Fichronicle #48『歌』
2021年4月3日(土)。
少し前に放送してた音楽番組の何回目か分からないリピートをしていた。
“音楽大国ドイツ”のストリートミュージシャンを取り上げた番組で、最近音楽マニアのようになりつつある、僕にとっては興味が湧く内容だ。
その中で僕はとある音楽家の存在を知った。
この番組の取材を受けるミュージシャンが口々に彼の名を言う、そんな人物。
彼の歌にある
過去を振り返るな 今は多くを知っている
この歌詞を読んで、ハッと させられた。ずっと分かってはいた。過去より今の方が良いって。
戻りたいとはとても思えないのに、何故か過去という時間に対して、ある時から美しさを見出すようになった。
今でも信じられないし、昔の僕が聴いたらもっと信じられないと言いそうだ。
でも、どうして僕は過去を美しく見るのか。
それは過去の美しい部分だけを見ていて、その時代の大半であった対の部分を考えず、過去という、水平線の向こうで起きた出来事だから僕はそう思うんだ。
僕の心はよく分からない構造をしていると思う。
この歌詞を見てから、過去について思う気持ちも少しは変わった。過去を美しく見ようと僕は現在時刻の1秒先へ行くのだ。1秒先が僕の居場所だ。
過去は記憶のアルバムに入れて、僕は未来に行くよ。
機材代に使います