冬の能登再訪②変わらないようで変わる静寂の海辺
懐かしい町を散歩。マスクがあるから知人に会っても気づかれないのがありがたい。
かつて住んでいた朝日新聞輪島支局は無人だが、建物はまだあった。
レンタカーを借りて、海沿いの道を大沢に向かう。日本海の絶景を眺めるこの道を、毎日のように自転車で走り、暑くなると海に飛び込むぜいたくな日々を送っていた。
風よけの「間垣」に囲まれた大沢は、NHKの連続ドラマ「まれ」の舞台だ。
「まれ」で「外浦村役場」になった建物はつぶされて土台しか残っていない。
午後は半島先端の珠洲方面へ。
白米千枚田と窓岩を過ぎて曽々木に入るが、海鮮カレーがおいしかった曽々木食堂も、アナゴ丼がおいしかった食堂も、海藻しゃぶしゃぶを出していた「庄屋の館」も閉まっている。
最高の塩をつくる角花さんの塩田の売店も休業中だ。
当然、「椿茶屋」もやってない。何度も泳ぎに来た木ノ浦の海岸にあるカフェも閉じている。永作博美が主演した「さいはてにて」で喫茶店に使われた建物はなくなった。
能登半島の北端の狼煙の道の駅だけは開いている。
揚浜塩田の塩や大浜大豆を買った。豆腐は持ち運びできないからがまんした。
帰途、千枚田はライトアップされていた。