司法試験予備試験 行政法 最判昭48.4.26
問 題
Aは、債権者からの差押えを回避するため、自己の所有する土地および家屋を、Xに無断でX名義に所有権を移転する旨の登記を行った。その後、Aは、借金の支払いに充てるため、X作成名義の売買契約書を偽造して当該土地および建物をBに売り渡した。
ところが、税務署長Yは、登記簿の記載の変化から、当該売買からの所得をXの譲渡所得と認定して、Xに対し課税処分を行った。これに対し、Xは何かの間違いであるとしてしばらく放置していたところ、後になって滞納処分が開始された。Xは、当該課税処分について不服申立てをしたが棄却されたので、これにつき無効等確認訴訟を提起した(当該課税処分については不服申立て期間を徒過している)。
Xは、当該課税処分の無効を主張することができるか。
関連条文
行政事件訴訟法
3条3,4項(1章 総則):抗告訴訟(裁決の取消しの訴え、無効等確認の訴え)
14条1項(2章 抗告訴訟 1節 取消訴訟):出訴期間
一言で何の問題か
課税処分の無効事由
つまづき、見落としポイント
本件課税処分の位置付け(公定力)を出発点として主張可否(原因)を導出
答案の筋
公定力の趣旨が及ばない(無効として良い)要件
①瑕疵が重大であり、国民の救済の必要性が高い
②瑕疵の存在が客観的に明白
※②の除外要件
㋐違法な処分により被る被害が重大
㋑処分の有効性を信頼する第三者の保護を考慮する必要なし
ここから先は
1,354字
¥ 500
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?