっていける人材がいなければ意味がありません。

ベンチャーキャピタル側も、それでは不安でお金を出資する気にはならないのです。

そこで、ベンチャーキャピタル側には『経営陣の経歴と、今までの実績、保有しているスキルと人脈』などを示しましょう。

これらを示すことによって、『示してビジネスモデルを成功させられる』という根拠になります。

経営陣の経営能力の資質、それを会社の成功につなげられる理由を具体的に示していきましょう。

逆に、現在の人材に経験・能力・スキル的に不足しているのであれば、ベンチャーキャピタルに出資を依頼するよりも、経営陣に別のメンバーを参加させることも検討しなければならないのです。


競合優位性を示す

確実に企業を成長させるためには以下のようなものを把握しておく必要があります。

・自分たちの企業にとって敵とは何なのか

・敵はどこに存在しているのか

・敵に勝つとしたらどういった部分で勝つのか

・それを達成するためには、どのようなことをするべきなのか


などになります。

これを把握した上で、それらの優位性をベンチャーキャピタル側に伝える必要があるのです。

『他の企業と違って、こういった優位性があるから自社に出資した方がお得だ』と思わせる必要があるからです。

では、それを上手く伝えるにはどうしたら良いのか...。基本的には以下のようなことに注目しましょう。

・競合他社のシェア

・競合他社の商品やサービスのマトリクス

・自社の商品やサービスでどこで勝つのか?

以上のことを明確に示すことで、ベンチャーキャピタルはこの会社に対しての将来性を判断します。

企業の中には『今までにない商品やサービスなので競合はいません』と仰る場合もありますが、そんなことはありません。

必ず何かしら代替となるものはあります。

提供する商品やサービスが違っていたとしても、同じようなニーズを解決する商品やサービスが競合になるはずなので、そちらの方との競合優位性を示しましょう。


販売戦略の明確化

提供する商品・サービスがいかに魅力的なものであったとしても、販売戦略が描けていなければ売上が伸びることはありません。

ベンチャー企業やスタートアップ企業に起こりやすいミスなので、ここは入念に考える必要があります。

販売戦略と聞くと、非常に複雑で難しいものというイメージがありますが、実際はそこまで深く考える必要はありません。まずは、以下のようなことをまとめてみましょう。

・どうやって営業するのか?

・誰に対して営業するのか?

・客層はどこを狙っていくべきなのか?

・どのエリアで営業するのか?

・広告はどう展開するのか?

・インターネットはどう活用するのか?

などです。

販売戦略が明確であることは、ベンチャーキャピタルから出資される上で非常に大きなリードになります。

受注金額も、顧客数も、さまざまな情報を基に決めたことが分かるからです。

企業の成長性も見えますし、何より経営者の本気度・熱意が伝わります。

そのため、販売戦略・営業戦略を考える際には、その分野に長けた実績のある人材を経営陣に入れておきましょう。

素人とプロフェッショナルがやるのでは、読みやすさや理解のしやすさだけでなく、数字の確実性も付与できるのです。


IPO(上場)に対する道筋

ベンチャーキャピタルの最終目的は『IPO(上場)による資金回収』になります。

そういった目的があるので、ベンチャーキャピタルはIPOすることが前提で出資することになるのです。

そのため、企業側にはIPOまでの道筋が明確に示されている事業計画が求められます。

以下のようなことに注目してまとめてみましょう。

・IPOをするための事業計画が具体的なロードマップで記載されている

・IPOをするときの事業規模(売上、経常利益、差別化要因)を明確にしている

・IPOまでの売上、利益の伸びの数字による具体的根拠がある

以上のように『出資するこの会社はIPOをリアルに目指しているんだな』と感じさせる事業計画が必要になります。

もう一つ頭に入れておくべき情報として『IPOの条件』についても確実に調べておきましょう。

・IPO(上場)までの猶予:最大5年

・IPOをするときの事業規模:経常利益2億円以上、その他各市場要件のクリア

・IPOまでの売上、利益の伸びの数字による具体的根拠:なぜ、その数字が達成できるのかを具体的に解説

このように、IPOへの具体的な戦略、スケジュールを組み込んだ事業計画にする必要があるのです。


事業計画書が完成したらアプローチ開始

それぞれの項目をしっかりと確認し、納得のいく事業計画書が完成したら、いよいよベンチャーキャピタルに出資の依頼をしに行きます。

しかし、ここで問題がいくつか出てくるので注意しましょう。

まず、最も重要な部分が『どうやってベンチャーキャピタルにアプローチしていくのか』という部分です。

銀行などが企業に対して投資や出資を行う場合、ほとんどが企業側からお願いしに行きます。

ベンチャーキャピタルも同じように、連絡を取ることから始めましょう。

どういった経緯でベンチャーキャピタルを利用したいのか、なぜこのベンチャーキャピタルを利用しようと考えたのか、こちらが提示できるものは何があるのか、スケジュールを合わせることができるのか、などを確認しましょう。

例外としては、有望なビジネスモデルの場合はベンチャーキャピタルの方から連絡してくることもあります。

最近では珍しいことではなくなりました。

しかし、現状はそうはならないケースがほとんどですので、基本的にはこちらからベンチャーキャピタルに連絡を取ることになるでしょう。

待っていても始まりません。自分から積極的にアプローチしていくことが成功への第一歩になるのです。

しかし、現実は甘くありません。


20社~30社に連絡して、1社から出資が決まる確率

『ベンチャーキャピタルから出資を受ける』というのは、そんなに簡単なことではありません。

銀行などの投資と違って、出資には返す義務はありません。

将来的な成長を見込んだ回収を行いますので、その企業の将来性によっては大きな損失になることだってあるのです。そのため、ベンチャーキャピタル側はしっかりとした準備と先見の明を持って企業を審査していきます。

現在では、非常に多くのベンチャーキャピタルがありますが、それだけ出資を受けれる可能性が上がったとも言えます。

ただし、それでも狭き門であることは間違いなく、『20社~30社に連絡を取って、5社ぐらいが次のステージに進んで、1社から出資が決定する』ほどの確率だと思っておきましょう。

数撃てば当たる、ではありませんが、多くのベンチャーキャピタルに連絡を取っていく必要があるということです。

企業側もベンチャーキャピタル側も毎日のように時間があるわけではありません。

とくにベンチャーキャピタルは利用者も非常に多くなっていますので、なかなか時間が取れない状態にあります。そういった状態の中で、いかに自分たちに目を向かせるか工夫していきましょう。


投資先が自分の会社に近いベンチャーキャピタルを狙おう

ベンチャーキャピタルを運営している会社には、それぞれ独自の特徴があります。

得意な分野であったり、支援のしやすさだったりです。そのため、自分の会社の同業他社に投資をしているベンチャーキャピタルでは以下のような特徴があります。

・その業界に対する理解が深い

・その業界に対する出資実績がある

・出資した後のシナジーが見込める

とくに『業界に対する理解が深い』というのは非常に大きなポイントです。

ベンチャーキャピタルは出資するだけでなく、その企業が成長していくために支援してくれます。

支援していくためには、その業界の知識や理解が必要不可欠となるのです。

その支援によって成長するスピードも質も上がりますので、それだけ回収することも容易になります。

そういった点を含めると、まったく関係のないベンチャーキャピタルと比較して『出資を受けやすい』という特徴があるのです。

ベンチャーキャピタルを決める際に注目すべき点として『対象のベンチャーキャピタルがどこに出資しているのか』をチェックしてみましょう。

それをしっかりと確認した上で、同業他社に出資しているベンチャーキャピタルをリストアップしてアプローチしてみてください。

ここを意識するだけでも出資に大きく近づきます。

まったく関係ないベンチャーキャピタルにアプローチしても時間の無駄になってしまうのです。

SNSでのブランディングも忘れずに

今はもうTwitterやフェイスブックを使って直接メッセージを送れる時代となりました。

それに伴い、ベンチャーキャピタルもたくさんの人からのメッセージが届いています。

“どんな人からのメッセージか”

が非常に重要になります。

日頃から積極的につぶやいたり、なぜその事業を始めようと思ったか、などを発信していきましょう。

プレゼンの勉強にもなりますし、もしかしたらベンチャーキャピタルの方から声をかけてくれるようになるかもしれません。

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