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小学校5年生 総合的な学習の時間「恵幸川大作戦!!」
小学校3年生から始まる総合的な学習の時間。
総合的な学習の時間は、教科書がなく地域や環境、福祉や国際などを社会に広がる様々なものを教材として学習を進めていきます。生活科に比べると、扱う内容もより広く大きいものになるものの、子どもたちが夢中になって課題を追求する姿は生活科とは大きく変わるものではありません。
1.求められる「探究プロセス」
そんな総合的な学習の時間ですが、新学習指導要領では、総合的な学習の時間についてこれまでの課題とさらなる期待として、「探究プロセスの中でも、『整理・分析』、『まとめ・表現』に対する取り組みが十分ではないという課題がある」として、「①課題の設定→②情報の収集→③整理・分析→④まとめ・表現」の探究的な学習の過程を一層重視することが述べられています。
(学習指導要領解説「総合的な学習の時間編」より)
2.子どもたちが追求したくなる課題
子どもたちが主体的に収集した情報を整理・分析したり、考えを出し合ったりしながら問題の解決に取り組むためには、①で設定される課題が、子どもたちが本気で解決したくなる課題でなくてはなりません。
総合的な学習の時間で扱う内容や課題は、答えが一つでない、社会が抱える課題であるほど子どもたちの本気度は上がります。
インターネットの調べ学習だけで解決できるような課題ではなく、様々な人やモノとの関わりを生み、みんなで試行錯誤をしながら最適解を見つけることができる課題であればあるほど、子どもたちは自分事として課題と向き合い、学びは深まっていくと思います。
3.加古川のご当地鍋「恵幸川鍋」
私が勤務する加古川市には、加古川市の職員の自主研修グループが考案をした「恵幸川鍋(えこがわなべ)」という地産地消を謳ったご当地鍋があります。
今回紹介する実践は、地元の食材の恵みが詰まった川西小学校5年生だけの恵幸川鍋づくりを目指して、たくさんの地元の生産者の方々に関わっていただきながら学習を作り上げた実践です。
様々な課題に直面しながらも、地元の生産者の方々の食材への「思い」を大切にし、何度も話し合い、試行錯誤を繰り返しながら子どもたちと作り上げてきた実践を5回に分けて紹介したいと思います。
地域社会と共に作り上げる学習として、「社会に開かれた教育課程」の視点でも書いていますのでご覧いただければと思います
4.恵幸川大作戦!~川西小5年生だけの恵幸川鍋を作ろう!~(vol.1)
5.恵幸川大作戦!~川西小5年生だけの恵幸川鍋を作ろう!〜(vol.2)
6.恵幸川大作戦!~川西小5年生だけの恵幸川鍋を作ろう!~(vol.3)
7.恵幸川大作戦!~川西小5年生だけの恵幸川鍋を作ろう!~(vol.4)
8.恵幸川大作戦!~川西小5年生だけの恵幸川鍋を作ろう!~(vol.5)
9.文教出版「生活科・総合NAVI」の掲載記事より
この実践は文教出版「生活科・総合NAVI」という雑誌にも小論文という形で寄稿させていただきました。「地域社会に開かれた教育課程」を中心にまとめています。
10.加古川市の給食にもなりました!
なんと、この実践を知った栄養教諭の方が、ぜひ子どもたちの思いをカタチにしてあげたいということで、学校給食のメニュー化を実現しただきました。
2020年の1月31日の給食に「恵幸川汁」というメニューで登場しました!さらに、当日はこれまでお世話になったみなさんをもう一度招待し、みんなで給食になったことを喜び、心あたたまる時間を過ごしました。
子どもたちも自分たちの頑張りがカタチになったことに大きな達成感を感じているようでした。
今回は地域教材として、地域のご当地鍋を教材として取り組みましたが、たくさんの人との関わりが生まれるほど、学びは広く深いものになっていくことを大きく実感した実践でもありました。
学校内だけで完結する「閉じられた教育課程」ではなく、社会と共に作り上げる「社会に開かれた教育課程」のあり方を今後も探りながら、授業づくりをしていきたいと思います。