「ガリガリ」と「ガイコツ」
「身長○センチなら、何キロぐらいがガリガリですか」
という趣旨の質問を、時々いただく。
かつて、負の形容だったはずの「ガリガリ」は今、憧れや羨ましさといった、正のイメージも何割か含むものになっているため、その人がどういう気持ちで「ガリガリ」という言葉を使っているのか、判断に迷うことがあり……
というか「ガリガリ」の示す幅が、広すぎる、ってことなのかな。そこで、あくまで個人的な方針として、「ガリガリ」の幅を、少し狭めて考えることにした。
大多数の女性が、ある程度羨んだり、憧れたりするのが「ガリガリ」。これに対し、大多数の人が、あそこまでは痩せたくないと感じるのが、たとえば「ガイコツ」なのかな、と。
両者の分水嶺がどのあたりにあるのか、明確には言えないが、スレンダー系の読モとか、最近の長澤まさみとかの細さが「ガリガリ」で、一番痩せてた頃の宮沢りえみたいな細さが「ガイコツ」なのかもしれない。
なお、世間的な意味での負の形容として「ガイコツ」を挙げただけで、僕自身は、そういう意味合いでは使わないつもりだ。どちらの細さにも、魅力を感じるわけだし。
(初出「痩せ姫の光と影」2010年6月)
これを書いてから14年。「ガリガリ」はますます正のイメージを持つようになった気がする。ただ、その分、痩せ願望を煽るなどとして、細い有名人が批判されがちな傾向も。どんな体型もアリだとする、真の多様化はなかなか実現しない。ましてや、誰もが自分の好きな体型で生きられる未来など夢物語というべきか。