Fichronicle #49 『画面越しの歓声』
2021年4月10日(土)。
今日は初めて名前を聞いた、どこかの公園でフェスが行われる日。
会場のまでの距離は知らない。新幹線とか電車を乗り継いで行く場所だと思う。
行きたかったフェスの話をしているように見えるけど、僕は今3m前にあるテレビ画面から会場のリアルタイムの模様を観ている。
会場は人でたくさん。まだライブは開始前で主催団体の中の人が前説をしていた。
「今回は初となる、リアルとオンラインを融合したハイブリッド型のフェスですね」
「はい。以前からこういったことをツアーの中で行うミュージシャンはいましたが、うち主催のフェスとしては初の試みですね」
「配信では、映像で観るからこその演出やアーカイブもあるらしく楽しみですね」
という会話が聞こえて来た。
よくよく考えると、こうした前説も映像だからこそだよな。
このお二方の解説の次は、現地の物販の様子を伝えるコーナーになった。
「物販コーナーでは出演ミュージシャンのCDやグッズを販売しております!!配信でご覧になられている方も、オンラインショップで絶賛販売中ですので、ぜひご覧ください!!」
とリポーターの方が話す。
あと1分だ。画面には音楽と共に開始までの時間を伝えるデジタル時計が表示されている。
スタートだ。
機材代に使います