見出し画像

そうなんでしょ?

コンビニの駐車場で、ごついおっさんが一生懸命に身をかがめて、バイクのハンドルに買い物袋をかけようとしている。

その姿を見て、ハッと何かを思い出しそうになるけど、もう少しのところでそれは言葉にならずに感触だけを残していく。

電車の中で、大学生ぐらいの男子が牛丼弁当の入った袋を持っている。

またハッと何かを思い出しそうになる、

それは言葉にすると多分

「もしかして、あなたも私と同じこころを持っているんでしょ?」だ。

もうちょっとのところで、本当に思い出しそうになってしまう、だけど妙な覆いで隔てられているように、それはいつも一瞬の感触しか掴めない。

ちょっとずつ味付けの違う体と頭と感情を割り振られて、まったく自分ではない人々のように見えている彼ら、の、その真ん中にあるこころ、

感情のことではない、そのもっと奥に分け入った透明なあれ、だ。

視点の、見ているその源だ、真ん中の、そう、その人。

それが実はあの人のも、この人のも、私のも全部「同じやつなのかもしれない」

いやまさか、とてもそうは思えない、だけどもしかしてもしかして。

そうなんでしょ?




応援してくださると、とってもとってもよろこびます♡