Fichronicle #36『Home』

仕事始めで家族はみんな会社だから今、家には僕だけだ。僕はまだ休暇を頂いている。家族が外に出ているので僕は洗濯物をタンスへ入れたり、部屋を掃除をしたりと家事をしていた。
11時頃になってお腹が空いてきた。昼食を作ろうか。本当はコンビニとかお弁当屋に行って買うのもありだけれど、せっかくなので自炊をしようと思う。自炊っていつ以来だっけ。



そう思って調理した。今日の献立はじゃがいもとわかめ、えのき、油揚げが入った味噌汁とあおのり入りの卵焼き。あとレタスとハムのサラダ。ドレッシングは家にあったしそ味のもの。サラダは簡単だった。茹でたりしないから。



換気扇の音が聞こえる中、味噌汁を器によそう。その時お玉から少し鍋へ戻るものがあった。その音や鍋の中にある味噌汁から出る湯気に家庭的なものを感じた。こういう感覚になるのは初めてだった。なんとなくだけど、世界がいつもより4K映像のようにくっきりとした姿に感じた。

やっぱり自分で作ったご飯は普段以上に美味しいな。そしてあおのり入りの卵焼きは個人的にお気に入りのレシピの一つだと思った。



昼食を食べてからは、明日から学校が始まるからと備品の準備を始めた。一通りリュックに入れて、台所にある水筒の確認をしてから、さっきからしたくてそわそわしていた、コーデを何にするかの時間にした。
コートはもちろん着る。アウターとトップスをどうしよう。そう思って色々試した。今年の気候とかも頭に入れて何通りか着て、5パターン目のコーデにした。あんまり時間はかからなかった。



なんだか小腹が空いて来たから餅を焼いた。僕は餅が好きだ。特に理由はないけど餅が好きだ。15分くらい待って皿に載せた。いつものようにテーブルに持っていて、もくもくと食べていた。

調理の程度なのだろうか。そもそも関係あるのか分からないけど、餅から映画館のような香りがした。こういう事がたまにある。
なんでだろ。分からない。分からないけど、11月に好きな女優さんの映画を観に、映画館へ行った時に上映が行われる部屋へ向かう際の事が頭に浮かんだ。とても良い作品だからまた観たいな。

明日から学校だ。気候のこともあるしホッカイロも持って行こう。

機材代に使います