本で印象に残ったところ「一口メモ」

『実践するドラッカー【思考編】』監修 上田惇夫、編著者 佐藤 等、ダイヤモンド社、2010.1.28第一刷発行。P104・105

個人と組織をつなぐ変速装置

 貢献に焦点を合わせることが、仕事の内容、水準、影響力において、あるいは上司、同僚、部下との関係において、さらには会議や報告の利用において成果をあげる鍵である。  『経営者の条件』P78

 ドラッカー教授が「成果」という言葉を使うとき、ほとんどが「組織の」成果を意味しています。それゆえ、組織社会に生きる私たちは、一人ひとりの成果ではなく、一人ひとりの貢献を考えなければなりません。

 貢献は、個人の力を駆動輪に伝える、車のトランスミッション(変速装置)のようなものです。組織に属する一人ひとりは、知識や技能、資質や強みをもった存在ですが、上手く力を発揮しなければ、何の役にも立ちません。

 個人の能力を組織の成果に転換するには、組織が要求する貢献は何かを、一人ひとりが考える必要があります。このことを「貢献に焦点を合わせる」といいます。

 貢献に焦点を合わせることで、どんな仕事を、どれくらいの基準で、誰に対して行うのか、あるべき人間関係はどのようなものか、会議や報告の目的は何か、といったことがわかるようになります。

 つまり、貢献に焦点を合わせることは、組織で仕事を行う際の基本的な作法として身につけておくべき習慣なのです。

※組織の一員として仕事をする上で、最初は与えられた仕事を精一杯処理することです。右も左も分からない職員に対して職場内研修(OJT)を通して具体的にどのように処理するかを教えることです。しかし、これは基本的な日常業務の進め方であって組織としての目標等に対して何をすべきかは職員一人ひとりが考えなければならない。

 それを考える時に大切なことは、組織に対しする貢献を常に意識することが求められる。今は個性を求めるために貢献するという意識が希薄になってしまいこの本の中でいう「貢献に焦点を合わせる」という理解が考えられていない。何のために、誰のためにということを常に考え続ければ組織に貢献するということが習慣化するのではないだろうか。

 組織人としては、組織に対して貢献するために自分の時間とエネルギーを如何に効率的・効果的に活用するかを考える職員にならなければならない。ただ自分の与えられた業務を処理することで実績を上げることだけが全てではない。たとえば、誰の職務にも属していなくても組織のことを考えれば自ら進んで処理することで組織に貢献することができる。そのような組織貢献があっても良いのではないだろうか。

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