パーソナルトレーナー藤井自伝35

終わりの始まり

キャバクラを開店して半年、毎月売上を更新し働く女の子もやる気のある子に定着し信頼から女の子の紹介でキャストが増えすべて順調である。
はたから見ればそのように映るようだが実はそうではなかった。

メンバー内で仲違いが起きたのである。
3人の内1人は先輩、残り2人は同級生という状況もめる火種は常に燻っていた。
というのも原因は先輩の怠慢である。
基本的にお客さんをお店に集客し売上を上げているのは僕ともう1人である。
もちろん女の子のスカウトやその他雑務に至るまでも行っている。
そして当人は昼まで寝て酒を飲んでせっかく稼いだお金を使い潰す始末。

大盤振る舞いで後輩におごるがそれは一体誰が稼いできたものなのか。
ハリーウィンストンのダイヤの入った1000万円の時計を急に買った時には唖然とした。

「なぜ今それを??」

仲違いは時間の問題である。
しかし先輩後輩の関係が仕事でもプライベートでものしかかる。

仲違いは本当に時間の問題である。
そしてキャバクラオープンから半年、酒に酔った先輩になぜかボコボコにされた夜ついに僕は行動に出た。

先輩後輩の縁を切り、一切の連絡を断ち先輩の元を離れたのである。
行く宛もなく原チャリを飛ばす朝方3時。

今度は仲間から離れ一人で過ごした空虚な期間の話である。

続く

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