リーダーにするなら…30年後のとやま、あなたはどっちを選ぶ?
藤井だいすけです。今回のテーマは「リーダー」です。
A.強いカリスマ型リーダーがひっぱる富山
B.柔軟なサポート型リーダーが支える富山
皆さんならどちらを選択しますか? 私だったらBを選択します。その理由をお伝えしたいと思います。
皆さんはリーダーと聞くと、どんなイメージが浮かんできますか? 「先頭に立つ」「指導者」「判断を任せられる」「チームの要」「頼れる存在」――そんな言葉が浮かんだ人が多いのではないでしょうか。仕事でも家庭でも政治でも、人を引っ張っていける魅力ある“強いリーダー”がいればうまくいくはずだ、現代のさまざまな問題の原因は強いリーダーが不足しているからだ、などの論調をよく見かけます。昭和の高度成長期を支えた経営者(松下幸之助氏や本田宗一郎氏など)の名言が、今もなお繰り返し賞賛されるのは、日本が右肩上がりだったよき時代を懐かしむ気持ちと、再び日本が成長する時代を取り戻したい思いがあるからなのでしょう。
しかし現実的に考えて、日本は人口減少・超高齢社会に先進国で最も早く突入しました。人口が増えていく中での経済成長を成し遂げつつ生活が豊かになっていく時代は、少なくともあと40年はやってきません。人口減少の中で必要なのは、縮小化する社会での最適解を見つけ出すこと。それは「新しいものを手に入れる」よりも「今そこにあるものを発掘し上手に使う」考え方に変わっていくことを意味しています。
そんな時代に必要なリーダー像は、強いリーダーシップを持った人でしょうか? もちろん強いリーダーがいれば、従う人は楽です。そのリーダーの指示を待っていればいいわけですから。逆に言えば強いリーダー待望論は、面倒な行為を代行してくれる便利な人に責任を押し付けて、自分は主体的に動かず責任もとりたくないと考える人が多いからこそ、生まれるのかもしれません。
仕事や地域に関わる人の“一緒に協同する意識”を引き出すためには、強いリーダーシップよりも“しなやかなフォロワーシップ”が重要ではないかと、私は考えます。もう少し説明すれば、関わる人が「この人に任せれば大丈夫」と思われるよりも、「わたしもやらなきゃまずい」と思わせるような関係性です。そのためにも、チームがいろんなことにチャレンジすることを奨励し、失敗してもめげずにチームを盛りたてるフォローができる柔軟な思考のリーダーが必要だと私は考えます。
日本が少子高齢化社会に向かう中で、解決しなければならない課題は山積みですが、まずは「過去の成功体験にとらわれすぎない」「自分たちが主体となって解決する」といった共通意識を持つことが大前提。そんな共通意識を持ったチームを、建設的に動かしていくのは“しなやかなフォロワーシップ”を持ったリーダーではないでしょうか。
私は40代ですが、バブル期以降に日本で生まれ育った20代や10代の人に“しなやかなフォロワーシップ”の可能性を感じます。ゆとり世代・さとり世代などと揶揄されることも多いですが、コミュニケーション力の高さはずば抜けています。また合理的な判断をするセンスや、すぐ動く行動力と修正力があります(本気になったら、の条件つきですが)。ぜひ若い世代から、新しいリーダー像を生み出してもらいたいです。もちろん私も負けないよう“しなやかさ”を磨いていきたいと思います。
藤井だいすけ/富山県議会議員候補予定者(富山第一選挙区)。1973年(昭和48年)1月19日生まれ。46歳。
新庄幼稚園、新庄小学校、新庄中学校で育つ。富山中部高校、大阪大学経済学部を経て、95年に株式会社リクルートへ就職。
フリーマガジン『R25』等の編集長を歴任する。40歳を機に東京から富山に戻り、現在は新庄で高齢者福祉事業を行う。
株式会社アポケアとやま専務取締役。社会福祉士の国家資格を持ち、新庄地域包括支援センターの所長も務める。
大学生の息子と小学生の娘の父。