痩せ切るための休学~かすみ嬢の居場所(55)
迷いに迷って、でも、休学の手続きは取ることにしました。
こんなに太ってるのに、休みますなんて言ってもいいのかなって思いながらも、でも少し休もうかなって楽なほうに流れて。
学生のうちにしかできないこと、今しかできないことって何なんだろうって思った時、痩せることは今しかできないかなって思うのね。
望む職業に就くには、体力が必要でこのままでは受け入れてもらえなくて、そして私はその職業に就けないなら未来なんて要らなくって。もし将来を見据えるのなら、きちんと体重を増やさなければいけないこと。だけど、今の私はそれを許せないこと。
少しだけお休みをいただいて、痩せ切るまで痩せよう。
そうして、痩せ姫様の儚さを想って満足できたなら。それなら、それからは体重を少しずつ増やして、働くことが許されるくらいになりたいなって、そう思いました。
本当は、こう思うことが正しいことなのかわからないよ。
痩せたまま生きられるのならとも思うし、痩せていないなら死んでしまいたいと思う気持ちもありはするのです。
そもそも、体重を増やすことを受け入れられるかわからないもの。
服を着た時に「纏う」と言うよりも「布に埋もれている」ように見えるような痩せ姫になりたいなって、常々思っていて、そんな細さが本当は欲しくってたまらなくって。
でもね、細さを求めることをずっと続けられる一生をこれから送れるかわからなくって。もうひとつの夢を、なりたい職を諦める決心もつけられなくて。
どちらの夢も達成できていない状態で諦めざるを得ない状況に立たされたらってことを思うと、絶望した気分になります。
二兎を追い求めたいの。
我儘なことを言います。
でも、どちらも諦めがつききれないの。
どうにかしたいの。
どちらかと言えば、自由に身体をコントロールすることは学生の方がやりやすいでしょう。
ならば、今のうちに痩せたい。
誰に迷惑をかけることもしないから。少しだけ休ませて、少しだけ我儘を貫かせて。少しだけ、もう少しだけ痩せさせてください。私がもういいかなって思えるまで。
そのあとは、私の目指す夢を追いかけられるようになります。
逆に、どれだけ痩せてももういいやって思えないのなら、とことん痩せてそのまま死んじゃいたいな。それが私の夢のひとつです。
痩せたまま長く生きられる未来が、じつは見つけられなかったの私には。
でも、もういいかなって思えたら、その時は治せるように太ってもいいように覚悟を決められるようにして頑張ってみます。もうひとつの夢を追いかけたいの。
連投、ごめんなさい。
しばらくは何も考えずに、少し痩せる方向に頑張ってみるかなって。誰かに言わなきゃ気持ちを奮い立たせられないから、これは多分私の決意表明なのね。
本当の本当は、何が幸せでどうすればいいかなんかわからなくって。もしよかったら誰かアドバイスください。鵜呑みになんかしないから、アドバイスを聞いた結果とった行動の責任は全て自分で負いますから。
痩せてもいいのかな、もっと勉強頑張らなきゃなのかな。
(※ この「かすみ嬢の居場所」シリーズは、彼女が残した文章をもとに書いているものです。ここにて、アドバイスは求めていません。念のため)