2023-2024年越し自転車旅@クロアチア
なぜ、クロアチアへ?
2012年(当時は中学3年生)の夏休み。受験勉強もまともにせず、Googleマップを特に意味もなく眺めていることが多かった。フランスのブルターニュ地方、韓国の全羅南道…など海外の大都市ではない地域を眺めるのが楽しかった。
その時、旧ユーゴスラビア地域というのを知った。その中でもクロアチアの海沿いが複雑な海岸線、きれいな景色で楽しそうだと思った。どこか自分の出身地である山陰地方にも似ているように感じたのも気になった。
いつか、大人になったらお金を貯めて行こう。行くための交通手段等は全く考えていなかったが、そう思っていた。その後高校、大学と進学し、クロアチア旅行の計画を立てていたことは時がたつにつれて忘れてしまっていた。
ヨーロッパ行きを計画した中でのコロナ禍
2020年1月。高校の同窓会があったのだが、留学経験があり海外にとても詳しい同級生が「来週から1ヶ月間、ヨーロッパに行ってくる」と飲み会の席で話をしており、「いくらで行ける?」と聞いたら10万円で往復できるとの返答。(コロナ禍以前は安かった…)
中学生の頃にクロアチアに行きたいと考えていたことを思い出し、その人にも聞きながら「数年以内に行こう」と具体的な計画を立て始めた。元々計画していた台湾一周自転車旅が終わったら次はクロアチアに自転車旅、と考えていた…。
しかし、コロナウイルスが発生し2年間も国境が閉ざされてしまった。2020年も、2021年も行けなかった。2022年は国境は開き始めたとはいえコロナは5類ではなく、会社の人に「海外旅行に行ってきます」とは言いづらい雰囲気が残っていた。さらにウクライナ情勢の悪化や物価高、航空便の減便で航空券の価格も数年前の2倍以上になっており、とても行ける状況ではなかった。
どうやってクロアチアに行くか?
2023年、周りでも海外旅行に行く人が徐々に増えてきたので、ヨーロッパ行きの航空券を調べ始めた。10月初めにいつものように調べていると「福岡~ウィーン(オーストリア) 往復14万8000円」の航空券を発見。愛媛県在住の自分にとってはJAL松山~福岡便か松山・小倉フェリーで福岡に行き、福岡空港から海外に行く、というのもよい。
14万円台というのは物価高・円安の今ではとても魅力的だ。しかも搭乗した経験があり、自転車追加料金がかからないエバー航空だった。出発3ヶ月前の2023年10月1日夜、航空券を購入。
計画した経路は以下の通り。松山~福岡や現地移動を合わせた交通費は合計で23万円となった。
(往路)
松山空港
<JAL飛行機>
福岡空港
<エバー航空 飛行機>
台北桃園国際空港
<エバー航空 飛行機>
ウィーン国際空港
<空港連絡鉄道>
ウィーン(オーストリア)
<バス>
シベニク(クロアチア)
(復路)
ドゥブロヴニク(クロアチア)
<クロアチア航空>
ザグレブ(クロアチア)
<高速バス>
ウィーン(オーストリア)
<空港連絡鉄道>
ウィーン国際空港
<エバー航空 飛行機>
台北桃園国際空港
<エバー航空 飛行機>
福岡空港
<JAL飛行機>
松山空港
ウィーンからクロアチア方面も飛行機で行きたかったのだが、オーストリア航空の航空券は高価で自転車の追加料金もかかるため、Flixbusという高速バスを使うことに。
どうやって自転車を運ぶか?
自転車店で入手した箱(3辺合計238cm)に入れることにした。その中に国内線の飛行機輪行でいつも使っているモンベルの輪行袋に自転車を入れ、そのまま箱の中にしまうことに決定。
段ボール箱は現地空港で捨てることとし、帰りも現地の自転車店で箱を探すことにする。モンベルの飛行機輪行袋は空港から最終日の宿まで郵便で送る予定だったが、実際は郵便局が営業しておらず送ることはできなかった。走行中もリアキャリアの上に輪行袋を載せていた。
また、ヨーロッパでの高速バス移動の際も鉄道用ではなく飛行機用の輪行袋を使っていた。(サドルを抜くため、高さが抑えられて横に倒さずにトランクに収納できる)
走行ルートの決定
自転車で走れるのは日程の都合上、4日しかない。1日80km走るとすると80×4=320kmほどのルートが最長となる。北緯43度(札幌と同緯度)の地域であり、冬至に近い12月下旬では明るい時間は短いことも考慮(7時半日の出、16時半日没)し、普段より短めの設定とした。
ドゥブロヴニクの市街地を一望したり、クロアチアとボスニア・ヘルツェゴビナの国境を自転車で通過してみたいと思っていた。サイクリングのルートを計画するサイト (Komoot) で線を引いてみると、シベニク (Šibenik) 発~ドゥブロヴニク (Dubrovnik) 着が300kmほどでちょうどよさそうだ。
装備の決定
自転車
今回のツーリングは全行程、宿を予約して行くため本来はパニアバッグまでは不要なのだが、お土産が増えることや飛行機輪行用の輪行袋を載せて走ることを考えてパニアバッグのスタイルにした。台湾一周はパニアバッグではなくサドルバッグ+フレームバッグで行ったのだが、容量不足に悩まされたので今回は余裕を持った装備とする。
服装
ウィーンは日本でいえば東北並み、ドゥブロヴニクは日本でいえば九州南部並みの気温のため、地域により必要な服装が異なる。しかし、ウィーンの市内をサイクリングする予定は当初なかったため、関東~九州平地部の真冬に対応できる程度とし、基本はこの服装とした。走行中の気温は0℃~15℃を想定した。なお、ダウンジャケットは本来は自転車用ではないが、軽くて持ち運びがしやすいので今回の旅で活用する。
(上)
・ダウンジャケット →気温に応じて脱着
・パールイズミ15度対応サイクルジャージ
・モンベルジオラインExp.
・モンベル ジオラインクールメッシュ(毎日洗濯)
(下)
・サイクルズボン
・パールイズミ 5度対応サイクルタイツ
・パンツ(速乾性のあるもの)
(靴下)
モンベル ウォーキング用メリノウールソックス
事前準備
自転車
北海道ツーリング中にスポークが折れたことがあったため、事前にスポークの振れ取りは近くのショップにお願いした。(結果としては振れはなかったのでほぼ作業無しだったとのこと)
シフトワイヤーは出発1ヶ月前、ツーリング中に切れたので、その際に交換しておいた。もちろんシフトワイヤーは予備を持参することに。
パスポート申請
日程に余裕を持って2ヶ月前くらいに申請する予定だったのだが、本籍地が他県で、マイナンバーカードを使ったコンビニ受け取り非対応の自治体であったため、戸籍謄本の取り寄せや必要書類の収集に時間がかかり、結局受け取れたのは出発1ヶ月前を切ってからだった。松山市のパスポートセンターで申請した。
携帯電話
Amazonでヨーロッパ対応のプリペイドSIM(10GB)が売られており、それを買って差し替えることにした。使っているスマホはSIMフリーのPixel7で、差し替えることは問題なかったが、キャリアで買ったスマホの場合はSIMロックが解除されているか確認が必要。
GARMIN(ナビ)の地図
普段から自転車用カーナビとしてGARMINを使っているのだが、使用している機種は無料で海外の地図をインストールできるようになっていたので活用した。国単位ではインストールできず、中央ヨーロッパ全体の単位でインストールしたためファイルが重かった。
インストールには成功し、クロアチアの地図が表示されるようになったのが嬉しかった。
その他
治安を考えて、服の中に隠せる薄型のサコッシュを購入し、その中にパスポートや財布を隠すことにした。今回の旅で事前準備をするにあたり、新たに買ったものはこのサコッシュを除いてはほとんどなかった。