「お星さまは知っている」(と「空気人形」)
朝の子供番組「シャキーン!」の新しい歌「お星さまは知っている」。前にとりあげた「みんなのうた」の「魔法の料理」と同じくらい泣ける。
1番は、おばあちゃんののんびりした姿に憧れる「おんなのこ」の願いを。2番は、桜の木の衰えない美に憧れる「おばあちゃん」の願いを。3番は、人形の一年中可愛がられる姿に憧れる「桜の木」の願いを。そして4番は、こういう願いを。
♪おにんぎょうはおもう あのおんなのこになりたいよ
だってこのからだはつくりもの おおきくなれない
ああおほしさま ねがいをきいて
すてきなおとなに そだってく
おんなのこになれたらいいのに
※作詞 小山哲朗・ブルースカイ
「ないものねだり」は負の意味でとらえられがちだけど、誰かが誰かに憧れる、というのは、誰もが誰かに憧れられるものを持ってる、ということかもしれない。そして、人形が生身の女の子に憧れるものが「大きくなれること」や「素敵な大人に育っていけること」だというのが、こういうブログをやってる者としては、複雑な気持ちだ。
(初出「痩せ姫の光と影」2010年9月)
この記事に「人形」つながりでこんなコメントがついた。
「いまさらですが『空気人形』のDVD観ました。空虚な部分を必死に何かで埋めようとする、皆が他人には見せたくないであろう姿が詰まっていて、苦しくなるんだけど、なんだか安心しました。自身の存在の虚しさは、多くの人が同じように抱いているのだとわかって。まあ、映画自体はファンタジーですけども」
映画「空気人形」については別のサイトで感想を書いていて、この人はそれも読んでくれてたはず。心を持ってしまったために、人形としても人間としても、不完全な状態で葛藤するヒロインの姿が、痩せ姫に通じるような、と綴った覚えがある。