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背景に散りばめられた「想い」を伝えたいーWebライター早紀さんの願い
「おはようございます!」
颯爽と改札口を通り抜ける、笑顔のすてきな川村早紀さん。
今回は、早紀さんに直接お会いして話を伺いました。
さまざまな分野で活動しながら、Webライターとして活躍される早紀さんには、心に決めた深い「想い」があります。
お花は私の出発点
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ーーWebライターのほかにどのようなお仕事をされているのですか?
学生時代の友人と、オンライン販売に特化したお花屋さんをしています。
料理やお酒も好きなので、週末は飲食店での調理やオーガニックマルシェの八百屋さんのお手伝いもしているんですよ。
ーーたくさんの分野で活躍されていますね!
昔から興味があるなと思ったことは、とことん取り組みたくなるタイプで、自分では「オタク気質」だと思っているんです。
気になることは、いろいろとやってみたくて。
それでも、お花だけは特別でずっと続けてきたんですよね。
子どもの頃に病気がちで、憧れていた習いごとができなかった代わりに、母が勧めてくれたフラワーアレンジメントと華道をきっかけに、お花が好きになりました。
それから高校卒業まで華道部で活動し、お花の会社に就職後独立しました。
幼い頃からずっとお花に触れる生活を続けています。
相手を「想う」時間が好き
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ーー早紀さんは、なぜ「書くこと」を仕事にしようと思ったのですか?
お花の仕事は現場に出ることが多く、独立後も忙しく充実していました。
でも、あるとき母が体調を崩し入院をすることになり。
退院後もしばらくは家事ができない状態になった母を支えるために、仕事をセーブしていました。
その姿を見た母は「娘に無理をさせている」と感じてしまったようで……。
母のためにしているのに、逆につらい思いをさせてしまう自分がふがいなくて、家でできる仕事を持ちたいと考え始めました。
――それで「書くこと」にたどり着いたんですね。
そうなんです。
元々書くことは好きで、夏休みの読書感想文が楽しみで最後にとっておくタイプでした。
地域の人権作品集に文章が掲載されてうれしかったのも覚えています。
会社員時代は、お客さまに送るメールを担当していたんです。
その人に合った文章を書くのが好きで、忙しい業務のなかでも自分にとって癒しの時間でした。
文章を書くときに、相手を「想い」考える時間が好きなんです。
私は文章で人に「想い」を伝えるのが性に合っていると気づいて「人生で一度はライターとして書くことに挑戦したい」と思うようになりました。
自分が感じたことや経験したことの空気感を、的確に表現できるのが文章の力だと思うんですよね。
じっくり考えながら、自分の考えを整理して文章にできる時間の猶予があるのも、ライターの魅力だと感じます。
ライターとしてどうしても伝えたいこと
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ーー早紀さんがライターを続けていくうえで、大切にしたいことはなんですか?
世の中にあふれている言葉にならない「想い」を伝え続けたいです。
たとえばお酒一つとっても、背景には杜氏(とうじ)さんの並々ならぬ「想い」が込められています。
その味を出すまでの杜氏さんの努力や苦悩が言葉にならないと、世の中つまらないと思うんです。
ただ飲むだけではわからない背景を、少しでも知ったうえで味わってほしいなと。
八百屋さんと一緒に農家見学に行った際も、野菜に込められた情熱を感じ「高い」と思われがちなオーガニック野菜には、大変な苦労が詰まっていると知りました。
その背景や気持ちを表現することで、読み手に物の本質や魅力を伝えられるのが理想です。
ーーすてきな視点です!文章を書いて「想い」を届けたいと考えているんですね。
そうなんです。
文章には、読み手の感性に響く力があると考えています。
通り一遍の情報ではなく、物を作る人が大切にしている気持ちを伝えれば、相手にもっと深い感動が届くと思うんです。
文章を書くときに、よりよく伝わるよう表現方法を試行錯誤するのは、物を作る人を「想って」 いる時間なんですよね。
ライターは仕事のなかで「想う」時間を持てる、幸せな職業だと感じます。
ライターとしてのこれから
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ーー今後、特に書いてみたいジャンルはありますか?
まずは、私が好きなお酒のジャンルですね。
初心者におすすめしたいお酒を紹介する記事を書きたいです。
私がずっと続けてきたお花関連では、ウェディングや企業パーティーのお花、生産者さんにスポットを当てた記事にしたいですね。
ほかには、お花のイベントをきっかけに介護の仕事にも携わった経験があるので、介護職の記事にも挑戦できたらと思います。
実際に働いてみると、とても楽しくて介護職のイメージが変わったんです。
ポジティブな面も多いので、介護職員さんの心に寄り添った記事で、福祉業界のイメージアップに貢献したいですね。
ーー早紀さんの人に寄り添う優しさが伝わり、お仕事をされている皆さんの力になりますね。さまざまな世界に飛び込まれた早紀さんだからこそ書けるジャンルです。
以前は職歴の多さをコンプレックスに感じることもありましたが、さまざまな経験でライターとしての引き出しが増えたので、ポジティブに捉えるようになりました。
どのテーマでも自分の好奇心を活かして興味深く掘り下げられるのが、文章を書くうえで強みになると思います。
ライターは、私にとって幸せな働き方だと実感しています。
ーーライターの仕事を得たこれから先は、どのような生活がしたいですか?
今一番したいのは親孝行ですね。
両親と離れて暮らしているので、会いに行って一緒に過ごす時間をゆっくり持ちたいです。
旅行をして、私は日中仕事 、両親は観光して夜は一緒に過ごす。
こんなフレキシブルな生活を実現できるのが、ライターの魅力だと感じています。
人生のちょっとした隙間時間も一緒に過ごして、楽しめるようになりたいです。
あとがき
「圧倒的好奇心から得た経験が糧となり、ライターとして活きている」と語る早紀さんの希望にあふれる瞳が印象的でした。
家族を大切にし、人に寄り添う優しい早紀さんが伝える「想い」の文章は、多くの人の心を震わせ、ものごとの背景に目を向けるきっかけとなるでしょう。
▼川村早紀さんのnoteはこちら