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【Dorico】 PCキーボードでピアノ風に音符を入力する方法 (変更できないピッチのショートカットを無理やり変更) (Mac向け)

こんにちは、もとFinaleユーザーの藤井大河です。
この記事は、以下の両方に当てはまるMac版Doricoユーザー向けです。(Windowsの方でも、方針自体は参考になると思います)

  • PCのキーボードで音符を入力する

  • 音名とキーの名前が一致する、Doricoデフォルトの打ち込み方が嫌

MIDIキーボードのように、隣り合うキーに隣り合うピッチを割り当てる方式の音符入力方法は、MuseScoreやFinaleでは通常の方法で変更できます。
しかしDoricoでは、環境設定のキーボードショートカットページに該当するコマンドがありません。
そこで、この変更できないショートカットを無理やり変更する方法を紹介します。


【 環境設定でショートカットを調整 (被るのを防ぐ) 】

ピッチとキーボードの割り当てを変更すると、一部が別のショートカットと被ってしまいます。
そのため、環境設定でショートカットを変更し、ショートカットの衝突を回避しておきます。
ここでは藤井が最もいいと思ったショートカットの変更を紹介しますが、被るのを避けるという目的上、別のショートカットに変更しても問題ありません。

1 / 4 「スラーを開始」

「環境設定」([⌘] [ , ]) の「キーボードショートカット」に進む

「音符の入力」をダブルクリックした後、「スラーを停止」をクリック (検索してもよい)

窓に「[ ⌥ ] [ ⇧ ] [ S ]」を入力 ※ [ ^ ] はoption

「キーボードショートカットを追加」(これをしないと変更が反映されないので注意)

「キーボードショートカットを削除」でデフォルトの「[ S ]」を削除

念のため右下の「適用」をクリック

2 / 4 「ジャンプ小節を表示」

同様の手順で「ジャンプ小節を表示」のショートカットに「[ ⌘ ] [ J ]」を入力

「キーボードショートカットを追加」

「キーボードショートカットを削除」で「[ J ]」を削除

念のため右下の「適用」をクリック

3 / 4 「ソロ選択中のインストゥルメント」

同様の手順で「ソロ選択中のインストゥルメント」のショートカットに「[ ⌘ ] [ ⌥ ] [ S ]」を入力 ※ [ ⌥ ] はoption

「キーボードショートカットを追加」

「キーボードショートカットを削除」で「[ ⌥ ] [ S ]」を削除

念のため右下の「適用」をクリック

4/ 4 「ソロ状態をすべて解除する」 → 「適用」

同様の手順で「ソロ状態をすべて解除する」のショートカットに「[ ⌘ ] [ ⌥ ] [ ⇧ ] [ S ]」を入力 ※ [ ⌥ ] はoption

「キーボードショートカットを追加」

「キーボードショートカットを削除」で「[ ⌥ ] [ ⇧ ] [ S ]」を削除

右下の「適用」をクリック (これをしないと変更が反映されないので注意)

【 jsonファイルを編集 】

ショートカットの変更を記録するファイルが存在します。
これをテキストエディットで直接変更してしまいます。
本来想定されていない操作ですので、実行は自己責任でお願いします。

1 / 3 jsonファイルを開く

アプリ「Finder」を開く (デスクトップをクリックする、デスクトップの下にあるDockの左端のアイコンをクリックする、などしてください)

画面上のメニューバーの「移動」をクリックし、[ ⌥ ] をクリックすると現れる「ライブラリ」をクリック

「Application Support」→「Steinberg」→「Dorico」と進み、「keycommands_ja.json」を開く (各項目の名前をタイプすれば、その項目がフォーカスされます)

2 / 3 コードをコピペ

先ほどのjsonファイルの、画像の部分を探す ([ ⌘ ] [ F ] で出てくる検索窓に「WriteMode」と打ち込むと楽かもしれません)


下記のコードをコピーし、先ほど探した部分にペースト

{
				"context" : "kStepTimeInput",
				"shortcuts" : [
					
					{
						"NoteInput.Pitch?Pitch=A" : [ "H", "DELETE:A" ]
					},
					
					{
						"NoteInput.Pitch?Pitch=B" : [ "J", "DELETE:B" ]
					},
					
					{
						"NoteInput.Pitch?Pitch=C" : [ "A", "DELETE:C" ]
					},
					
					{
						"NoteInput.Pitch?Pitch=D" : [ "S", "DELETE:D" ]
					},
					
					{
						"NoteInput.Pitch?Pitch=E" : [ "D", "DELETE:E" ]
					},
					
					{
						"NoteInput.Pitch?Pitch=A&Up=true" : [ "Shift+Alt+H", "DELETE:Shift+Alt+A" ]
					},
					
					{
						"NoteInput.Pitch?Pitch=B&Up=true" : [ "Shift+Alt+J", "DELETE:Shift+Alt+B" ]
					},
					
					{
						"NoteInput.Pitch?Pitch=C&Up=true" : [ "Shift+Alt+A", "DELETE:Shift+Alt+C" ]
					},
					
					{
						"NoteInput.Pitch?Pitch=D&Up=true" : [ "Shift+Alt+S", "DELETE:Shift+Alt+D" ]
					},
					
					{
						"NoteInput.Pitch?Pitch=E&Up=true" : [ "Shift+Alt+D", "DELETE:Shift+Alt+E" ]
					}
				]
			},
			
			


念のため「[ ⌘ ] [ S ]」で上書き保存

3 / 3 コードをコピペして上書き保存し、Doricoを再起動

jsonファイルの、画像の部分を探す ([ ⌘ ] [ F ] で出てくる検索窓に「delta」と打ち込むと楽かもしれません)


下記のコードをコピーし、先ほど探した部分にペースト

"mac" : {
		"contexts" : [
			
			{
				"context" : "kStepTimeInput",
				"shortcuts" : [
					
					{
						"NoteInput.Pitch?Pitch=A&Down=true" : [ "Meta+H", "DELETE:Meta+A" ]
					},
					
					{
						"NoteInput.Pitch?Pitch=B&Down=true" : [ "Meta+J", "DELETE:Meta+B" ]
					},
					
					{
						"NoteInput.Pitch?Pitch=C&Down=true" : [ "Meta+A", "DELETE:Meta+C" ]
					},
					
					{
						"NoteInput.Pitch?Pitch=D&Down=true" : [ "Meta+S", "DELETE:Meta+D" ]
					},
					
					{
						"NoteInput.Pitch?Pitch=E&Down=true" : [ "Meta+D", "DELETE:Meta+E" ]
					}
				]
			}
		]
	},
	


「[ ⌘ ] [ S ]」で上書き保存

Doricoを再起動

【 まとめ 】

「音名とキーの名前が一致する方式じゃない方法」
「ABCDEFGを打つのに、ABCDEFGではなくHJASDFGと打つ」
「CDEFGABと入力するのに、CDEFGABではなくASDFGHJとタイプする」
「左のキーから順番に音高を当てはめる」
「PCキーボードでMIDIキーボード風のキーコマンドの割り当て」
「パソコンのキーボードでピアノみたいに音符を入力」
「変更できないピッチ入力のキーコマンドを変える」
「環境設定にない音の高さの設定のショートカットをカスタマイズ」
「隣り合うキーに隣り合うピッチをアサインした打ち込み方」
などなど…

いろいろな言い方が考えられて、検索しづらい内容ですが、この記事の方法によって可能になったのではないでしょうか。
わりと応用も効くやり方だと思います。
とはいえ、ピッチ設定のショートカットも、今後のアップデートで普通にカスタマイズできるようになるかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
またお会いしましょう!

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