本で印象に残ったところ「一口メモ」

『経営の失敗学』菅野寛著、日本経済新聞出版社、2014.10.22発行。読んだ本の中で印象に残った箇所を記録することで次の研修に役立てられればと考える。P248

失敗する経営から成功する経営へ

 結局、ビジネスの本質とは、同質化すればゆっくり死んでいく、異質化すれば失敗する確率が上がる、というジレンマの中で、いかにして異質化しながらも成功するという例外的な出口を見出すか、というゲームである。

 では、どうやって失敗確立を下げるのか? まずは、これをやったら失敗する、という「明らかな地雷」を踏まないことです。成功の道筋は十社十色で、モノマネすればうまくいくような共通のパターンは存在しません。

 ところが、幸いなことに、失敗、すなわち「地雷」は多くの場合、共通したパターンがあります。したがってチェックリスト化できるし、地道に努力さえすれば地雷を避けることが可能です。

一口メモ 

 実務において、成功事例を学ぶことも大切であるが、むしろ失敗事例を分析して学ぶことが重要だと考える。たとえ、組織にとってその失敗事例が恥ずかしいことであっても発生したことは事実なのだから素直に受け止めて、将来に向けてそ同じ轍を踏まないことに関心を向けることである。

 ところが、現実は組織の対外的な面子が邪魔をして悪い事例や失敗事例を公表することは少ない。また、公表することでその組織の責任者が責任を問われることも有りうるなど、組織の体面を保つ関係でなかなか事実が表に出ることはない。

 そのため失敗事例の正確な内容等が同じ組織の職員にすら周知されないことでまた同じ失敗が発生することである。これは当然と言えば当然のことである。失敗事例の当事者とそれに関係する上位者しか事実関係を把握していないため、同じ組織の職員といえども誰も事実関係を知ることもなく、しいてはその根本原因まで意識することはない。

 以前、畑村洋太郎先生の『失敗学のすすめ』を読んで改めて失敗事例の重要性を認識した。どのような組織であろうと業務を行う上で失敗は発生する。そのとき真摯に向き合ってその失敗をオープンにすることで二度と同じ失敗を発生させないという誓いも込めて情報の共有化を図る必要がある。私は情報の共有化よりもさらに認識の共有化が構築できれば揺るぎない組織を継続できると考えます。



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