Fichronicle#59『都会的な店で その9』

食料品をかごに入れた僕は、レジの方へと歩き出す。


20歩くらいだろか。それくらい歩を進めた先で湯気をほわほわ〜と漂わすスペースがあった。

気になったので近づいてみると湯気と共に香りも漂わしていて、詳細を確認するとどうやらアロマオイル対応の加湿器の実演のよう。
周りには金属製のキャップが付いた、たくさんのアロマオイル入りの瓶もあった。


(アロマオイル対応の加湿器、前から欲しいと思ってたけどサイズ的にもいいな。これなら部屋にも置けそう。)


今までアロマオイル対応の加湿器は電気屋さんやネット通販で見かけたものの影響からか大きなもの、というイメージがあった。
でもこれはコンパクトな円筒形で机の上にポンと置いておけそう。


(ところで価格は、、、)


どうやら5,000円らしい。僕の日常的な買い物における、一品あたりの金額にしては結構高い。

(どうしようか。)


香り付きの湯気と共に思案していると横に素朴な見た目をした、丸い物体があった。


(なにこれ。)

初めて見る物体に少しの驚きを持ちつつ説明書きのカードを読んでみると、どうやらこれは陶器らしくて、この丸い物体にアロマオイルを垂らして香りを楽しむモノ、と書いてあった。

(これなら買える、、、!!)

僕でも買える価格でなおかつ魅力的なデザイン。ヤシの木や文明発祥の地を感じるような、暖かみのある雰囲気で良い。


(これにしよう。)


文化のトレンドに乗るのもまた娯楽の一つ。という事でチャージ式のカードで支払いをすると僕は家路に着いた。


次回へ続く。

機材代に使います