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分析情報の共有について
こちらはスポーツアナリティクス Advent Calendar 2021
9日目に寄稿させて頂く記事になります。
◇はじめに
はじめまして、株式会社ダートフィッシュジャパンで勤務している藤井透です。ダートフィッシュジャパンのスタートアップから18年間、スポーツチームや動作に関連する研究などへの協力をしています。ここ最近は、教育機関でもスポーツアナリストに必要な知識やスキルを授業や講習会で講師もしています。
「スポーツアナリティクス Advent Calendar 2021」過去の内容もみていますが、勉強になる内容ですね。ぜひ他の方の記事もご覧ください!
私の内容は、私が講師をしている分析授業で教えている一部の内容を抜粋し紹介します。
ダートフィッシュをはじめ、様々な分析ソフトウェアや自由視点映像、トラッキングシステムなど、スポーツアナリストに関わる方には、興味深いワクワクするようなシステムがありますが、最終的には、アスリートやコーチへはどのような情報を提供していけばよいか?分析の必要性など基礎的な内容を紹介します。後半は、ダートフィッシュのグラフィカルな可視化されたダイナミックレポートと映像共有の紹介をします。
◇スポーツアナリストやパフォーマンス分析の必要性
「映像分析って必要なの?」「私の競技レベルでは必要ないです」…18年間、様々なコーチやアスリートと会ってよく聞く言葉です。
コーチやアスリートは、トレーニングやゲームのパフォーマンスを、平均30%しか正しく思い出せないといわれています。パフォーマンス分析を実施することにより、アスリートの改善に不可欠な要素となる「何が起こったのか」という事実を提供することにより、残りの70%を支援できます。
分析に関わるアナリストは正しい情報を早く、的確に提供することにより、証拠に基づく意思決定が可能になり、得た経験と知識が増え、憶測が減り、適切なタイミングで適切な判断、決定を行う能力が強化されます。
◇皆さんは、どのように情報共有、フィードバックしていますか?
私が日頃お会いしているアナリストやコーチ、アスリートは、簡易的で印象を与える内容、あるいは集約する機能を追求しイメージを要望してきます。
近年、テクノロジーやIT技術開発により、アナリストは主要なパフォーマンスの洞察をより視覚的にグラフィカルで、インパクトがある形式でコーチに伝達するための新しい方法がもたらされました。
但し、情報を提供するために使用される方法は、所属チームのコーチングスタイルによって異なる場合があります。コーチは、トレーニングセッション、競争、試合の期間で、自らの経験や世界観を中心としたアプローチから、より権威主義的または、独裁的なアプローチまで、コーチングとリーダーシップのスタイルを変えることができます。
このコーチングスタイルは、スポーツの競技特性、性別、年齢、アスリートのレベルによっても影響を受ける可能性があります。
アナリストは、いつ、どこで、どのように情報をコーチに提供するかを決定するために、コーチの好みと性格、および状況のコンテキストを注意深く判断する必要があります。使用するシステムは、コーチの情報ニーズによっても決定される必要があります。
トレーニングやゲーム中のスポーツ環境では、ほとんどのコミュニケーションは口頭で行われます。コーチとアナリストのやりとりは通常、コーチにブリーフィングするか、口頭でのコミュニケーションスキルが重要となる対面の話し合いによって行われます。
◇スポーツアナリストが採用している方法
定量的情報(頻度/カウント)
アナリストの主な目的は、競技場で発生するさまざまなイベントを観察、記録、分析することにより、できるだけ多くの情報を収集することです。
これには、長所と短所、またはプレーヤーを明らかにする客観的なパフォーマンスプロファイリングによる試合前の洞察が含まれる場合があります。
ゲーム分析で得た統計などの定量的情報は、競技場のフィールド、チャート、または図表として提示され、チームがどのようにプレーしているかを明確に示し、パフォーマンスを向上させることができる領域を強調しながら、イベントの場所を示します。
定性的情報(ビデオによるコンテキスト)
ビデオ分析パッケージは、コーチに詳細な定性的情報を提供するために作成され、コーチは特定の関心領域に関するビデオのハイライトをインタラクティブに表示できます。
アナリストは、コーチにビデオを提供することで、単純な頻度カウントから失われたコンテキストを確実に回復できるようにします。ビデオリプレイからのこの追加のコンテキストにより、コーチはパフォーマンスの問題をより詳細に評価し、特定の問題が発生した理由を理解し、将来のパフォーマンスを向上させるために調整を行うことができます。
これらのビデオハイライトの配信中に、アナリストは、コーチがあまりにも多くの情報で圧倒されるのを防ぎ、最も関連性の高いポイントに集中し続けるために、コーチに気づいてもらいたい特定の機能を指摘したい場合があります。コーチが定量的情報と定性的情報の両方から十分な情報を収集できるようになったら、アナリストに、プレーヤーとのディスカッションで使用するために選択したクリップの候補リストを含むビデオパッケージを作成してもらいたい場合があります。
◇ボクシングTeamGBスポーツパフォーマンスアナリストの例
英国のスポーツ科学機関、EIS (The English Institute of Sport)のスポーツパフォーマンスアナリストChris Connelly氏、TeamGBのボクシングチームのアナリストに密着した映像。
ネットワークカメラで定点撮影している。
選手やコーチに近い、リングサイドではiPadにインストールした分析アプリを使用して、分析フィードバック。
フィードバックモニター、ネットワークカメラの映像は、ダートフィッシュ分析にも取り込みながら、フィードバックモターへ表示し映像遅延や質的分析に役立てる。
ダートフィッシュのタギング、BIツールTableauを使用している。(コンディショニングマネジメントデータなども集約できるはず)
BI(Business Intelligence)で作成したデータは、ダッシュボード化され、クラウド上のDartfishTVプラットフォームで映像とデータが連動した情報を得ることができている。
コーチやアスリートへは、アクセス権限がそれぞれ違いコメント、アノテーションなどを駆使して振り返りのフィードバックが行われる。
◇BIツールを利用したダイナミックレポート
EISのアナリストも使用しているBIツール、WEB検索すると、有料、無料たくさんのアプリがヒットします。
BIツールを簡単に説明すると、Business Intelligenceの略称で様々なデータをわかりやすく可視化できるアプリケーションです。
Microsoft PowerBI、Google Data Portal、Tableau など、活用している方が増えているように思います。
私が作成、使用した印象としては、グラフが生きてる!
対象のデータをクリックする動作に合わせてデータの絞込が実行、映像のプラットフォームDartfishTVへアップロードすると、API連携され、ビデオに直接リンクされた動く統計レポートが閲覧できます。
データをみるだけでもOK、統計データから映像をみることもできます。
Microsoft PowerBI作成例
実は操作修行中のビギナーですが、ヘルプやネットで公開されている使用方法をみてなんとかできてます(笑)
①Microsoft PowerBI desktopをインストール(無料)
![](https://assets.st-note.com/img/1638981277145-DwR9wsEasr.png)
②タギングで得たゲーム情報CSVをインポート
クエリの詳細、カテゴリとデータが表示される。
![](https://assets.st-note.com/img/1638981277147-meKyUfdBFP.png?width=1200)
③レポートの作成
クエリのカテゴリ情報からデータの視覚化を作成していきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1638981277155-IkNsHY6SGb.png?width=1200)
アドインをインストールすることにより、画像を使ったグラフを作成することもできる。
注)テンプレートには有料版もあるのでよく確認してください。
![](https://assets.st-note.com/img/1638981277199-SwQ9nbAZcp.png?width=1200)
ここまでは無料でできます。
④PowerBIとDartfishTVのAPI連携 DartfishTVのプラットフォームへアップロード
PowerBIで作成したデータと映像をDartfishTVのプラットフォームへアップロードしました。
API連携により、映像共有のプラットフォームに
映像と連動したダッシュボードを閲覧できます。
クリックして確認できます。↓↓↓
下図のようなグラフが表示されるので、クリックすると該当のシーンを絞込できます。(PC環境で閲覧してください)
https://dartfi.sh/p0LB9egFPoi
![](https://assets.st-note.com/img/1638981277167-jspxEcC1zN.png?width=1200)
◇データ分析や情報提供手法のオープンシェア
プロのアナリストはどのような指標で試合をみているのか?
ゲーム分析のタギングはどのような項目を使用しているのか?など気になります。
ダートフィッシュでは、経験豊富なアナリストが作成したゲーム分析パネルにデータ入力をするだけで、グラフィカルな可視化されたデータが手に入るようになりました。
もちろん、競技特性を知る、技術を知る、ルールを知るなどの知識は必要だが、分析パネルから観察するポイントやワークフローを学習していくことも可能になる。
①野球専用のダートフィッシュタギングシートとダッシュボード
ピッチャー、バッター、守備などタギングで入手したデータが映像と連動してクラウドで共有されています。アメリカでは簡易型弾道測定器とも連携して、ボールの回転数など記録している。
![](https://assets.st-note.com/img/1638981277377-wXCtPYG5ca.png?width=1200)
②テニス専用のダートフィッシュタギングシート、ダッシュボード
ワークフローとしては、テニスのゲーム内容を見ながら、ボタンを押していくとゲーム展開に合わせて入力表示が切り替わり、
ゲーム終了後映像をDartfishTVへアップロードすると以下のグラフィカルなレポートとして情報提供できる。
![](https://assets.st-note.com/img/1638981277180-aoBPIcDuCG.png?width=1200)
DartfishTVは、公開範囲を選択できるたため、届けたい方だけに表示の設定ができる。
◇最後に
ダートフィッシュ側の視点で紹介内容をまとめました。スポーツパフォーマンス分析のプラットフォームを追求しているソフトウェアの会社として、実践で活用しているコーチ、アスリート、アナリスト、研究者、職業として目指している学生の声を沢山拾っていくことを日々考えています。その声はアイデアとなり進化するきっかけになります。
今回、紹介した分析情報の共有に関しては、ユーザーの声から形になっている内容です。
今後も、分析データやワークフロー、ソリューション例など、オープンに共有できる場が増えるように、分析プラットフォームの提供と、スポーツアナリステックスの世界を盛り上げていけるように関わっていきたいです。