京都ボヘミアン物語㉖ボヘ志願女子続出 「女人禁制」は「女こわい」のうらがえし
国鉄民営化、朝日新聞襲撃……よりも女子大生
1987年春、ボヘミアンは4期目に突入し、ぼくは3回生になった。
新年度もまた大きなニュースがめじろおしだ。
4月1日、国鉄が分割民営化された。
民営化前の国鉄労働組合(国労)は1985年4月現在で18万人超の組合員をかかえる日本最大の労働組合であり、社会党(社会民主党)の支持母体である総評の中核だった。民営化をすすめた中曽根康弘はのちに「国鉄分割民営化の真の目的は、労働組合の解体」とのべている。分割民営化は「55年体制のおわりのはじまり」だったのだ。
5月3日、兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局にマスクの男がおしいり散弾銃を乱射、小尻知博記者(当時29)が死亡、犬飼兵衛記者が重傷を負った。「赤報隊」をなのる犯行グループが「すべての朝日社員に死刑を言いわたす」という犯行声明をおくりつけた。
ショッキングな事件で、ボヘハウスでも話題にはなった。おなじく赤報隊の標的になった静岡支局(時限式ピース缶爆弾=1988年3月12日)に3年後につとめるとは想像もしていなかった。
テレビも新聞もなかったからだけど、事件のことはまもなくわすれ、ぼくらは「新歓」に熱中した。
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