読んだ本の感想
『スタンフォードの自分を変える教室』ケリー・マクゴニガル著、神崎朗子訳、大和書房、2012.10.31発行
スタンフォード大学の心理学者で公開講座の授業を担当。「自分を変える教室」は受講生からとても人気のある講座となっている。自分の意思が弱いため周りの外的環境に流されたり、自分を抑制することができなくて悪い習慣を続けてしまう。これをどうしたら克服できるか、誘惑に打ち勝つためにどうしたらよいのかを説明している。
9年前この本が出版されたとき購入して読んだのだが改めて購入して読んでみると思い当たることが多々あった。まずは正月元旦に立てた計画を振り返って見ると悉く目標が挫折している。いつの間にか敗北だけが残っているようなものだ。まずはできていない原因をしっかり追究することから分析し、そのときの状況等も把握する必要がある。まずは自分を知ることである。
自分の意思を貫く力を意思力とすると意志力をつかさどる脳の領域として、前頭前皮質の上部左側の領域は「やる力」、反対の右側は「やらない力」、前頭前皮質の中央の少し下に「望む力」があり自己コントロール機能がそれぞれバランスを図っている。これらを向上させるためには繰り返し集中すれば筋肉と同じようにトレーニングで強化できるとのこと。その最たるものが瞑想による自己コントロール。定期的に瞑想するだけで自己コントロールができるそうだ。
意志力を強化するには私の年代(昭和30年生まれ)の前後の人々は精神論を振りかざして精神が軟だから達成できないと教え込まれたようにおもうが、古代から人間が生き延びてきた経緯があるのかもしれない。ダイエット一つとってもなかなかコントロールできない。今の時代であれば、SNSやネットを使って同じ悩みを持つ人達が意見交換しながら自己の存在を素直に受け入れ、折り合いをつけることで生き延びることができるように思う。そのためには注意を向けることが大切でしっかり意識して行動することを学んだ。