バレンタインデーの苦い思い出

もうすぐバレンタインデーですね。
この時期に、毎年思い出すこと。

中学生のときの話。

小学生のころからずっと好きだった男の子がいました。
勉強も運動もできて、真面目で優しくて、いつもみんなの中心にいて、漫画に出てきそうな男の子。ずっと友達として仲良くしていました。

3学期に入り女の子たちがそわそわしだすころ、友人がその男の子に「告白する！」と言い出だしました。

私は告白するつもりなど全くなく、このままの関係が続けられたらと思っていたのですが、急に焦りだしました。
そして、私も告白することを決意。

バレンタインデー当日。
チョコを渡すタイミングを逃し続けていたのですが、なんとか放課後2人きりになることができました。
グラウンドの隅で、多くの人がこっそり見ていたことにも気づかずに…。

彼は私の気持ちを静かに聞いて、返事をしてくれました。ひとつひとつ言葉を慎重に選んでくれたのが伝わってきました。
チョコを渡して、笑顔で別れました。

片思いは実らず終わりましたが、同時に友達を一人失うことになってしまいました。
告白の瞬間を見ていた人が、そのことをたくさんの人に言いふらしてしまったのです。

次の日から、会う人会う人に冷やかされました。
人目が気になるようになり、それ以降彼と話さなくなってしまいました。

彼もたくさんの人に冷やかされたのだと思います。
私のせいで、辛い想いをさせてしまったこと。
仲が良かったのに、話せなくなってしまったこと。
今でも後悔しています。

数年後、塾の外でばったり会ったのですが、そのときに彼のほうから話しかけてくれました。
少しだけ他愛もない話をしましたが、今でも記憶に鮮明に残っています。
なんてできた人なんだろう。

もう20年近く会っていないけど、幸せでいてくれたらいいな。