【Dorico】 ドラム譜の注意点5選 〜キット編集編〜
こんにちは、もとFinaleユーザーの藤井大河です。
以前私のYouTube配信で、配信中の新曲 「ひとりぼっちのよる」🔗 のドラムパートの楽譜を作ったのですが、Doricoではドラムセットの扱いが色々と特殊です。
ということで、作業の中で私が苦戦したポイントや解決策を、「音符入力・編集編」🔗 と 「キット編集編」 に分けて紹介していきます。
「キット編集編」 のこの記事では、「打楽器キットの編集」 に関する問題を5つ扱います。
私がmacOSで作業した際に見つけたものである点にご留意願います。
【 1. 位置の変更がリセットされる 】
「打楽器キットを編集」 ダイアログ🔗 で、インストゥルメントの表示位置を変更した後、その前からあったインストゥルメントを削除すると、位置の変更が元に戻ってしまいます。
これは、位置を変更したすぐ後にダイアログの右下の 「適用」 を押すことで防ぐことができます。
なお、この現象は 「五線譜」 でも 「グリッド」 でも起こります。
【 2. アンドゥ、リドゥがおかしい 】
これは恐らく前項の原因にもなっていそうですが、ドラムキットの編集に関するアンドゥやリドゥはとにかくおかしいです。
かなり複雑な挙動をしますので、打楽器キットの編集ではアンドゥやリドゥは使えないと思っておくのが吉だと思います。
【 3. 符頭セットの並び順がわかりづらい 】
「打楽器の演奏技法」 ダイアログ🔗 や 「打楽器の符頭の上書き」ダイアログ🔗 で符頭セットを選択する際、符頭セットがカテゴリー別に並んでいないためわかりづらい、という問題があります。
私は配信で 「丸付きX符頭」 を見逃しました。
よく見れば済むことですが、不親切ではあると思います。
【 4. 奏法の選択がちょっと変 】
「打楽器の演奏技法」🔗 で符頭や演奏技法やに再生効果を割り当てる際、「再生効果の組み合わせ」 ダイアログ🔗 が出てくることに注意が必要です。
演奏技法を置き換えたい場合、検索で出てきた候補を選択するとうまくいかない場合があるので、目的の演奏技法をクリックする必要が出る場合があります。
【 5. 再生される音が色々とおかしい 】
パーカッションマップ🔗 で確認、変更できますが、デフォルトではスネアドラムの再生効果 「Cross stick」 およびハイハットの再生効果 「Open 1」 には、音源の割り当てがされていませんので、これらを選択すると予期せぬ音が鳴ることになります。
スネアのクローズドリムショットには再生効果 「Side stick」 を、ハイハットのオープンには再生効果 「Open 2」 を割り当てると、正しい音が鳴るかと思います。
また、ハイハットの再生効果 「Natural」 のシャドウノートの音 (音符入力モード中、[ 上下矢印 ] や [ ⌥ ] [ 上下矢印 ] を押すと再生される音) は 「Foot」 の音になっています。
これも、「Natural」 に音源が割り当てられていないことが原因のようですが、実害はあまりなさそうです。
⭐︎ 「打楽器キットを編集」 の立て付けについて
「打楽器の演奏技法」🔗 では、符頭の種類やアーティキュレーションに再生効果を割り当てることができます。
パーカッションマップ🔗 では、再生効果にMIDIノートを割り当てることができます。
MIDIノートへのサンプルの割り当てもできると思いますが、そこまでは今の私は理解できていません。
こういった重層的な立て付けですので、なかなかわかりづらくなっています。
【 まとめ 】
Doricoのデフォルトのドラム譜は日本式 (スネアとキックが違う声部になる) になっていないので、日本式を書くにはカスタマイズが必要です。
これも若干不親切といえるかもしれません
また、日本式で音符を入力する場合は、シンバルとスネアを同時に叩く部分などでいちいち [ Q ] を押すか、[ Q ] は押しっぱなしでいちいちキャレットを進める操作をするか、という選択を迫られます。
仕方ないとは思いますが、これもちょっと面倒です。
色々とありますが、うまく付き合っていきたいものです。
質問やアドバイス等あれば遠慮なくお願いいたします。
それでは、またお会いしましょう!
↓ 「音符入力・編集編」 もよろしくお願いします!