絵を描くとは。
絵を描くとは。
まずはじめにお伝えしたいのは、
絵を描くというのは簡単なことでは全くない、ということです。
人によっては上手、下手。
成功しているか、名が売れているか、
もしくはそうでないか、
だけの世界に見えるのかもしれません。
我々絵描きは1枚の絵に魂をぶつけて描いています。
苦しみ、泣き、自分を否定し、
でもその先に喜びがあり、また迷いが出たり、とても常人では耐えられないような
感情の波が押し寄せる時があります。
これだけやっても、報われないし認められない。正直そんなことばかりです。
私は、泣きながら絵に向き合っている人たちがいることを知っています。
なぜなら、私自身がそうだったからです。
私の場合は自分の絵が下手だから悲しかったとかではなく、絵を描くことで現実世界と、自分の心とのバランスを保っていました。
現実で生きる弱い自分。
やたら口を挟んでくる大人たち。
家族に認められない寂しい気持ち。
誰のことも信用していないから信用もされない。
そんな現実世界に絶望しながらも、
絵の世界で自由に飛び回り、ありのままで居られる喜びに支えられていました。
芸術がなければ私はとっくの昔に
おかしくなっていたと思います。
絵にぶつける思いはさまざまあると思います。
絵を描く理由は、本当に人それぞれです。
私は…
今となっては、本当に絵が好きだったのだろうかと思う時があります。
心から絵を楽しんでいたというより、
そこだけが自分の唯一の安置だったんだろうなと思います。
私にとって絵を描くとは、ありのままで居られる行いであり、
邪魔されない、指図されない、
否定もされない、
私自身が私を全肯定するためにやっている。
大切なものです。
絵は人ではありませんが、相棒のような存在として、これからもっと大切にしていければ良いなと思います。
私はこのことに最近気がついたのですが、
みなさんが絵を描く理由はなんでしょうか。
今一度考えてみると
見えなかったものが見えてくるかもしれません。
ps
今年も1年、よろしくお願い致します🌸
FUJIHARU