貴方がリーダーならどうしますか?シリーズvol 208 育てたスタッフが引き抜かれる問題(大型店の問題点)番外編

 スタッフを一から育てて、スタイリストデビューさせて、指名も増え、やっと売上に貢献してくれるスタイリストに育成できたと思っていたら、突然の退社希望。仕方なく承諾。
 後日、『面貸サロン』とフリーランス契約をしていたことが判明。何ともやりきれない気持ちになったご経験はございますか?

 特に、美容室では、スタッフ数の多い大型サロンのスタイリストに、面貸サロンから声がかかることが多いですよね。
 破格の条件で話を持ってこられるので、その魅力的な条件に惹かれてしまうことがありますよね。売上の50%~、多いところで売上の70%で話を持ってこられることもありますよね。
 一般的な美容室での水準が、売上げの30%ぐらいですので、100万を売り上げている人であれば、水準が30万。(最近では面貸対策で40万ぐらいに引き上げられているみたいですが…)

 面貸サロンでは、100万円売り上げていたら、50万~70万支給されると聞けば、心を奪われてしまうことも、理解はできますよね。
 理解はできますが、できれば阻止したいですよね。

 阻止はしたいですが、日本国憲法に『職業選択の自由』が保証されていますので、力づくで止めることはできませんよね。
 強いて言えば、就業規則に『競合避止義務』を明記して、退職後に競合他社への就職を禁じて、罰則規定を設けることもできますが、実際には社員と揉めるだけで、得策とは言えませんし、根本解決にはならないような気がします。
 根本解決をするためには、面貸サロンから声がかかっても、お断りするだけの魅力的な会社づくりを目指す必要がありますよね。

 1.キャリアプランニングの充実(選択肢の拡充)

 2.上司(会社)との絆づくり(愛社精神)

 3.魅力のある会社づくり(社員満足度)

この3つを魅力的に感じれば感じるほど、面貸サロンから声がかかっても、踏み止まってくれる可能性は大きくなると思います。

 1.キャリアプランの充実ですが、社員からして選択肢が多ければ多いほど、選びしろが多いですので、将来に対する不安が減ってきますよね。
 もしも、面貸サロンで手にする条件を超えた魅力的なキャリアプランニング(管理職等)があれば、簡単には面貸サロンへの転職は考えないですよね。
 また、社内で面貸サロンと同等の『社内独立制度』等のキャリアプランが充実していれば、同じように、簡単には面貸サロンへの転職は考えないですよね。どちらにしても、将来的に魅力的なプランニングが充実さえしていれば、踏み止まる可能性は大きくなりますよね。

 2.上司(会社)との絆づくりですが、美容室での大型店では、教育は充実していますが、スタッフ数が多いので、一人ひとりとの関係性や絆に関しては、若干弱いことがあります。そこを克服するための関係性の強化に取り組まれると、簡単には面貸サロンへの転職は考えないですよね。
 多くの様々な立場の人(社長を含めて幹部等)から一人のスタッフに対して、強固な信頼関係を築く機会を増やせば増やすほど、同じように、声がかかっても踏み止まる可能性は大きくなりますよね。

 3.魅力のある会社づくりですが、社員満足度の高いサロンを徹底的に取り組みます。社員満足度アンケートを定期的に行い、社員の小さなストレスにも配慮した職場環境の整備等に力を入れ、笑顔溢れる職場環境を実現さえすれば、簡単には面貸サロンへの転職は考えないですよね。

 また、美容室大型店のスケールメリットを最大限に生かして、すべてを社員満足度に転換させることさえできれば、同じように、声がかかっても踏み止まる可能性は大きくなりますよね。

 要点だけ簡単にご説明させていただきましたが、この3つを充実させればさせれるほど、育てたスタッフを面貸サロンに引き抜かれる問題の根本的な解決に近づけると思います。
 いかがでしょう?

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