2023.08.20 魚島(愛媛県上島町)
この日も天気は晴れ。起きたのは6時半頃だったが、もう少し早起きして朝の空気を吸いながら、魚島港周辺を散歩したかったと思う。
この日の予定はまず一周6キロほどの魚島を自転車で一周し、昼過ぎ13時発の船で帰るつもりだった。
起きて少ししたら始発の船が出て行った。小型の高速船が港の中で回転しながら出発していく。
この船は土生港行き。隣の広島県尾道市の港。
遠くに見るのは広島県福山市。
客室を出て、魚島観光センターの4階に上がってみた。
昨日は暗かったのでよくわからなかったが、集落は住宅がかなり密集していることがわかる。
集落のあるところは急斜面。
丘の上に見えるのは小学校の建物。
出発の準備をする。
朝8時過ぎにチェックアウト。自転車旅ではもっと朝早くチェックアウトすることが多いが、この日は余裕を持った行程で、朝はゆっくり過ごしても問題ない。
魚島港周辺
宿をチェックアウトして昨日行けなかった魚島交流センターというフェリーの待合所がある建物へ。
中には卓球台があった。地域の小学生をここで卓球をしているようだった。卓球クラブの案内も貼られていた。
平成の終わりに作られたこの建物は中はまだ綺麗だった。
さて、島を一周の6キロのサイクリングへ出発。
魚島開発センターというのは もともと役場があった建物。
ここにまで四国4県の高速道路夜間通行止めのポスターが貼ってあったのだが、カーフェリーはこの島からは運航されておらず、あまり島の住民にとっては関係ないかもしれない。
掲示板には今度、8月末に行われるイベントの案内や、移動販売の予告があった。
さて、港の反対側から写真を撮ってみる。
ここで写真を撮ってると地元の方に話しかけられて、「最近はこの島に来る人が少なくなった。魚釣りをしてもあまり釣れなくなってしまったからか」という趣旨の話をしていた。また漁業が主な産業ではあるが、あまり若者は漁業やりたくないということで、担い手不足になっているという話も聞いた。
魚島一周(魚島港~亀居八幡神社)
魚島には島を一周する道路があり、今回はその道を走って時計回りに一周する。
小さい橋もあった。
地元の建設会社の資材置き場。
このように小さな地蔵が道路沿いに多くある。
島の東側に来たらうっすらと街が見えた。方角を確認するとおそらくこれは愛媛県新居浜市と思われる。
一周する道路は右側だが、左にも下りることはできる。草が生えていて、自転車では走れなさそうなので、自転車は置いて徒歩で砂浜まで下った。
すぐ近くには無人島もある。今度はシーカヤックを持ってきて島に渡るのも楽しそうだ。
もちろん対向車は1台も来ない。自転車でのんびりサイクリングする環境としてはとても良い。ただ、四国本土から来るのには時間もかかり、あまり来ることはできないが。
この無人島は瓢箪島という名前がついている。
結構急な下り坂だった。
ずっと細い道が続く。
ここから上り坂で、道は海から遠ざかる。ちょっとした山越えで標高は100m ほどまで上がる。
この島で初めて見つけた標識は、「警笛鳴らせ」だった。急カーブでヘアピンカーブなどもあって、いくつかこの標識が設置されていた。
急な上り坂で一気に標高が上がっていく。
木漏れ日の中を進むのだが、こういった場所で写真を撮るのはあまり得意ではない。どうやったら綺麗に撮れるのだろうか。
一番高いところまで来た。ここから少し寄り道する。
亀居八幡神社
注意 狭あい 車両通行不可
亀居八幡神社へ。
城山展望台
自転車を置いてここから展望台に向かう。
しばらく山道が続く。SPD シューズじゃないので歩きやすい。
NTT の後日お伺いいたします、という目印が設置されていた。
普段自転車に乗っているとこういった階段を上がることはあまりない。
少し景色が開けてきた。
ここは城山公園という。
携帯電話の基地局設備のようなタワーが見えてきた。
このタワーが展望台だった。使えるかどうかを不明だが、トイレも設置されている。
展望台に登ると、さっきまでいた神社や泊まっていた地区、さらにはしまなみ海道の橋や瀬戸内海を移動している船も一望できる。島の向こうには広島県側の造船所のクレーンらしきものも見えた。
ベンチもあるのだが、あまり使われていないような様子だった。
再び山道を歩いて自転車を置いたところに戻る。
途中で登山道が倒木で通れなくなっているところもあり、道は少し分かりにくかった。
途中には小さな小屋もあった。
石鎚神社
また自転車に乗って、島を一周する道路に戻ってきた。ここの交差点を直進すると、石鎚神社という別の神社がある。こちらの石鎚神社にもお参り。
魚島一周(亀居八幡神社~魚島港)
ここからは港まで下り。100mの標高差を下っていく。
舗装状態が悪いのであまり飛ばすと危険。下り坂ではあるがゆっくり走る。
ここは水仙通りという名前がついている。
まだ合併前の名称である魚島村との表記が残っていた。
ここで一旦、魚島小中学校へ寄り道。
魚島小中学校。離島の学校ではあるが、鉄筋コンクリート3階建ての立派な校舎だった。
学校までの道は苔が生えていて、滑りやすそうな路面だった。
再び島を一周する道路に戻る。
少し進むと久々に海が見えてきた。水は朝補充したのだが、この日の気温は30℃を超えていてあっという間に水が減り、喉は乾いたのだがボトルの中には水がない状態になってしまった。急いで自販機のある、港に戻らなければ。
ドアが半分壊れている建物があった。水道関係の施設だった。
100m の標高差を下り終えて、人が住んでいるところまで戻ってきた。
ここで左に行くと何があるのかと気になって左折してみる。港は右方向。
このブロック作りの建物は何なんだろう。
左に行ってみると、予想通り道は行き止まり。
随分と険しい地形なのがわかる。
これは魚島の伝統的な漁法であるタコ壺漁に使われるもの。
手すりが赤色。屋根とシャッターが緑色の派手な色の集会所があった。
ここから魚島港までは1kmほどで、ずっと平坦な道のり。
ここは海水浴場として泳ぐこともできる。海がとても綺麗だった。透き通っている。
雲ひとつない、青い空の中自転車で走るのはとても気持ちが良い。
島の中心部のビル群が見えてきた。
4階建ての団地もある。
こちらは老人ホーム。
団地の1階部分に駐在所があった。ここには公衆トイレもあり、トイレを借りる。
横には公園もある。離島とはいえ、駐在所のすぐ前に公園があるのは子供にとっては安心。この日は暑かったので誰もいなかった。
時刻は12時20分。フェリーは13時発なので、帰る時間が迫ってきた。1周6kmの小さい島ではあるが、もう少し滞在したかった。
魚島港に着いた。少し集落の中を散歩してみる。
自転車を置いていく。
魚島階段散歩
狭い道が多く、階段は人一人がやっと通れるほど。階段を歩いていると空き家も多く見かけた。
上から集落を眺める。左には昨日泊まった宿の魚島観光センターが見える。
狭い路地を歩いていると旅館を発見。今では魚島観光センターが唯一の宿となっているが、昔は他にも旅館があったようだ。
狭い土地に住宅が密集している集落ではあるが、小さな畑も見かける。
ここにもお知らせの掲示板を発見。10日後の8月30日にビアガーデンと花火大会を予定しているようだ。離島でも徐々に日常が戻ってきているように思う。
タコ壺を別の目的でも使っていた。
こちらは昔使われていた船の待合所。よく見てみるとダイヤが書かれた看板が残っていたが、今では美容室として再利用されているようだった。
ここは唯一の自販機があることもあり、待合室では地元の人たちが集まって話をしていた。
さあ急げ 笑顔がそろう 五分前
魚島村教育委員会
観光センターの横にあったこの壁のようなものは何なのだろうか。
魚島郵便局は日曜日だったので営業していない。キャッシュレス決済に関する案内もあり、離島でもキャッシュレス化は進んでいるようだった。いや、むしろ離島の方が現金回収の手間を考えると、キャッシュレス決済が有効なのかもしれない。
フェリーの出発まで15分前となってしまったが、観光センターに一度立ち寄りこれから帰りますと挨拶しに行った。本当はここでご飯を食べる予定だったのだが、島を走っているとつい楽しくてギリギリになってしまった。
レンタサイクルは電動アシストのママチャリタイプ。これは上島町が運営している。5時間1650円で借りることができる。自転車を持ってこなくても、このレンタサイクルを借りれば島は一周できるが、1台しかないので注意が必要。
ギリギリの時間まで観光センターのスリランカ人のスタッフと話していて、船出発数分前にやっと向かう。船が出発してから切符を買えばいいことになっているので、事前に買う必要はない。
🚢魚島~弓削
小さい島ではあるが楽しくて、もっと長い間滞在したかった。
13時出発。
船が回転しながら港を出て行く。もしかしたらもうこの島に来ることはないのかもしれない。
同じ船に乗っていたのはおじいさんとその孫2人。魚島地域交流センターで卓球をするため、上島町の別の島から来たようだ。
そのおじいさんに話を聞いたが、「60年以上この周辺の島に住んではいるが、1回も魚島に来たことはない。今回は初めて」とと話していて、なかなか周辺の人でも来ないということがわかった。
あっという間に魚島が遠ざかっていく。時速40キロを超えるスピードでさっきまでいた場所が小さく見えてくる。
この船は本来の時刻表上は高井神島にも立ち寄る便なのだが、この日は乗降客がいないということで通過だった。
遠くに小さく見える島が魚島。20分ほど前までいた場所なのに、ずいぶん遠くに感じてしまう。
弓削島が見えてきた。帰りはあっという間に感じられた。
弓削島も東側は険しい地形ということがわかる。以前2022年6月に弓削島を折りたたみ自転車でほぼ一周したのだが、アップダウンは激しかった記憶がある。
左に見えるのは佐島。
船は弓削大橋をくぐる。
小さい船なので、高さの面では全く問題がない。
右に見えたのは国立弓削商船高専。中学生の頃に進路指導の掲示板にここのポスターが貼ってあって、名前だけは知っていたが、愛媛県にあるということは当時は知らなかった。あと読み方もこれで「ゆげ」と読むのは知らなかった。
白い建物は上島町役場。
佐島と生名島を結ぶ生名橋も見えた。
いよいよ弓削港へ。
13時40分に到着。これから今治行きの船まで約2時間待ち。近くの店で昼食、終わってからはサイクリングをして待とうかと思う。
待ち時間に弓削島・佐島サイクリング
この2日間車が少ない島にいたので走っている車がとても多く感じる。今治や松山に比べたらかなり少ないのだが。
カフェで昼食。店内には郷土資料も多く、弓削町の町史も置いてあった。しまなみサイクリングのガイドブックも待ち時間に読んでいた。
チキンは甘めの味付けで良かった。ぜひおすすめしたい。ドレッシングが美味しかったので買って帰ることに。
まだ待ち時間が1時間以上あるので、隣の佐島に行くことにした。
その前に上島町役場の周辺を少し走る。大気を測定する装置が設置されていた。
ここのラーメン党というお店は以前行ったことがあった。この店名ではあるが、お好み焼きが美味しかった。
これから前方に見える弓削大橋を渡る。
弓削大橋を渡りきって佐島に上陸した。
少し走ると分岐があった。行ったことないので行き止まりの道に向かう。事前にリサーチしていたが、終点は最終処分場のようだ。
所々で見える海の景色が綺麗だった。
最終処分場に到着。ここで引き返して再び弓削港へ。
向こうに橋が見える。
昔商店だった?建物には佐島しまのひろばという無人での野菜販売所がある。またいらなくなったものを譲るコーナーもある。
ここから帰りの船に乗っても良かったのだが、弓削からの帰りのチケットを買ってしまっているためせっかくなので弓削港に戻ることに。
見た目は郵便局には全く見えないが、これが佐島簡易郵便局。
弓削大橋に向かう。その前に生名橋と愛車を撮影。
弓削大橋の上から撮影。青空が気持ちいい。
1時間ほど前も通った道なのだが、橋の右側と左側で見える景色が違うので走っていて楽しい。
船の中で食べるアイスを買い、乗り場へ向かう。「タウン情報まつやま」にも上島町のことが特集されているので、帰ったらまた見てみよう。
🚢弓削~今治
16時13分に出発。今治までは1時間の船旅。
サーティーワンのピスタチオアイス(300円)を買ったので解けないうちに食べる。
途中までは乗客は少なかったが、途中の岩城港で高校生が大量に乗ってきた。どうやら釣りの帰りのようで、今治に向かうようだった。また、他にもサイクルジャージを着た人が乗船していて、3台ほど他に自転車が載っていた。
2023年現在は上島町民以外でサイクリング目的での乗船を対象に、上島町へのフェリーでの自転車輸送料金を無料化するかみじまサイクルフリーという事業が行われていて、本来580円かかる今治から弓削までの自転車料金がかからない。
波の低い海を進んでいく。
伯方島の木浦港にて。
自転車は外に置くようになっている。乗船中は自転車置き場への立ち入りはできない。
1時間ほど乗船し、今治の街並みが見えてきた。
ズームすると今治国際ホテルも見えた。愛媛県で最も高い建物なので目立つ。
1時間と少しで乗船で今治に到着。これから電車の時間までまだ待ち時間があるので、少し今治を観光しようと思う。
今治ポタリング
今治のフェリーターミナル。
しまなみ海道の開通で今治市内の商店街は大きな影響を受けたようだった。今では閉まっている店も多い。
いまばり銀座の商店街は広々としていた。
商店街を走ってどんどび交差点へ。ここで一旦引き返す。
小さな川のギリギリまで建物が建っている。
バーやスナックなど多く並んでいる。
日曜の夕方だったので、あまり人は見かけなかった。
昔はパチンコ店だった建物。
今治のVISAGEというファッションビル。閉店してから10年以上そのままの状態だ。
商店街を走ってみる。古いビルが多く並んでいる。
スーパーマリオの看板を発見、30年以上前のものだろうか?ファミコンと書いてある。
VISAGEの中にあったポスターは一昔前のデザインのように感じられた。好きなインテリアと一緒にと言うと家具も売られていたのだろうか。
駅前の大通りで今治駅へ向かう。電車の時間を調べるとちょうどいい時間に自転車を袋に入れなくて良いサイクルトレイン対応の普通列車がなく、自転車を袋に入れ手間をかかるが特急列車に乗るしかない。
2022年10月のサイクリングしまなみ2022の時に使われた記念撮影のボードがあった。
今治駅前は自転車を袋に入れる輪行の作業をできるスペースも広々と取られている。さすがしまなみ海道の玄関口。
木を使ったサイクルスタンドが展示されていた。おしゃれだが、家にはさすがに置き場所がない。
🚃今治~松山
18時47分今治駅発しおかぜ19号で松山駅へ。
乗車中に日が暮れ、夕焼けが見えた。
40分ほどの乗車で松山駅に到着。同じ愛媛県でありながら、なかなか行くことのできない高井神島と魚島という2つの離島に行くことができて、今回はとても良い旅だった。次は今回時間の都合で行くことができなかった、豊島という美術館のある無人島に行ってみたい。
JRのサイクルピットで自転車を組み立て自宅に向かう。最近、自転車以外に予定が土日に入ることが多いが、次はこうやって自転車に旅できるのはいつになるのだろうか。本音を言うともう少し自転車に乗りたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?