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『臨床工学技士』って知っていますか?

皆さん、おはようございます。
本日は先日、投稿させていただいた第1回目の記事『医療系国家資格の種類』で述べました『臨床工学技士』についての詳しい話をしていきたいと思います。

1. どんなお仕事?
(1)勤務する施設
主な勤務施設は大学病院や総合病院などの医療施設です。
また、(こちらはそう多くありませんが…)医療機器メーカに就職する場合もあります。
※医療施設=大学病院・総合病院・医療センター・透析クリニック・精神科クリニック
(2)仕事内容
・血液浄化業務(透析室・ICU)
・医療機器管理業務(ME・CE室)
・人工心肺関連業務(手術室)
・心カテ業務(心臓カテーテル室)
・高気圧酸素治療業務(高気圧酸素治療室)

簡単なお仕事の話はこんな感じですが、意味不明な点がいろいろ出ていると思います。それも含めて、話していきますね!


2. 血液浄化業務
血液浄化とは一般的に、腎臓(身体に流れている老廃物を尿として排出するために重要な役割をする)の機能が低下してしまった患者さんに対して、汚れた血液を綺麗にする治療のことを差します。
この血液浄化療法を行う機械を『血液浄化装置』と呼び、装置の設置・操作・管理を行うのが臨床工学技士となっています。
【(2)仕事内容】には透析室・ICU勤務と記しましたが、病棟へ『出張』と言う形で装置を移動させて行うこともあります。

3. 医療機器管理業務
医療機器管理と聞くと、病院中の全ての医療機器を管理する気がすると思いますが、実はそんなものではありません。
臨床工学技士が管理・メンテナンスできる医療機器には限りがあります。
勿論、学校などで一通りの医療機器(X線照射装置・MRI装置を含む)について学びますので機能や仕組みについての知識はあります。
ですが、放射線領域の医療機器(X線照射装置・MRI装置・心電計・脳波計・超音波診断装置など)に関しては、基本的には診療放射線技師や臨床検査技師の管轄ですので、臨床工学技士が管理することはありません、。
(では一体、何を管理するんだよ?!)と思いますよね?
臨床工学技士が医療機器管理業務で管理するのは、今あげた医療機器以外の医療機器(人工呼吸器・AED・輸液ポンプなど)です。
※医療機器に関しての説明は、いずれ記事として出しますので安心してください!

4. 人工心肺関連業務
人工心肺関連業務では、主に手術室での勤務となります。
また、こちらは心臓カテーテル業務と密接している業務でもあります。
(人工心肺とは何ぞや?)と言う方もいらっしゃるでしょう…。
人工心肺装置とは、心臓の手術中に心臓の代わりに全身に血液を送ってくれる装置のことです。
これがあるからこそ、現代の心臓手術を行うことができるのです。
この装置の操作やメンテナンスを行うことができるのは、病院中でも臨床工学技士のみです。
ですから、仮に臨床工学技士が揃って仕事をさぼったりしたならば心臓の外科手術を行うことができなくなってしまうのです。

5. 心カテ業務
心臓カテーテルに関しては、割と知っている人も多いかと思います。
なぜならば、最近は狭心症などの冠動脈疾患を抱えている患者さんが増えていますからね!
ですから、(少しは聞いたことありますよ!)と言う方もいらっしゃると思います。
心臓カテーテル業務と言っても、心臓カテーテル検査と心臓カテーテル治療・手術と言うものがあります。
心臓カテーテル業務に携わっている臨床工学技士は、この3つ全て行うことになります。
簡単な解釈としては…
心臓カテーテル検査=血管内に管を通して血液の通りを診る
心臓カテーテル治療=血管内に管を通して電気やコイルを使って血液の循環を正常化する
心臓カテーテル手術=血管内に管を通して人工弁などの設置をする
といった感じです。
そのほかにも様々な業務が含まれていますが、こちらの業務に関しては、より専門性が高いので詳しい話は別の記事にさせていただきますね!

6. 高気圧酸素治療業務
高気圧酸素治療に関しては、(もはや何語?)となるかも知れません。
ですが、言葉の意味は割と簡単です。
高気圧は文字通り、高い気圧です。
酸素治療に関しても、文字通り、酸素を用いた治療と言う意味です。
高気圧の酸素治療……酸素濃度の高い場所で身体に高気圧をかける治療法のことをそう呼びます。
『潜水病』と調べていただけたら、すぐ分かると思います。
少し難しいかも知れませんが、画期的な治療法でもあるのです。

7. 臨床工学技士の言葉の意味について
こちらの話は最初にした方がよかったと思いますが……
皆さん、資格にはそれぞれ名前に意味があることはご存じでしょうか?
例えば(教師=教える者)と言ったように、臨床工学技士にもちゃんとした意味はあるのです。
まず、『臨床』は医療現場や医を行う場所と言う意味です。
『工学』は分野の話で、工学的分野の業務をしますと言う意味です。
つまり、臨床工学技士は『医学(臨床):Medical、Clinical』と『工学:Engineering』のハイブリッド分野の職業と言うことです。
医学と工学の2つの知識を身に着けた者にしか務まりません。
と言っても、文系上がりの人も看護師の人もいたりするので、割とできてしまうのかも知れませんね。
とにかく、臨床工学技士(Medical Engineer、Clinical Engineer)は病院の電気屋さんみたいなものなのです。

8. 次回以降の記事について
次回以降の記事についてですが、早速お勉強のお話をさせていただこうと思っています!
投稿日から順番に見ていけば、必ず理解できるはずっっ!

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