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宝生舞①モノクロの輝き
宝生舞が引退したということで。96年刊行の写真集「宝生舞+篠山紀信」を紹介してみる。
サブタイトルは「私は私がわからない。」。そういえば、エッセイ集のタイトルは、『私はゴミ箱になりたい』だったっけ。
引退にあたって、
「これからの人生、『宝生舞』としてではなく、また『役』としてでもなく自分自身をしっかりと確立させるため、この決断に至りました」
と説明した彼女。ずっと自分探し的な葛藤を続けてきたのだろうし、一時の激痩せも、この写真集も、その流れのなかで、大きな意味を持っている。
カラフルな芸能界では表現しきれない、彼女の苦悩が、モノクロ写真の世界で不思議な輝きを醸し出しているように思えて、個人的には、かなり好きな作品です。
(初出「痩せ姫の光と影」2010年6月)