Fichronicle #58『都会的な店で その8』
カレーを買った。スープも買った。
これで良いかなと思ってレジの方へ近づこうとする僕の前に現れたのは、あるポピュラーな飲み物だった。
(サイダーだ。)
そこには瓶に入ったソーダが竹か何かで出来た植物性のカゴに山々と置いてあった。
(このデザイン、良い!)
僕がそう思ったのはこのサイダーのパッケージの素朴さだった。ラベルには大きく「サイダー」とだけ書いてあり、他は説明書きがひょっこりとあるだけ。
モダンかつ素朴なデザインは優しげで、そして、とても魅力的だった。
僕はサイダーをカラカラリという少し高い音を周囲に響かせながら手に取って、慎重にかごへ入れた。
次回へ続く。
機材代に使います